どうしてすぐに判断できないんだろう…
優柔不断でいつも先延ばしにしちゃうんだよね…
元々の性格にもよりますが、優柔不断でなかなか決断できないと悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
特にADHDさんは決断するまでの時間が長く、実際に行動するまでに多くの労力を必要とするといわれています。
今回は上記のような悩みを抱えている人に向けて、ADHD特有の悩みである「判断ミス」が起きてしまうケースについて、僕の実体験も混ぜながら書いていきますので、お困りの方は参考にしてみてくださいね。
判断に迷うケースは山ほどある
どんな業種や職種でも仕事上でのトラブルはやはり起きてしまうものかとは思いますが、以下のような状況ではそれが一気にややこしくなります。
・漠然とした指示が多い
・複数の仕事を並行して進めている
・自分の認識が上司と異なり指示が変わる
もしかしたら、同じように悩んでいる方も多いのではないでしょうか?
また、提携発達の方も当てはまるかとは思いますが、特にADHDの方は「空気を読むのが苦手」「漠然とした指示がわからない」などの悩みを抱きがちです。
僕もこの2つが苦手で、「ちょっと修正してくれる?」みたいな指示があった場合には軽いパニックになります。
そのため細かく質問して全体像を把握するのですが、それでもあいまいな指示を出され、作業後に「本当にこれでいいのかな?」と不安になることも珍しくありません。
逆に、「これくらいやらないとダメ出しされる…」と力を入れすぎてしまい、「いつになったら終わるんだ!」と怒られることもしばしばあります。
全部の説明が明確になっていればいいものの、多くの作業には「それなり」「だいたい」という言葉が使用され、ややあいまいな理解のまま判断する力が求められます。
「それなり」がわからないADHDの方は、多くのシーンで苦労することになるのです…
判断の前に自分を知っておく
ADHDだからといって、全員が同じことで悩んでいるということではありません。
ASDやLD、その他特徴を同時に抱えているケースも多く、特徴の程度もグラデーションのように異なっています。
そのため、実際に悩んでしまうケースを具体的に把握しておき、周囲の人に伝えなければなりません。
・あいまいな指示だと困ってしまうので、できるだけ具体的に伝えてもらえないでしょうか?
・期日は来週末で、作る資料はA4用紙5枚で間違いないでしょうか?
このようなことに加え、自分の特性も職場の方に伝えてある程度理解してもらう必要があります。
僕の場合は外部の騒音や疲労具合で注意力がそれてしまうので、なるべく静かな環境で仕事ができるよう耳栓をするほか、体調が悪いときはその都度休憩を入れながらタスクに取り組んでいます。
また、メールやチャットツールなどの文字では少々トゲのある印象になってしまうので、なるべく口頭でやんわりと伝えておくという意識も重要ですね。
なお、発達障害の方は相手が言ったことを理解するのに時間がかかることも少なくありません。
これによってますます悩む時間が増えてしまうことになるので、具体的な対策が必要です。
以下の記事で詳しく解説していますので、こちらもぜひチェックしてみてください。
良い判断を行うために押さえておくコツ
決断できないと時間ばかりが過ぎてしまうため、決断力を高めていく必要がありますが、そう簡単にはいきませんよね…
仕事をスムーズに進めるためにも、ここからは決断力を高めるコツを紹介していきますので、自分に合うかどうか試してみてください。
【良い判断のコツ①】自分が持っている考え方のクセを知る
上司の指示があいまいで理解できない、他の人の2倍時間がかかってしまうなど、ADHDの人は定型発達の人と比べて「仕事ができない」「人より劣っている」と悩みがちです。
これは、脳の特性上仕方のないものではありますが、実際にそれが原因で行き詰まり、メンタルを病んでしまう方も少なくありません。
僕も「注意欠陥多動性障害」で悩んでおり、たとえば人との会話中、意識が外の風景など別のところに向いてしまい、「おれの話、聞いてないだろ!…」と上司に言われることが多々あります。
電話対応も壊滅的に苦手で、それが原因で新卒で入った会社をクビになり、今では職場にある電話を見ることすら苦手になってしまいました。
一度このようなネガティブな考え方のクセがついてしまうと、「自分を表現する力」が徐々に失われていきます。
・私が言ったところで何も変わらないだろう…
・自分の考えはどうせ的外れだから黙っていよう…
・怒られてしまうから相談できない…
上記は僕の良くない考え方のクセの一例ですが、思い当たる節のある方も多いのではないでしょうか…
一つひとつはたいしたものではないかもしれませんが、これらが積み重なると自分に自信が持てなくなり、判断力・決断力が下がってしまうんです。
