【居場所がない】組織内で覚えがちな疎外感の対処法とは?

残業をたくさんした人が評価されるなんて…もう転職しようかな?

なんとか仕事を覚えたいけど、体育会系の上司の考え方と合わずにつらい…

 

会社にはそれぞれのカラーや風土があり、最初は自分に合った会社と思って入ったものの、途中から「馴染めないな…」と悩んでしまうことも少なくありません。

 

今回は会社に馴染めないと悩んでいる方に向けて、組織のなかでうまくやり過ごす方法と、方向転換をするときに役立つ考え方について書いてみます。

会社内で自分の居場所を確保する

会社に入って仕事をする場合、まずは上司から与えられた仕事をこなす必要があります。

 

最初はわからないことも多いので、先輩にアドバイスしてもらい、少しずつ覚えながら着実に実力をつけていくのが一般的です。

 

しかし、仕事をうまく覚えることができず、何度も怒られてしまう方も少なくありません。

 

僕もADHDの注意欠陥多動性障害を持っており、これまで3回ほど転職をした経験があるので、このつらさは非常に理解できるかなと実感しています。

 

そのため、仕事を一生懸命やるほかに以下のような項目を意識して実践していました。

 

可愛がられる存在になる

先ほども軽く触れましたが、どんな優秀な方でもいきなり難しいことはできないため、簡単なことから覚えていく必要があります。

 

しかし、簡単なことも満足にできないのがADHDの特徴で、誰でもできるような単純作業もなかなか覚えることができません。

 

そのため、挨拶と言葉遣いの2点を注意して仕事に取り組みました。

 

人は『能力がある人よりも自身に好意を持っている人』を評価するという習性があり、他人に可愛がられるスキルは社会を生き抜くスキルのひとついわれています。

 

少なくとも、「物覚えは悪いけど一生懸命仕事に取り組むヤツ」みたいなポジションは獲得できるはずです。

 

怒られてしまうことはつらいものですが、やるべきことに注力して自分のポジションを確保しつつ、少しずつ仕事を覚えていきましょう。

 

なお、「職場の人間関係」については以下の記事でも詳しく解説していますので、こちらも併せて読んでみてください。

 

【職場の人間関係】自分だけ嫌われていると感じたときにすべきこと

 

組織内での居場所づくりに重要なソーシャライゼーション

一般的な組織で働く場合、以下の2点が従業員に求められます。

 

職務適応→組織の中で仕事を覚えて、与えられた役割を果たすこと

職場適応→組織内での自分の役割を認識し、周りの人と良好な関係を構築すること

 

上記の2つをまとめてソーシャライゼーション、または社会化と呼ばれており、組織に勤める従業員がやるべき職務・責任のひとつとされています。

 

もちろん限界以上のノルマを与える上司の場合なら話は別ですが、許容範囲内の業務量や人間関係である場合、相応の期間、会社へのコミットメントが必要です。

 

ただ、ADHD・ASDさんの場合、通常の人よりも多くの時間や労力を費やしても適応することが難しいので、苦しみやつらさが増してしまうケースも少なくありません。

 

キャリアミスト

上司に怒られながらも必死に仕事を覚えつつ、職場の人間関係にも慣れ始めたころ、「ずっとこの会社で働き続けるのかな…」といった漠然とした不安感に襲われてしまう方も多いのではないでしょうか。

 

この症状を「キャリアミスト」と呼び、主に30代の方に多く見られますが、発達心理学者のダニエル・レビンソンは40~50代の方でも起こることがあると提唱しています。

 

キャリアミストの症状が出てしまうと、多くの方は漠然とした不安を抱えながら仕事をこなし、本当の自分の気持ちに気づかないフリをして生きていくようになるかもしれません。

 

ただ、自分の気持ちと向き合わずにいると大きな後悔につながってしまうため、やはり自分の働き方について見直していく必要があるといえます。

 

信頼できるライフコンボイに相談する

人生の節目で相談に乗ってくる人のことを「ライフコンボイ」といいます。

 

ライフコンボイは人によって異なり、それは会社の先輩かもしれませんし、友人や恋人、両親かもしれません。

 

あるいは病院の先生や心理カウンセラーであることも多いです。

 

しかし、相談するには自分の悩みをきちんとまとめておく必要があります。

 

なかにはちっぽけなプライドが邪魔をして、自身の悩みを打ち明けられない方も少なくありません。

 

特に30代の方であれば、組織ではもう若手ではありませんし、むしろ自分が相談される立場であることも多いです。

 

