サラリーマンの悩みのひとつとして、転職・退職・起業といった「キャリアの選択」が挙げられます。
しかし、いざ転職しようにも、「どんなタイミングでどの会社に応募すれば良いのかよくわからない…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
【本記事はこのような悩みを持つ方におすすめ】
・発達障害の短所が目立たない仕事に就きたい…
・今の仕事じゃなく、もっと違う仕事にチャレンジしたい…
今回は、会社に残るか転職するかどうか悩んでいる発達障害の方に向けて、転職のときに気をつけるポイントについて書いてみます。
目次
転職するときに押さてほしい考え方
まずは、新しい職場を探す際に持っておきたい考え方を3つ紹介します。
【新しい職場を探す際に持っておきたい考え方】
・働きやすさを意識して新しい会社を探す
・マズローの欲求5段階説を考慮して目指すべきゴールを決める
・年収アップの必要性を考えてから応募する
働きやすさを意識して新しい会社を探す
発達障害の特徴を持って働いている方は、「今の会社で働き続けられるかどうか?」で頭がいっぱいになりがちです。
定型発達の方であれば、出世を目指してバリバリ働くのも良いですが、発達障害の方はミスやトラブルが多くなってしまうため、「その日を無事に終えること」を目標にして仕事に取り組むケースも少なくありません。
そのため、新しい職場に移る際、「自分にとって働きやすい仕事・職場」かを意識して仕事を探す必要が賢明といえるでしょう。
【働きやすい職場に見られる主な特徴】
・意見を言いやすい雰囲気
・失敗を「経験」としてとらえて次に進む社風
・責めるのではなく「次はどうするか?」を考えマネジメントする上司の存在
上記のような特徴がある組織・部署であれば、発達障害の方ものびのびと働くことができるでしょう。
マズローの欲求5段階説を考慮して目指すべきゴールを決める
「マズローの欲求5段階説」は、人の欲求は5段階に分けられるということ唱えた説であり、マーケティングをはじめ、マネジメントや人財育成などの幅広い分野で活用されています。
マズローの欲求5段階説の特徴は、以下のようにピラミッド構造になっていることです。
【マズローの欲求5段階説の構成】
①生理的欲求
②安全の欲求
③帰属の欲求
④尊重の欲求
⑤自己実現の欲求
※6番目に「自己超越欲求」があるという見解もある
転職をするとき、「この会社で活躍したいな!」といった自己実現願望をつい持ってしまいがちです。
しかし、自分の特性や能力に合わない職場である場合、大きな失敗をしてしまう可能性が高いため注意が必要です。
実際に僕自身も入社3ヶ月でクビになった経験を持っているので、転職先はより慎重に吟味して選ぶ必要があるといえるでしょう。
年収アップの必要性を考えたうえで応募する
転職をするときに気になるのが「年収」で、基本的には年収が高い会社に入りたいと思うのが心情です。
しかし、働きやすさを求めて行う転職の場合、年収アップにこだわる必要はありません。
未経験への仕事、障害者雇用での転職なら年収ダウンでも仕方ない
今の仕事が自分に合わない、やりたいことを求めて転職する場合、人によっては未経験の求人に応募することになります。
未経験の職種に転職するとなれば、希望年収を下げざるを得ません。
また、「障害者雇用枠」に応募する場合、正社員ではなく契約社員・パートなどの雇用形態になることが多く、こちらも年収ダウンは避けられません。
さらに、30歳以上の未経験転職・障害者雇用枠への応募は数も限られてくるので、そもそも書類が通らないことが予想されます。
実績があれば年収アップを狙える
過去の経験や実績を活かせるような求人に応募する場合、年収アップは可能です。
【年収アップが狙えるケース】
・仕事は好きだけど人間関係が悪いため転職する場合
・夫の関係で引っ越さなければならず、できれば同じ仕事に就きたいと考えている
上記のような場合、内定のハードルはやや下がることになります。
ただし、無茶な振る舞いをするパワハラ上司がいるケースも珍しくないため、事前の情報収集は怠らないようにしましょう。
また、以下の記事では仕事選びの際に大事な「転職術」について解説していますので、こちらも併せて読んでみてください。
「働きやすい」を職場を見つけるコツ
転職活動には大きな労力と長い時間が必要なので、なるべく早めに始めなければいけません。
