社会人の悩みの種のひとつに、「苦手な上司との付き合い方」が挙げられます。
怒り方は人それぞれですが、大きなトラウマになるほどの怒り方をする方も多いので、上司の機嫌を取りながら働いている方も多いのではないでしょうか。
今回は上司からの注意・叱責などに悩んでいる方に向けて、会社で働くときに押さえておきたいメンタルの保ち方や、怒られたときの対処方などについて解説します。
なぜ上司は怒るのか
僕はADHD(注意欠陥多動性障害)なので、毎日ミスをしないか、変なことをしないかどうかを気にしながら働いています。
できれば平穏無事に日々を過ごしたいと思っているのですが、なかなかそうはいきません…
上司や先輩に怒られることも、ある意味仕方がないこととはわかっているものの、そもそもなぜ上司は怒るのでしょうか。
指導のため
基本的に、上司は部下を指導する役割を持っています。
具体的な仕事のやり方を教えつつ、悪いところがあれば適時フィードバックして修正を促します。
このとき、フィードバックの仕方、あるいは勢いによって怒鳴ってしまうケースも多く、「怒られた」と感じる方も少なくありません。
権威性を示すため
年齢によって異なるものの、「指導のために怒る」というのは誰しも一度くらいはしたことがあるのではないでしょうか。
本来なら「怒る」ではなく「叱る」必要があるものの、正しい叱り方ができる人はそれほど多くはないため、ある意味仕方のないことかもしれません。
ただし、なかには「部下を服従させる」ために怒る方も少なくありません。
・黙っておれの言うことを聞け!
・私のやり方にケチをつけるの?
このように上司から言われたら、ほとんどの部下は萎縮して押し黙ってしまうでしょう。
その結果、「部下が上司に意見を言う」ことはなくなり、上司は部下を手下のように扱えるというわけです。
上司が部下を怒ることによって生じるデメリット
続いて、上司が怒ることによって弊害について解説します。
仕事における「怒る」という行動は、まさに「百害あって一利なし」としかいえません。
生産性が下がる
人は誰かから怒られると委縮してしまい、生産性が約6割下がるといわれており、さらにその周りにいる人の生産性も3割ほど下がることがわかっています。
また、怒る人本人の生産性も低くなることが判明しています。
怒られた人だけではなく、本人や周りにいる人の生産性まで下げてしまうのは、会社の売上面から見れば、ほとんど意味がないものといえるのではないでしょうか。
謝ることしか考えられなくなる
ミスをしてしまったことに対し、謝罪をすることは非常に重要です。
しかし、怒られ続けていると「とにかく謝らなきゃ!」という思考で頭がいっぱいになり、大事な「今後どうやって改善していくのか?」という点を考えられなくなります。
他責と自責のバランスを取り、自分だけが一方的に悪いと思い込まないようにして再発防止に努めていきましょう。
上司から無駄に怒られないよう、事前に押さえておくべきこと
誰だって「上司から怒られたくない!」と思うのが心情ですが、それでも仕事にミスはつきもので、怒られてしまうシーンは多々あります。
以下のポイントを押さえておき、上司からの叱責を防ぎ、自分の立ち位置を確率させましょう。
怒られないための仕組みを作る
社会人として働く以上、『防げるミスは防ぐ』という意識を持つことは重要です。
初めてのケースであれば、「仕方がないよ」と許してくれるかもしれません。
しかし、2~3回とミスの数が多くなるにつれて、徐々に周りからの信頼が失われていきます。
【書類のミスを防ぐ方法の例】
・ダブルチェックをする
・余裕がありそうなら同僚や先輩にチェックしてもらう
・心配になったときは必ず上司に確認する
・Wordなどの文章校正ツールを使う
どうしてもミスは生じてしまうものなので、自分なりの「ミスが起きないような仕組みづくり」に力を入れる必要があるといえます。
自分の力を過信しない
どんなに気をつけていても、人間である以上、抜けや漏れなどのケアレスミスは防ぎ切れません。
特にADHDの場合、定型発達の方以上に注意力がないため、何かしらのミスでその都度頭を抱えてしまうことになります。
そのため、ツールに頼るなど自分以外の「何か」に頼ることをおすすめします。
