長時間の残業がなくならない…
上司から理不尽なことで怒鳴られる…
仕事をするうえで、どうしても生じてしまうのが「ストレス」です。
適度なストレスであれば身体に必要とされていますが、過度なストレスが続くような場合、体調が崩れて倒れてしまうことも少なくありません。
今回はストレスとの正しい付き合い方について解説していきますので、仕事や人間関係などのストレスに悩んでいる方は参考にしてみてくださいね。
不調のサインを見逃さない
あいつは根性がないやつだよな…
これくらいで休むなんて空気が読めない人間だよな…
僕は昔、このような発言をする上司のもとで働いていたことがあり、多少熱が出ても休むことができず、薬を飲みながら営業活動を行っていました。
当たり前の話ですが、身体やメンタルの強さは人によってそれぞれ異なり、やる気や根性だけで解決できるようなことは限られています。
また、身体的な症状だけではなく、心のケアも重要です。
心が病んでしまうと、身体にちょっとした悪い変化が生じます。
これは、頭痛や吐き気といったわかりやすいものではなく、「何となくダルい」といった未病のような症状が続くのが特徴です。
不調のときに出る3つのサイン
心のエネルギーが不足してきたとき、以下のような行動を取ってしまい、仕事や生活がうまくいかなくなってしまうことがあります。
・アルコールの量が増える
・欠勤や遅刻が増える
・ミスやトラブルが増加する
上記のような行動や状況が2週間以上続く場合、「うつ病」や「慢性疲労」などの可能性が高いといわれています。
欠勤や遅刻が増えるといったことてあれば、上司や先輩などがそれに気づき、医療機関などの受診を促すなど何らかの処置をしてくれるかもしれません。
ただ、ほとんどのケースでは「甘え」の一言で片づけられることが多く、早期発見につながらないのが現状です。
また飲酒の場合、家族と一緒に暮らしている方なら注意してくれるかもしれませんが、一人暮らしの方であればそれもまた難しいです。
そして、このような兆候・症状を改善させないまま放置する方も多く、その結果ますます悪化してしまうケースも少なくありません。
・ミスが続いているし、会社に行きたくない…
・休んでも誰かに迷惑をかけてしまうし、休めない…
・仕事しないといけないのに、なんでしたくないんだろう…
・なんで自分はこんなに仕事ができないんだろう…
こんな風に自分を責めてしまうようになるため、心身の不調にいち早く気づくことが重要であり、心が弱っていることに自覚を持つ必要があります。
いつもと違うような感覚に気づいたら、メンタルの改善を図ったり、休暇を取ったりして、自分のことを客観的に見直すようにしましょう。
また、メンタル改善には認知行動療法が有効で、なかでも「ACT」という方法が現在多くの方の注目を浴びています。
このACTに関しては以下の記事で解説していますので、こちらも併せて読んでみてください。
ストレスで生まれる不調の怖さ
ストレスが身体やメンタルに与える影響は大きく、それが積み重なるとやがて体調を崩し、働きたくても動けなくなるおそれがあります。
長時間の残業が続くと、「なんで私はこんなことばかりやってるんだろう…」と自分の存在価値もわからなくなってしまいます。
「もうダメ!仕事辞めよう!」と決めたところで、お金や人間関係のことなど多くの悩みが膨らんでしまい、今の職場から離れられないという方も多いのですが、それが長期間続いてしまうのはとても危険といえるでしょう。
ストレス耐性の違い
どれくらいのストレスに耐えられるのかを表す指標のことを「ストレス耐性」と呼び、このストレス耐性は人によってそれぞれ異なるのが特徴です。
たとえば、毎日3時間の残業を3ヶ月間続けたとします。
このとき、体調を崩すほどの影響が出てしまう人もいれば、特に問題なく過ごせる人もいて、前者は「ストレス耐性が高い」、後者は「ストレス耐性が低い」と判断されます。
上記に説明した後者の方は、適性と判断されるような指導・指摘をされただけで大きなストレスになってしまうおそれがあります。
ストレス耐性が低い人はダメなの?