特にブラック企業に長くいると、体調不良になって働けなくなってしまう可能性が高まるので、自分の身を守ることを優先に仕事に取り組みつつ、これから入る新しい会社を探す必要があります。
以下の内容を頭に入れたうえで、自分に合った会社があるかどうか定期的にチェックするようにしてください。
【「働きやすい」を職場を見つけるコツ】
・ワークライフバランスを重視しているかチェックする
・メンタルヘルスに理解があるかどうか確認する
・副業OKかどうか聞いてみる
ワークライフバランスを重視しているかチェックする
ワークライフバランスを社員に提言している会社の方が売上や社員満足度が高いといわれているのにもかかわらず、やはりそのようなところは少数です。
一般的に、以下のような特徴がある会社はワークライフバランスが取れているといえます。
【ワークライフバランスが取れている会社の特徴】
・育休制度が充実している
・長時間の残業が常態化していない
・怒鳴り声が飛び交わない
・有給が取りやすい
・リモートワークが許可されている
どんな職場が「ホワイト」なのかは人によって異なりますし、それにすべての条件を満たす会社はそれほど多くありません。
妥協できる範囲を見つけ、「ここなら体調を崩すことなく働けそうだ」と思える会社に入ることができれば転職は成功といえるでしょう。
なお、「ワークライフバランス」については以下の記事で詳しく解説していますので、よければこちらもチェックしてみてください。
メンタルヘルスに理解があるかどうか確認する
仮にメンタルを病んでしまい、出社できなくなったとしても、休職に理解がある会社なら辞めずに済むかもしれません。
また、部署がたくさんあるような規模が大きい職場なら、部署異動によって問題が解決することだってあります。
一方、メンタルヘルスの理解が浅い会社の場合、以下のような発言をする上司がいる可能性が高いため注意が必要です。
【メンタルヘルスに理解がない上司の発言例】
・おれが若い頃はもっと頑張ってたぞ!
・つらいのはみんな同じなんだから、我慢してよ
正直なところ、「みんなつらいから我慢して」と部下に伝える上司は、マネジメント力に欠けていると言わざるを得ません。
本当に部下のことを考えている上司なら、問題の解決に全力で取り組むはずですし、僕が上司なら迷わず改善策を一緒に考えます。
働きやすさは1つのものさしだけでは図れませんので、メンタルケアを優先させて次の仕事を選んでみてはいかがでしょうか。
副業OKかどうか聞いてみる
時短勤務やパートタイムなどの働き方ではない限り、基本的には1日の大半を仕事に充てる必要があります。
どんなに給料が高くても、自分の能力が活かせる仕事であったとしても、体調を崩してしまうほどの職場であれば長く続けていくことは難しいです。
そのようなとき、転職ではなく副業やパラレルワーク(複数の仕事を並行して行う働き方)という手段を講じるのもひとつの手です。
【副業をしている方が持っている考え方】
・今の会社には居場所がないけど、個人で受注している仕事があるからね
・職場の人ととは仲良くなれなかったけど、SNSでつながった友達と仕事をしているから平気だよ
もし仮に頓挫してしまっても、そこで培ったスキルや経験はずっと自分の中に残ります。
うまくいけば、それを実績として転職先の会社にアピールできるかもしれません。
目先の結果だけにとらわれず、自分のやりたいことを少しずつ続けていくことで、理想のキャリアを実現していきましょう。
自分にとって無理なく働ける職場を探そう
今回は、今の会社に残るかどうか悩んでいる発達障害の方に向けて、転職のときに気をつけるポイントについて解説しました。
・無理なく続けられる職場を探す
・メンタルケアを優先させて働く
・会社にしがみつくのではなく複数の仕事を行ってみる
キャリアアップも大事ですが、まずは「生き残る」ことを意識した転職をした方が、特にADHD・ASDの方にとっては良い結果になるのかと思います。
いくら年収が高くても、長時間残業やパワハラによってメンタルを病んでしまっては元も子もありません。
もし自分にとって合わない仕事に就いてしまうと、大きなストレスを抱えながら働くことになってしまうので、きちんと計画を立てて転職活動を続けていきましょう。
また、以下の2冊の書籍も参考になりますので、よければこれらもチェックしてみてください。
今回もご覧いただきありがとうございました。
それではまた!