人間関係の悪化や体調不良など、さまざまな理由でなってしまうのが「五月病」です。
これにより、「会社に行きたくないな…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
簡単な問題であれば解決しやすいものの、もし「完璧主義」が理由だった場合、自分と向き合ってゆっくりと改善させていく必要があります。
今回は五月病によって悩んでいる方に向けて、危険なサインの見分け方と対処法について解説していきます。
五月病になる理由は人それぞれ
年齢・性別問わず、「何だか今日はやる気が出ない…」と悩むのは、人として仕方のないことです。
やっとの思いで会社に行っても体調が悪いことには変わりはなく、注意不足によりミスやトラブルがいつもよりも増えてしまい、周囲から「もっとやる気出してよ!」と叱られることになります。
その結果、「みんな頑張ってるのに私も頑張らないと!」と気を張ってしまいがちですが、これらは単に気の緩みからくるものなんでしょうか?
環境変化によるストレス
就職や進学など、4月はさまざまなイベントがありますが、それらによるストレスが引き金となって五月病になるケースは決して少なくありません。
ストレス耐性は人によってそれぞれ異なるので、たとえ同僚の方は平気だったとしても、自分にとっては我慢が難しいというケースも多くあります。
連休による「緊張状態の解放」
5月の上旬には「GW」があり、この間は多くの方が羽を伸ばして過ごすことになります。
4月から続く緊張状態から解放されリフレッシュできますが、人によっては緊張によって抑制されていた症状が一気に表面化することがあります。
・倦怠感
・肩こりや首こり
・やる気の減少
いずれも放置できない症状であり、早期に改善させないと、GW明けに「仕事に行きたくない…」と悩むようになるので注意が必要です。
五月病の怖いポイント
五月病の怖いポイントは以下の2点です。
・自分ではコントロールできない
・無理をして頑張ってしまう
自分ではコントロールできない
できることならバリバリ仕事をこなしたいし、ミスもなるべくなら減らしたいものですよね。
それでも頭と身体がついてこないのは、自覚がないままメンタルを病んでしまっているからかもしれません。
特に5月は4月の頑張りの影響により、疲れやすくメンタルを崩しがちなため注意が必要です。
【学生の場合】
・慣れない授業
・新歓コンパ
・新しい友人関係の構築や維持など
【社会人の場合】
・研修やOJT
・挨拶回り
・新しい取引先の方との顔合わせなど
いずれも慣れない作業の連続で脳が疲弊しているため、すぐに疲れてガス欠になってしまうことになります。
無理をして頑張ってしまう
「無理をして頑張ってしまう」のも五月病の怖いポイントのひとつで、遅刻やケアレスミスなどが多発してしまう方も珍しくありません。
・少しだるいだけなので大丈夫です!
・ちょっと休めば元に戻ります!
自分自身に言い聞かせるように上司に謝り、心を入れ替えて再び仕事に戻っても、同じようにミスをしてしまうことも多いです。
単なる甘えや怠慢で片づけるのではなく、原因を特定し改善させることが重要です。
また、以下の記事では「職場で簡単にできるストレス対策」を紹介していますので、気になる方は一度チェックしてみてください。
「仕事に行きたくない」という気持ちと「完璧主義」の関係
メンタルを病んでしまう方の特徴として、「完璧主義」が挙げられます。
完璧主義は、「どんなことでも100点を目指してしまうような人」を差す言葉です。
いつでも完璧を目指しているので、ミスをしてしまう自分自身を受け入れられず、過度に自分のことを責めてしまうようになるのです。
また、完璧主義の人は以下のような特徴を持っています。
周囲からのプレッシャーに弱い
完璧を求めるあまり、プレッシャーに潰されてしまう方も少なくありません。
・どうしてこんなことをしてしまったんだろう…
・もうこれで「使えないやつ」認定をされてしまったはずだ…
・どうにか乗り切れたけど、明日はまたミスしてしまうんじゃないかな…
特に完璧主義の方は「ネガティブ思考」がループしてしまいがちで、この結果「会社に行きたくない」という悩みが強くなってしまうケースも少なくありません。
過度に期待している
仕事のミスに対して過度な罪悪感を覚えてしまう完璧主義の方は、自分に対する期待値が少々高い傾向にあります。
僕自身も、自分に対する期待値が高いあまり、些細なミスや指摘で自分自身を責めてしまうことが多くあります。
・新人じゃないんだし、これくらいのことはできて当たり前だろう
・周りの人にはなるべく嫌われたくないし、きちんとこなさないといけない
・できれば格好悪いところは見せたくないな
実際に文字にしてみると、見栄や虚栄心が顕著に表れていることがわかりますね…
正直いって、ADHDの僕が完璧な仕事がいつもできるとは到底思えません。
人の何倍もの注意力と時間を使っても、ようやく7割くらいの成果が出る程度なので、自分に対する期待値は低めに見積もっています。
「70点ルール」で改善させる