残業はないけど、上司との相性が悪い…働くのってけっこうしんどいかも…
こんな風に思うのも仕方のないことかもしれませんが、ストレス耐性はその人の性格や気質、体力や対処能力によって異なるので、「ストレス耐性が低い=ダメ」というわけではありません。
もし周囲が責めてくるような場合、あまり間に受けず今の環境を変えることに注力することをおすすめします。
ストレスの誤解
ストレスは身体に大きな影響を与えるものですが、ストレスをゼロにしようと逃げてばかりいるのも好ましくありません。
ストレスがまったくない状態では生活にハリが生まれないうえに、大事な場面で自分の力を出し切れなくなってしまいます。
また、上司が部下の業務量ばかりを注視して、その人のモチベーションや能力を考えずに仕事を振ってしまうのもストレスの観点から見れば好ましくありません。
業務量が減って負担が少なくなったとしても、苦手な仕事であればモチベーションも上がらず、結局ストレスが増えてしまうことになります。
職場で働くためには、業務や職務が悪いストレスとならないようにする仕組みづくりが重要です。
【ストレス対策】上司と部下の関係維持に必要な「ラポール」の重要性
メンタル疾患の程度はもちろん、それが表面化する時間も人によって異なります。
段々と不快な症状が出てくる人もいれば、一気に発症する方も少なくありません。
普段の行動や仕草である程度把握することができますが、上司や先輩など周りの人が一方的に決めつけてしまうと、それらのサインを見逃してしまうかもしれません。
部下の本音を把握する
ちょっと元気なさそうだけど、この間も「元気なので大丈夫です!」と返事をしていたから問題ないよね?
もしかしたら、このように思っている上司・先輩の方々も多いのではないでしょうか…?
僕自身もそうですが、一度でもキレられたり、罵詈雑言を浴びせられた上司から声をかけられても、簡単に心を開くことができません。
そのため上司・先輩の方々は、部下に声をかけて返事を聞くよりも、その前段階にある信頼関係(ラポール)を築かなければなりません。
このラポールは、主に顧客・お客様を相手にする営業の世界では特に重要で、多くのトップ営業マンに備わっているスキルひとつとされています。
部下とラポールを結ぼうとした場合、一般的に以下のようなことを意識しながら会話をする必要があります。
・部下の話を傾聴する
・表情など非言語のメッセージ性を理解する
・普段から威圧感を与えないように接する
・部下の悩みに共感し、理解する
部下の気持ちを考えながら接することができれば、うまい具合にラポールを築くことができるでしょう。
周りの人ともラポールを築く
なお、ラポールは上司・部下との間だけではなく、同僚や恋人、友達などの間でも意識して築いた方が良いといわれています。
仕事がつらいときや、何かトラブルが生じてしまったとき、こちらの身を案じ相談に乗ってくれるかもしれません。
そのためには、感謝の気持ちを伝える、自分勝手な発言・行動は控えるなど、日々の自身の「振る舞い」が重要です。
僕も忘れがちなのですが、「やってもらって当たり前」という考え方ではなく、「何気ないことに感謝する」気持ちで接することが大事かもしれません。
なお、良い習慣づくりに関しては、こちらの本が参考になりますのでよければチェックしてみてください。
身体に不調が出るほどのストレスがあれば無理なく休もう
今回は、ストレスとの正しい付き合い方について解説しました。
・ストレスで生まれる致命傷を避ける
・ラポールの重要性を把握する
・不調のサインを見逃さずにストレスケアをする
能力やストレス耐性は人によって異なるため、もしメンタルの調子が崩れてしまっても自分を責める必要はありません。
環境を変えることで、自分の短所ではなく自分の新たな魅力に気づくことができるようになるかもしれません。
また、もし今の状況がどうしてもつらいという場合、転職を検討してみてはいかがでしょうか。
相談するだけでも自分の気持ちが整理できるので、もしよければ利用してみてください。
僕自身も負のループに陥ってしまうことが多いので、一緒に前を向いて生きていきましょう。
今回もご覧いただきありがとうございました。
それではまた!