【社畜卒業】発達障害の方に考えてもらいたいライフキャリアの大切さ

最近、休みの日も仕事のことが頭がいっぱい…何でだろう?

30歳になったけど、このままずっと仕事だけを続けていくのかな…

 

社会に出て数年ほど経ち、日々の仕事には慣れてきたものの、「このまま仕事ばかり続けていても良いのかな?」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか?

 

「別に大したことじゃない」と目を背けてしまいたい気持ちもあるかとは思いますが、もしかしたら自身の「ライフキャリア」についてあらためて考える時期が来ているのかもしれません。

 

今回は、「自分の人生を仕事だけにはしたくない…」「プライべートも充実させたい!」と考えている方に向けて、ライフキャリアの概要やライフキャリアの作り方について解説します。

 

仕事に対して不安を抱えやすいADHD・ASDさんは参考にしてみてくださいね。

ライフキャリアとは?

ライフキャリアは、日々の仕事におけるキャリアに加え、家庭・趣味・地域活動などさまざまな関わりの中で得た経験全般のことを指す言葉です。

 

「これまでやってきた仕事のことをキャリアっていうじゃないの?」と思う方も多いのですが、そもそもキャリアは別段仕事のことだけを指す言葉ではありません。

 

広義の意味のキャリアは、仕事を含めた人生全般のことを指し、生涯にわたって仕事・社会の両面を踏まえつつ作っていくものとされています。

 

世間的な評価ではなく、自分自身の心理的満足感や従属感ともいえるでしょう。

 

また、外的要因(社会・経済・組織)と内的環境(自己意識・価値観・能力)の相互作用の中で形成されていくのも広い意味でのキャリアの特徴です。

 

キャリアに影響を与える外的環境とは?

通常、社会で生きていくためには何らかの仕事をして一定の収入を得る必要があります。

 

この仕事をするうえで重要なのが外的環境です。

 

特に就活や転職は、そのときの経済状況で難易度が大きく変わります。

 

僕の場合、当時世間で大きくニュースに取り上げられていたリーマンショックのあおりを受けてなかなか大変でした…

 

また、少子高齢化の影響により、今ではおよそ4人に1人が65歳以上が高齢者という高齢化社会になっています。

 

働く人達の数が減り、税金も上がるため、今まで以上に仕事に励む必要が出てきます。

 

正規雇用の数も減り、「遊んでなんかいられない!」と焦る方も少なくありません。

 

「とりあえず今の会社で働いていれば大丈夫」と考えている場合、足元をすくわれてしまう可能性もあるので、こうした状況を考えながら今後のキャリアを組み立てる必要があるのかもしれません。

 

内的環境もキャリアを考えるうえで大事な要素

外的環境は、自分のキャリアを作るうえで見逃せないポイントといえますが、これと同様に内的環境も考える必要があります。

 

先述したように、内的環境は「自己意識・価値観・能力」の3つで形成されます。

 

自己意識は、文字通り自分の意識のことで年を重ねるにつれ徐々に変化していきます。

 

また、価値観や能力も同様に時間と共に変わっていくので、定期的に自分のことを振り返り「今私はどんな価値観を持ってどのような能力を持っているのか」をチェックする必要があるといえるでしょう。

 

【ライフキャリアの作り方①】自分の欲求を把握する

特に真面目な発達障害の方は、「私は普段ただでさえみんなに迷惑をかけている…遊んでないと仕事をしないと!」と自分を追い詰めてしまうことも珍しくありません。

 

責任感を持って仕事に取り組むことは大事ですが、闇雲に仕事をしていると、理想のキャリアから遠のくおそれがあります。

 

有名な心理学者であるアブラハム・H・マズローは、「マズローの欲求5段階説」を発表し、人間は本能的に5段階の欲求を持っていると唱えました。

 

生理的欲求→睡眠や食事、トイレなどの生命を維持するために必要な欲求

安全の欲求→命の危険が少ない環境に身を置きたいという欲求

帰属の欲求→友達や恋人、家族や組織などさまざまな他者と関わりたいという欲求

尊重の欲求→自分を価値ある存在として認めてほしいという欲求

自己実現の欲求→自分の能力を発揮して成長したいという欲求

 

基本的にはピラミッドのように①が土台となり、②〜⑤と順に叶えていくのが一般的です。

 

しかしブラック企業に勤めている場合、③や④は満たされるかもしれませんが、大事な①や②がおろそかになり、やがて心身を壊してしまうようなことになりかねません。

 