これらをいきなり改善するのは難しいのですが、まずは「自分が持っている悪い考え方のクセ」を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。
たとえマイナス思考でも、それを客観的に把握していれば落ち込むことも少なくなり、やり方によっては改善も可能です。
まずは自分の素直な気持ちや感情、そして思考のクセを把握して、心の状態を整えてからどうするかのかを決めてみてください。
【良い判断のコツ②】判断するまでの流れを知る
人によって得手・不得手があるのは当たり前ですが、発達障害の方はそれが定型発達の人に比べて目立ちやすい傾向にあります。
・簡単な事務作業ができない
・軽い雑談ができない
・定期的に開かれる飲み会が苦手
・普通なら理解できるような指示がわからない
・普通なら守れるようなルールが守れない
・普通なら支障がないようなコミュニケーションが取れない
書いていて嫌になるほど「当たり前にできること」のハードルが高いように思えてなりません…
苦手なことを克服するのも良いことなんですが、できれば避けて通りたいものですよね。
特に物事を判断するのが苦手な方にとって、「判断」すること自体も避けたいと思う要素のひとつではないでしょうか。
判断までの3つの段階
そもそも判断するには「情報のインプット」「情報の処理」「情報の出力」という3つの段階があります。
正しい情報を得て、それを頭で処理していき、適切なアクションに移すという段階を経て判断を行います。
発達障害の方はワーキングメモリが不足したり、視覚優位といった特徴を持っていたりするなど、そもそも情報を処理することが苦手です。
その結果判断を誤る確率も高くなり、ますます自己嫌悪に陥ってしまうようになってしまいます。
そのためには、上記3つの流れをスムーズにさせる必要があります。
たとえばワーキングメモリが小さい方は、ボイスレコーダーを使ってみると良いでしょう。
人の話を聞いてメモを取るという作業は、提携発達の方でも難しい作業といわれています。
話の要点を掴みながら文字に起こすという作業は、僕から見れば神業のようなものです。
また、先述のとおりあいまいな指示で困ってしまうことも少なくありません。
・あの資料、なるべく早めに作っておいて
・お客さんのデータ、もう少し詳しくまとめておいて
早めというのはいつまでなのか、詳しくというのはどこまでなのか、正直言ってわからないことだらけです。
特に発達障害の方であれば自分のやり方の加減がわからず、没頭してやりすぎてしまうことも少なくありません。
・別にこんなに詳しく調べなくてもよかったのに…
・もっと早めにやってほしかったな…
・たしかに早めにやってほしいとは言ったけど、あまりにも簡素すぎるよ!
理解があいまいなまま作業するのはかなりのストレスで、大事な決断もしづらくなります。
指示を明確にしてもらうように相談し、決断力を下げないように注意しましょう。
【良い判断のコツ③】メンタルがやられてしまう前に相談する
自分の能力が劣っている、上司の指示が不明瞭といった理由で、メンタルを崩してしまう方が年々増えてきています。
厚生労働省が行った調査によると、2017年に過去最高の506件を記録しており、現在も徐々に増え続けているといわれています。
そのため、自身の体調も意識的に数値化しておかないと、無理がたたって突然動けなくなってしまうおそれがあります。
・昨日は80点くらいの体調だったけど、今日はのどの痛みが増しているから50点くらい…早めに休もう
・寝不足が続いて30点くらいの体調だ…自分では解決できないレベルになっているから病院に行って検査してみよう
自分の状況を客観的に数値化できれば、早めに対処して重症化を防ぐことも可能です。
自分の身体を守れるのは最終的に自分だけです。
ピンチな状況に陥ってしまう前に、日々のケアを忘れずに自分自身を労わってあげてくださいね。
自分の気持ちを大事にして後悔のない判断をしよう
今回はADHDさんに向けて、判断力を高める考え方について解説しました。
・自分が持っている考え方のクセを知ったうえで対策を立てる
・判断するまでのパターンを知り、自分の得意分野で行動していく
・自分の状況を具体的に数値化、言語化して、崩れてしまう前に相談する
僕の場合は「あいまいな指示」と「強いこだわり」のおかげでやらなくていい部分までやってしまい、その結果「あいつは作業が遅い」と言われることが多いです。
また、その都度判断して作業を進めていくため、作業が終わるころにはかなり疲弊してしまいます。
判断力を高めるためにも、上手に情報を整理して無理なく過ごしていきましょう。
また、以下の本も参考になりますので、こちらも併せてチェックしてみてください。
今回もご覧いただきありがとうございました。
それではまた!