・Googleスケジュールにすべての予定を書き込む
・上司からの指示はメモに残し、Googleカレンダーに入力してリマインド設定をする
ただ、ツールを使う際、「ツールを使うこと」自体を忘れてしまうことも少なくありませんので、いつも使う手帳の表紙裏などにメモしておくと良いでしょう。
上司と適度に距離を取る
パワハラ上司が身近にいるのであれば、適度に距離を置くことをおすすめします。
もし反論してしまうと「上司に逆らった」と認識され、今後の仕事に支障をきたすおそれがあるので、ある程度受け流して怒りが収まることを待ちましょう。
その結果「冷静な態度で対応できる人」という目で見られるようになり、上司以外のメンバーからの評価が上がることも少なくありませんので、決して自分自分自身を責めず、自分に優しくしてあげるようにしてくださいね。
なお、自分を優しくしてあげるには、少しの知識と練習が必要なので、気になる方は以下の記事を参考にしてみてください。
上司に怒られて凹んでしまったときの対処法
上司に怒られてしまうと、身体はもちろん心も疲れ果ててしまうため、その都度心身をケアする必要があります。
ただ不思議なことに、不安や恐れ、その他の感情を司っている脳は、そもそも疲れを知らない器官といわれています。
しかし、何もしないとうまく機能しなくなってしまうので、以下のポイントを押さえたうえできちんと休ませるようにしましょう。
前頭前野を休ませる
睡眠不足をはじめ、人はストレスがかかると脳の中にある前頭前野が疲れてしまい、強い衝動や欲求などが制御できなくなってしまうようになります。
普段ならしない突発的な行動や言動も無意識にやってしまうようになり、「急にどうしたの?」と周りから心配されてしまうかもしれません。
特に以下のような、身体にとって好ましくない行動を取ってしまう回数が増えていくようになります。
・暴飲暴食
・夜更かし
・過度な飲酒
・長時間のスマホ使用
頭ではダメとわかっていても、目の前にある欲求・衝動に負けてしまい、上記のような行動を取ってしまうようになります。
胃腸や肝臓など、身体のいたるところにダメージが与えられてしまうので、前頭前野を休ませるためにも、怒られた日は好きなものを食べてリフレッシュし、あったかいベッドで眠るようにしてくださいね。
すべて自分の責任だと捉えない
上司に怒られている最中は、すべて自分のせいだと思い込まず、「そんなに怒る必要ある?」と心の中でつぶやきながらやり過ごしてみてください。
ミスは、その人だけの責任でないことがほとんどで、組織の仕組みや上司からの指示、そもそもの仕事量などすべてが合わさって発生するものです。
・たしかに自分がミスしたのは悪いけど、最終チェックをしなかった上司にも責任はあるよね…
・そもそも全部私に投げっぱなしにしたせいでしょ…
上司というのは「何かあったときに責任を取るためにいるもの」で、そのために部下よりも高い給料をもらっています。
一方的に怒鳴りつけてくる上司はもはや上司の器とはいえないので、見切りをつけて自分なりの仕事のやり方を見つけるようにしましょう。
なお、ミスについては以下の記事でも詳しく解説していますので、こちらも併せてチェックしてみてください。
過度に怒る上司とは距離を取ろう
今回は上司からの注意・叱責などに悩んでいる方に向けて、メンタルを保つ方法や上司との付き合い方などについて解説しました。
・自分だけが悪いと思い込まない
・仕組みやツールでミスを防ぐ
・良質な睡眠を取り、心身ともに休ませる
怒られること自体が怖くなってしまうと、上司の機嫌ばかり気にしながら仕事をすることになってしまいます。
そのため、なるべく「同じミスをしないためにはどうすればいいのか?」を考えるようにしています。
良いアイディアが浮かぶことはほとんどありませんが、考えることそのものはやめないように心がけています。
ミスをしてしまうダメな自分自身を許しつつ、前向きに取り組んでいきましょう。
また、こちらの本も参考になりますので、よけれがチェックしてみてくださいね。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
それではまた!