逆に①や②が満たされていても、③がまったく満たされないと、満足感や充実感は得られません。

 

単に報酬を得ていても不満を持ち、やがて大きな悩みとなって自分を苦しめてしまうため、これらを解決する「具体的な目標」を立てる必要があるといえます。

 

【ライフキャリアの作り方②】自分に合ったライフキャリアを描いてみる

家族の中では「夫」や「妻」、会社では「マネージャー」や「部下」、子どもが通う学校では「PTAの会長」など、人は環境によって果たす役割が変わるのが通常です。

 

これは年齢によって変化していくものであり、どんな人でも「ずっと今のまま」ということはほぼありません。

 

このように、人は複数のライフロール(役割)を持っていると唱えたのがアメリカのキャリア論者であるドナルド・E・スーパーです。

 

・成長段階(0〜14歳)

・探索段階(15〜24歳)

・確率段階(25〜44歳)

・維持段階(45〜65歳)

・下降段階(66歳以降)

 

上記のように人の人生を5つの段階に分類し、これを人生のマキシサイクルと呼びました。

 

さらに、それぞれの段階でも「新成長→新探索→新確立」というミニサイクルが循環し、大きなサイクルと同時進行で進んでいくと考えられています。

 

また、主なライフロールとして「社会人」や「配偶者」、「学生」や「余暇人」などを挙げ、人はさまざまな役割を同時に演じていて、それらに注ぐエネルギー比重も変わるといわれています。

 

キャリアドリフトに注意する

先ほど挙げたライフロールの中にある、人生半ばの過渡期のことを指す40歳前後の時期を「中年の危機」と呼びます。

 

人生の半ばに差しかかると、「これまでやってきた自分のやり方ではうまくいかない」と感じるようになり、自分の自己認識や自信が大きく揺り動かされるようになります。

 

また、このような危機はほかにも3回ほどあるといわれており、年齢に応じて対処していかなければなりません。

 

・成人過渡期(17〜22歳未満)

・大人の世界に入る時期(22〜28歳未満)

・30歳の過渡期(28〜33未満)

 

多くの人は、学校を卒業して18〜22歳ごろに社会に出て、一定期間その組織に馴染もうとさまざまな努力をします。

 

30歳前後になれば仕事や社会にもある程度慣れ、今度は自分の存在意義といったものを模索し始めていき、出世・転職・独立などを考えるようになります。

 

しかし、安易な方向転換は単に世の中に風潮に流されてしまうキャリアドリフトにつながりかねません。

 

そのため、自分の働き方や価値観など十分に把握してから決断をする必要があるといえます。

 

自分にとって「働く」ことはどんな意味を持つんだろう?

 

自分と向き合う作業は比較的つらいものですが、自分の気持ちを紙に書き出し、今後のライフキャリアについて考えてみてはいかがでしょうか。

 

また、自分の気持ちを紙に書き出すことをエクスプレッシブライティングと呼びます。

 

こちらはストレス対策としても有効であり、それについては以下の記事で解説していますので、こちらもぜひご覧になってみてください。

 

【真面目で悩んでいる方へ】エクスプレッシブライティングの重要性

 

ライフキャリアを作って今のモヤモヤした気持ちを整理しよう

今回は「仕事だけの人生にはしたくない」「より充実した人生を送りたい」と考えている方に向けて、ライフキャリアの重要性や、ライフキャリアの作り方をご紹介しました。

 

・社会の状況を考えて、焦らず慎重に現実的なプランをいくつか考えていく

・生理的安全性を第一に、自分の満たしたい欲求のレベルを上げていく

・年齢によって発生するさまざまな危機を想定し、理想のライフキャリアを描いてみる

 

経済状況が不安定の中、焦る気持ちだけが大きくなり、仕事だけの人生になってしまうような状況に陥る方も少なくありません。

 

僕自身も、「自分の人生を会社のためだけに捧げる」といった働き方に違和感を覚えています。

 

しかし、それでも漠然とした不安から無理をして残業をして仕事をしなくてはいけないことも少なくありません。

 

身体は何よりの資本であり、「身体や心をすり減らしてまで働くことはない」はありません。

 

転職や独立だけでなく、普段の生活を無事に過ごすためにも、生理的欲求と安全の欲求を満たせるような仕事に就き、ちょっとずつ理想の人生に近づいていきましょう。

 

また、こちらの本も参考になりますので、よければチェックしてみてくださいね。



 

今回もご覧いただきありがとうございました。

 

それではまた!

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