残業も多いし、もう転職しようかな…
今の仕事じゃなく、もっと違う仕事にチャレンジしたいな…
サラリーマンの悩みのひとつとして、転職・退職・起業といった「キャリアの選択」が挙げられます。
しかし、いざ転職しようにも、「どんなタイミングでどの会社に応募すれば良いのかよくわからない…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
特に発達障害の方は短所や長所がはっきりわかりやすく、仕事選びは慎重に行わなければなりません。
今回は、会社に残るか転職するかどうか悩んでいる発達障害の方に向けて、転職のときに気をつけるポイントについて書いてみます。
「働きやすさ」を意識して職場を探す
発達障害の特徴を持って働いている方は、「今の会社で働き続けられるかどうか?」で頭がいっぱいになりがちです。
定型発達の方であれば、出世を目指してバリバリ働くのも有効ですが、発達障害の方はミスやトラブルが多くなってしまうため、「その日を無事に終えること」を目標にして仕事に取り組むケースも少なくありません。
そのため、新しい職場に移る際、その条件として収入や役職などを挙げるのも良いのですが、それよりも「自分にとって働きやすい仕事・職場」かを意識して仕事を探す必要が賢明といえるでしょう。
マズローの欲求5段階説
マズローの欲求5段階説は、人の欲求は5段階に分けられるということ唱えた説のこのことで、マーケティングをはじめ、マネジメントや人財育成などの幅広い分野で活用されています。
マズローの欲求5段階説の特徴は、以下のようにピラミッド構造になっていることです。
①生理的欲求
②安全の欲求
③帰属の欲求
④尊重の欲求
⑤自己実現の欲求
※6番目に「自己超越欲求」があるという見解もあります
転職をするとき、「この会社で活躍したいな!」といった自己実現願望をつい持ってしまいがちですが、もし失敗してしまうと新しい職場で浮いた存在になってしまうかもしれません。
実際に僕も入社3ヶ月でクビになった経験を持っているので、転職先はより慎重に吟味して選ぶ必要があるといえます。
年収アップの必要性
転職をするときに気になるのが「年収」ですが、基本的には年収が高い会社に入りたいと思うのが心情です。
しかし、働きやすさを求めて行う転職の場合、必ずしも年収を上げる必要はないかなとも思います。
今の仕事が自分に合わない、やりたいことを求めて転職する場合、人によっては未経験の求人に応募することになります。
未経験の職種に転職するとなれば、ほとんどの場合、年収ダウンは避けられません。
20代の転職ならまだしも、30歳以上の未経験転職は数も限られてくるので、受かる確率も下がってしまいます。
年収よりも、職場に馴染み、毎日をトラブルなく終えられる仕事に就きたいという場合、年収を軸にせずほかの条件を優先させて転職を行った方が良いといえるでしょう。
もちろん、過去の経験や実績を活かしつつ、働きやすい職場が見つかった場合、年収アップも可能ですよね。
また、以下の記事では仕事選びの際に大事な「転職術」について解説していますので、こちらも併せて読んでみてください。
どうして働きやすさを重視するの?
今の会社に居続けると自分が壊れそうだ…
転職活動には大きな労力と長い時間が必要なので、メンタルが病んでしまう前に転職活動を始めなければいけません。
ワークライフバランスを推進している会社もある一方、そのようなことをあまり考えないブラック企業も多いので、自分の身を守ることを優先に仕事に取り組みつつ、これから入る新しい会社を探す必要があります。
会社・組織の概要をチェックする
ワークライフバランスを社員に提言している会社の方が売上や社員満足度が高いといわれているのにもかかわらず、やはりそのようなところは少数です。
一般的に、以下のような特徴がある会社はワークライフバランスが取れているといえます。
・育休が取りやすい
・長時間の残業が常態化していない
・怒鳴り声が飛び交わない
・有給が取りやすい
・リモートワークが許可されている
どんな職場が「ホワイト」なのかは人によって異なりますし、それにすべての条件を満たす会社はそれほど多くありません。
妥協できる範囲を見つけ、「ここなら体調を崩すことなく働けそうだ」と思える会社に入ることができれば転職は成功といえるでしょう。
仮にメンタルを病んでしまい、出社できなくなったとしても、休職に理解がある会社なら辞めずに済むかもしれません。
また、部署がたくさんあるような規模が大きい職場なら、部署異動によって問題が解決することだってあります。
働きやすさは1つのものさしだけでは図れませんので、メンタルのケアを優先させて仕事を選んでみてはいかがでしょうか。
なお、冒頭でご紹介した「ワークライフバランス」については以下の記事で詳しく解説していますので、よければこちらもチェックしてみてください。
働きやすさの軸は人それぞれ
キャリアは日本語に訳すと「轍」で、海外では今まで歩んできた人生そのものを表す言葉として使われています。
日本では仕事での実績や経験を示すことが一般的で、就職や転職の際に聞く言葉として定着しているといえます。
これらは「外的キャリア」と呼ばれており、履歴書や職務経歴書にはこちらを書きます。
しかし、自分が大事にしている価値観や心理的満足度、従属感といった「内的キャリア」も考えて転職をする必要があるといえます。
パラレルワーク
時短勤務やパートタイムなどの働き方ではない限り、基本的には1日の大半を仕事にあてる必要があります。
どんなに給料が高くても、自分の能力が活かせる仕事であったとしても、体調を崩してしまうほどの職場であれば長く続けていくことは難しいです。
そのようなとき、転職ではなくパラレルワーク(複数の仕事を並行して行う働き方)という手段を取ってこれからのキャリアを積む方もたくさんいます。
・今の会社には居場所がないけど、個人で受注している仕事があるからね
・職場の人ととは仲良くなれなかったけど、SNSでつながった友達と仕事をしているから平気だよ
もし仮に頓挫してしまっても、そこで培ったスキルや経験はずっと自分の中に残ります。
うまくいけば、それを実績として転職先の会社にアピールできるかもしれません。
目先の結果だけにとらわれず、自分のやりたいことを少しずつ続けていくことで、理想のキャリアを実現していきましょう。
年収を取るか、働きやすさを取るかは人それぞれ
今回は会社に残るかどうか悩んでいる発達障害の方に向けて、転職のときに気をつけるポイントについて解説しました。
・無理なく続けられる職場を探す
・メンタルケアを優先させて働く
・会社にしがみつくのではなく複数の仕事を行ってみる
キャリアアップも大事ですが、まずは「生き残る」ことを意識した転職をした方が、特にADHD・ASDさんにとっては良い結果になるのかなと思っています。
いくら年収が高くても、長時間残業やパワハラによってメンタルを病んでしまっては働けなくなってしまいます。
もし自分にとって合わない仕事に就いてしまうと、大きなストレスを抱えながら働くことになってしまうでしょう…
自分にとって働きやすい職場を見つけられるよう、きちんと計画を立てて転職活動を続けていきましょう。
また、以下の2冊の書籍も参考になりますので、よければこれらもチェックしてみてください。
今回もご覧いただきありがとうございました。
それではまた!