自分の悩みをまるでなかったかのように振る舞っていては、いつまでもモヤモヤした気持ちを抱えながら生きていくことになるため、早い段階でライフコンボイを見つける必要があります。

 

組織内で自分の居場所がない場合は人生の正午を考える

人生の正午」とは、心理学者であるユングが提唱した概念です。

 

人生を1日にたとえると、40歳ごろがちょうどお昼にあたることからそのように呼ばれており、ユングはこの時期を「置き去りにしてきた自分と向き合うとき」と定義しています。

 

だけど、20代や30代の方でも「置き去りにしてきた自分」は多々あります。

 

正直な話、人生の正午がどの年代にあたるのかは、人によって変わるものではないでしょうか。

 

悩んでいるときが「現在」であればまさに今が人生の正午で、自分の過去を見直し、未来に向けて再調整する必要があるといえます。

 

また、先ほど少し出てきたダニエル・レビンソンは、このような「人生半ばの過渡期」を「個性化」の時期と呼んでいます。

 

個性化の時期の特徴

個性化の時期にあたると、さまざまな葛藤を克服しようとします。

 

主に悩んでしまう点は以下のとおりです。

 

年齢→若くはないけどやりたいことは多く、それなりの経験はある

チャレンジ→隠居生活にはまだ早く、色々なことにチャレンジできる

愛着→男女問わず、異なる特徴を持つ人を認められなかったのが徐々に許せるようになる

 

若いころにはわからなかった自分の「やりたいこと」が、年を重ねていくうちにつれて徐々に見えてくることも少なくありません。

 

そのため、チャレンジしようと決意するものの、以下のような葛藤が生まれてしまうことが多くあります。

 

・今の仕事を辞めると家族に迷惑をかけてしまうことになるかも…

・チャレンジしても失敗してしまったら立ち直れない…

 

このような悩みは、どんな人でも1個くらいはあるものではないでしょうか。

 

会社員であれば、労基法によってそれなりの待遇が保証されていますが、経営者やフリーランスとして生きていくにはお金の面で苦労することを考えておく必要があります。

 

もちろんメリットもあるので、人によっては今よりも良い条件で働けるようになるかもしれません。

 

どちらを選ぶかどうかは自分次第なので、十分に検討する必要があるといえます。

 

組織に馴染めなくても自分を責めない

転職が当たり前となったこの時代、無理に組織に自分を合わせなくても良いという声が増えてきました。

 

世の中は不景気で、就職や転職が難しいといわれていますが、自分のキャパを超えてしまうような職場であれば長く勤めない方が賢明でしょう…

 

仮に無理をして合わせられたとしても、入社して20~40年もの間合わせることはとてもしんどいうえに、メンタルを病んでしまっては元も子もありません。

 

80歳ごろになったとき、「どうしてあのとき無理して頑張ってたんだろう…」と後悔せず、胸を張れる人生だったと誇れる人生にしたいものですよね。

 

たとえ職場に馴染めなかったしても、方向転換はいつでも可能です。

 

自分の気持ちと向き合い、適正なリスクを取りながら、一歩ずつ理想のキャリアを築いていきましょう。

 

また、自分を責めがちな方は「セルフコンパッション」が有効です。

 

セルフコンパッションは認知行動療法のひとつで、うつ病や適応障害の治療にも効果的とされています。

 

以下の記事で詳しいやり方を解説していますので、興味をお持ちの方はこちらも併せてチェックしてみてください。

 

【仕事・人間関係改善】過度に自分を責めないようになるセルフコンパッションとは?

 

会社に馴染めないのは自分だけじゃない

今回は会社に馴染めないと悩んでいる方に向けて、組織のなかでうまくやり過ごす方法と、方向転換をするときに役立つ考え方について書いてみました。

 

・組織内での居場所を確保するために、自分のポジションを確立させる

・自分を振り返るときに差しかかったときは、自分の気持ちを確かめて行動する

・馴染めないことを責めず、方向転換を視野に入れて働き方を考える

 

人は変化を嫌うもので、ずっと同じ職場に居続けるとそこから動き出すことが難しくなってしまいます。

 

色々な理由で動けないという方も多いかもしれませんが、年を取ったときに自分が後悔してしまうような判断はなるべくしたくないものです。

 

組織に馴染めない、自分の居場所がないと感じたとき、それは逃げではなく、方向転換のサインかもしれません。

 

僕自身、迷うことも多くありますが、後悔を1つでも少なくできるように決断していこうと思いますので、一緒に前に進んでいきましょう。

 

なお、以下の書籍も参考になりますので、こちらも併せてチェックしてみてください。

 



 

今回もご覧いただきありがとうございました。

 

それではまた!

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