完璧主義の方は「70点でOK」というマイルールを設定し、自分に対する基準を下げるようにしてください。
このとき、「自分に甘くなってしまうのでは?」と考える方も多いのですが、そもそも完璧主義の方は、常に100点を目指そうとするくらい責任感のある方がほとんどです。
多少自分に甘い基準を設けたり、少し気を抜いたりするくらいで「ちょうど良い」ため、ぜひ実践してみてください。
他人の声に反応しやすい
完璧を求めて仕事をしても、人間である以上、ヒューマンエラーはつきものです。
ミスをしたとき、「そんな仕事じゃだめだ!」「成長する気が感じられない!」など怒られることもあり、完璧主義の方はそのたびに強いショックを受けます。
しかし、特にサボってミスをしたわけではないので、過度に落ち込む必要はなく、自分を許して次の仕事に活かすことが重要です。
セルフコンパッションで「自分に許し」を与える
・ミスをしてしまっても、これが自分なんだからしょうがない
・同じミスをしないように対策しよう
・完璧な人なんていないんだから切り替えて前に進もう
自分を許すと心が落ち着き、余計な緊張が減って仕事のパフォーマンスが向上します。
強靭な肉体と精神を持つプロのスポーツ選手でも、過度に緊張していたら思うような成果は出せません。
一般の方であれば、なおさら心の平静を保つ必要があるといえます。
良い意味で自分の期待値を下げて、そこから自分にできることを探し、生産性を保つようにしていきましょう。
「仕事に行きたくない」と感じたときに役立つ対処法
残業や暴言、マウントなどによって発生するストレスを軽く受け流せる人がいる一方、耐えられずに潰されてしまう人も少なくありません。
最後に、「仕事に行きたくない」と悩んだときに役立つ対処法をご紹介しますので、自分に合うものがあればぜひ実践してみてください。
性格と気質の違いを再確認する
性格と気質の2つはよく似ている言葉ですが、以下のように区別されています。
性格→先天的・後天的なものの両方が相互作用しながら作られるもの
気質→生まれつきのもの
たとえば僕は「人見知り」ですが、同じように人見知りのことで悩んでいる人も多いでしょう。
この「人見知り」のような「何らかの刺激に対する行動特性」は、上記の「先天的な気質に由来するもの」が多いとされています。
気質は変えることができないため、自分の気質に合わない環境ならストレスが溜まって当然です。
「どうして自分だけできないんだろう…」と悩んだり責めたりするのではなく、上司や先輩に相談し、必要な配慮を求めてみると良いでしょう。
「ストレスに弱い人がいて当たり前」ということを再度確認する
人それぞれ容姿や身長、好きなファッションなどは異なりますし、これらはその人の個性となります。
個性はその人を構成する大事な要素であり、それを揶揄するのはマナー違反です。
しかし、ストレス耐性のことをはじめ、主にメンタル面に関しては比較的「人による違い」が認められていないように感じます。
・◯◯さんは気持ちを切り替えて働いているのに、△△さんはまだ落ち込んでいる…本当に根性がないよな!
・おれの若い頃はもっと頑張って食らいついていたぞ?なのにお前は本当にだらしないよな
上記のような考えを持つ方も一定数存在しますが、メンタルの強さは個人差があるのでため、決して全面的に肯定してはなりません。
ライオンとペンギンの暮らしを思い浮かべよう
たとえば、サバンナで生きることが当たり前のライオンは、寒い北国で暮らすことはできません。
逆にペンギンがサバンナに行った場合、これも同様に気温によってすぐに倒れてしまうでしょう。
もし今自分にとってストレスが強い環境にいるのであれば、「仕事を休む」または「ストレスが少ない環境に移る」のがベターです。
・病院に行って医師の診断を受け、休職できないか上司に相談する
・そこまで体調が悪くないなら部署移動や転職を検討する
環境を変えることは非常にハードルが高い行為ですが、人によって適応できる環境や、耐えられるストレスの範囲は違うため、検討すべき選択肢となるでしょう。
ストレスに弱いことは決して悪いことではないので、一度自分のことを振り返り、自分なりの「身の守り方」を探してみてはいかがでしょうか。
仕事に行きたくないと悩むのは自分だけじゃない
今回は「会社に行きたくない」と悩んでいる方に向けて、危険な特徴と対処法について解説しました。
・自分の期待値を下げて、自己肯定感をなるべく下げないようにする
・完璧主義、生真面目の自分に気づき、過度な罪悪感を覚えないようにする
・無理に苦手な環境に適応しようとしない
真面目なことはとても良いことなんですが、今の世の中に当てはめると、それが足かせになるケースも少なくありません。
しかし、たとえミスによって周りから「ダメなやつ認定」をされてしまっても、そこで人生が終わりじゃありません。
過度に自分を責めないことを意識して、できる範囲で無理なく働きましょう。
それでも自分を責めてしまう方は、以下の書籍も読んでみてくださいね。
今回もご覧いただきありがとうございました。
それではまた!