上司から怒られてばかりで、サラリーマンなんてもう嫌だ…
先輩との関係もぎくしゃくしているし、ちょっとしたことでイライラしちゃうよ…
仕事に限らず、自分にとってうまくいかないことが続いてしまうとやる気やモチベーションなどはどんどん下がってしまいますよね…
周りの人と比べられることもあれば、自分自身の不甲斐なさを突きつけられてしまうことも少なくありません。
今回は、仕事の悩みの解消や、周りの人間関係の改善につながる「知的謙遜」について解説します。
人の悩みは5種類
人によって弱点や欠点、コンプレックスなどは異なり、その種類や悩みの深さもさまざまです。
特に多くの人が悩むものとして、以下の5つが挙げられており、これはHARMの法則とも呼ばれています。
・健康(Health)
・夢、将来(Ambition)
・お金(Money)
・人間関係(Relation)
上記5つの頭文字を取って、HARMの法則と名付けられました
発達障害の方が抱える悩み
また、発達障害の方はさらに多くの悩みを抱えがちで、具体的なものを挙げたら切りがありません。
日々の仕事や生活で考えてみると、僕には以下のような弱点があります。
・言われたことをすぐ忘れてしまう
・優柔不断
・自分の意見がはっきり言えない
・コミュニケーションが下手
・新しいアイディアが浮かばない
・判断に時間がかかる
・頭の中が常に散らかっている状態で、なかなか作業が進まず上司に「仕事が遅い」と叱責されてしまう
一般的に、弱点は改善しようといわれることも多いのですが、特にADHDやASD、LDといった発達障害の方の場合、簡単に直すことは叶いません。
いくら長所を伸ばしても、誰もが認める突き抜けた天才ではない限り、それだけで社会生活を送ることは難しいといわれています。
天才と呼ばれる人
たとえば、以下のような方なら世間的に成功しやすいとされています。
・独創的な楽曲を作るアーティスト
・真似できないアイディアを生み出せる起業家
・超能力のような特殊技能を持つギフテッド
ギフテッドとは、一般の人が持っていないような特技・能力などを持つ人のことを指す言葉です。
発達障害の方の中には、稀に優れた才能を持っていることが多いです。
たとえば、アーティストの米津玄師さんはASDの特徴を持っていますが、類い稀なる才能を活かし、世の中の多くの人の心を掴む音楽を作り出しています。
一方、集団生活に支障が出てしまうような弱点が多いと、周りの人に迷惑をかけるほか、メンタルヘルスに大きな影響を与える自己肯定感が失われてしまうでしょう。
客観性を育む知的謙遜
知的謙遜とは、「自分の未熟さを認め、他人を尊重しながら日々勉強していく」というマインド・考え方のことです。
GAFAMのひとつであるGooglegが特に重要視しているスキルともいわれており、実際に社員を採用する際には、具体的な能力ではなく謙虚さと責任感を見ているそうです。
仕事だけではなく、恋愛や家族関係などあらゆる方面で活かせるものであり、知的謙遜のレベルが高ければ高いほどストレスなく暮らせるともいわれています。
そんな知的謙遜レベルを高めていくためには、いくつかの方法とコツがあります。
多くの情報源を活用する
政治やスポーツ、文学など、何かひとつの情報ばかり集めてしまうと、凝り固まった思考が作られてしまいます。
僕は読書が好きで、発達障害関係や心理学関係、あとはビジネス書をよくチェックしていますが、これだけでは知識の偏りができてしまい、「知的謙遜がある人」とはいえません。
専門性は高くなるものの、新たな発想やひらめきなどは生まれづらく、柔軟性も低くなってしまうため、下記のようにさまざまな情報に触れることが重要です。
・アートなどが載っている美術書
・WordPress制作などのコンピュータ関連の書籍
・最近流行っている漫画や小説
普段はチェックしないようなジャンルの情報を集めつつ、「自分はまだまだ知らないことがたくさんあるな」と自分と向き合いながらバランスを取ることが重要です。
自分は客観的ではないと考える
人間は常に何かしらのバイアス(思い込み)にかかるものなので、「自分は客観的に考えられているかな?」と定期的に問いかけてみてください。
たとえば洋服を買おうとするとき、ブランドや値段、着心地などの情報を集めますよね。
このとき、テレビやインターネット、雑誌などに記載されている口コミやレビューなどを参考にして決めるかと思いますが、これらは発信者の主観で語っていることが多いです。
・今シーズンは★★がおすすめ!
・最新の△△は着心地が抜群で要チェック!
・値段は安いけど■■はコスパが悪い!
自分が良いものだと思っていたものが悪く書かれていた場合、「このレビューは例外だ」と決めつけ、結局買ってしまうことも少なくありません。
このような確証バイアス(自分にとって都合の良い・関心がある情報のみを集める傾向のこと)が働くと、うまく意思決定ができなくなるほか、最終的には後悔してしまうようになります。
特に大事な決定をするときは、【今自分は先入観や思い込みにとらわれていないかな?】と一度落ち着いて考えてみるようにしてくださいね。
知的謙遜を意識するのは難しい
ここまで知的謙遜に関するポイントを書いてきましたが、知的謙遜は能力・思考は簡単に身に付くものではなく、時間をかけてゆっくりと体現していくものとされています。
常に謙虚でいようとしていても、ついつい自分を良く見せようと知識を披露したり、不要なアドバイスをしたりして周りの人を引かせてしまうこともありますよね…
知的謙遜の力を伸ばそうと考えている方は、以下のような行動・思考を取り入れてみてください。
・今まで読んだことがないジャンルの本を読む
・レビューや口コミを見るときは、自分の考えと異なっているかどうかを一度考えてみる
・人から学ぶ姿勢を忘れない
いきなり大変なことを実践するのは難しいのですが、上記の3つならできそうですよね。
子どものときを思い出し、どんなことでも吸収しようという気持ちで取り組んでみてはいかがでしょうか。
知的謙遜を活かした発達障害ライフハック
先述したように、自分の弱点を改善するのは簡単なことではないので、弱点を単なる特徴として捉え、自分の長所の方に目を向けることが重要です。
発達障害の方は、定型発達(普通の人)の方にはない優れた長所をたくさん持っていることが多いです。
・ひとつのことに集中できる
・興味を持ったものはとことん没頭できる
・普通では思いつかないアイディアを考えられる
会社や学校では、「融通が利かない」「ケアレスミスが多い」など、やっかみがられてしまうことも多く、自分の居場所を作れずに悩んでしまう方も少なくありません。
しかし、定型発達の方にはない長所も多く、それが発揮できれば周囲の評価も一気に変わるようになります。
傲慢にならない
ただし、いくら人にはない長所を持っている方であっても、「自分はこれで大丈夫!」と思うのは好ましくありません。
知的謙遜の大事なポイントは、謙虚さと責任感の2つです。
特に優れた長所を活かせつ職場で働いている場合、大きな活躍ができている分、失敗経験を忘れがちです。
また、周りの人がフォローをしてうまく仕事が回っていることも多いです。
あの人はたしかにすごいけど、その代わり遅刻グセがひどいからスケジュール管理に注意しないと…
◯◯さん、いつも威張っているけど、自分たちが先方のフォローをしていることを忘れているんじゃないかな?
発達障害の方に限らず、人間誰でも得手・不得手があり、お互い助け合いながら生きています。
この点を忘れてしまうと人間関係にヒビが入ってしまい、自分の居場所がなくなるかもしれないため注意してくださいね。
また、発達障害の方向けの仕事術については、以下の記事で詳しく解説していますので、こちらも併せて読んでみてください。
発達障害だからこそ知的謙遜の知識を学んでみよう
今回は、仕事の悩みの解消や、周りの人間関係の改善につながる「知的謙遜」について解説しました。
・弱点がない人はいないと思い、弱点がある自分を受け入れる
・自分の長所に目を向けて、少しずつ自分に合う環境を探していく
・「無知の知」にも通じる知的謙遜の態度や思考、習慣を身に付ける
誰でも欠点や弱点があり、ときには仕事がうまくいかないと感じることもあるでしょう。
僕もADHDの特徴が悪目立ちしてしまい、周りの人から疎まれてしまうことも少なくありません。
しかし、欠点がない完璧な人もいませんので、無理のない範囲で改善させつつ、他人が持っていない素敵な長所で自分にできることを続けましょう。
また、こちらの本も参考になりますので、もしよkればチェックしてみくださいね。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
それではまた!