今の仕事は残業ばかりでつらいし、転職しようかな…
昼過ぎまで寝ていたいけど、好きな漫画も読みたいしどうしようかな…
身体にストレスがかかると、普段ならすぐに決められるような簡単な判断でもうまくできなくなってしまうといわれています。
いつまでたっても行動に移せず、時間ばかりが過ぎてしまうので、なるべくなら時間をかけずに決めたいものですよね…
今回は、なかなか決断できずに困っているという方に向けて、仕事や人間関係など多くのシーンで必要になる意思決定の具体的なやり方について解説します。
目次
脳の構造を知る
人が行動するとき、脳は以下の2つの異なる指示系統で指示を出しています。
①トップダウン=意識的に考えて行うもの
②ボトムアップ→本能的に行うもの
どちらも組織づくりなどのときに使われている言葉ですが、トップダウンはいわゆる意思の力で身体を動かすときに出される指示です。
・ダイエットのために甘いものを食べないようにする
・志望校合格のために毎日3時間勉強する
・仕事の前に30分読書をする
上記のように自分でやるべき行動を決めていきますが、これではおそらく挫折してしまいそうですよね…
一方、ボトムアップは無意識にやってしまうような行動をしようとするときに出される指示になります。
・ついつい間食してしまう
・家に帰ったらソファに座る
・夜寝る前にスマホをいじる
トップダウンとボトムダウン、どちらがよりストレスなく行動できるかといえば、ボトムダウンといえるでしょう。
そのため、自分が取りたい行動はボトムアップにしたほうが効率よく行えるということになります。
迷いなく行動することができるほか、意思の力も必要ありません。
疲労を感じることなく行動できるので、ほかの人なら難しいとされることも簡単にできるようになります。
なお、プロ野球選手がスムーズに打ったり投げたりできるのも、このボトムアップ型の指示からくるものといわれています。
・バットを構えてテイクバックする
・腰を先に回してからバットを出す
・ボールが当たったら手首を捻り、バットを体に巻き付けながらフォロースルーをする
不慣れな方は、上記のような流れを頭の中で意識しながら行うため、少々ぎこちないバッティングになってしまいます。(僕も最初は全然ダメでした…)
しかし、練習を重ねていくにつれ、特に意識しなくても体が勝手に動くようになります。
これと一緒で、自分がなにかやりたい行動も日々の習慣にしてしまえば、最初は難しかったこともスムーズにできるようになるはずですね。
マルチタスクはNG
一般的に、人はマルチタスクができないといわれています。
マルチタスクは同時に複数の作業を行うことを指す言葉で、電話をしながらパソコンで作業するなど、ADHDの方が苦手なことの1つとして挙げられます。
しかし、実際に電話をかけかながらなにかほかの作業をしている人を見たことがあるという方も多いのではないでしょうか?
これはタスクスイッチングというもので、マルチタスクを行っているように見えて、単に複数の作業を瞬時に切り替えながら行っているだけとなります。
どこか「デキるビジネスパーソン」みたいに思えますが、実際には脳にかかる負担が大きくなり、生産性も落ちてしまうため、あまりおすすめできない仕事術として知られています。
また、決断力や判断力も下がってしまうため、1つの物事を決めてから次のことを決めるようにしてみてくださいね。
どちらでも結果はほとんど一緒
来月予定している旅行、行きたいけどなんとなく面倒だ…
行ってもいいけど、なんとなく行きたくないという状況はなんとも歯がゆいものですよね。
しかし、命が関わるような大きな決断でもない限り、どんな決断でもさほど変わらないことが多いです。
行くことを選んでも、行かないことを選んでも、自分の考え方1つで後悔するようになってしまいます。
行動することで失ってしまうものは?
職場の人や友達から飲みに行こうと誘われたとき、行く・行かないかを選ぶことになります。
仲のよい人なら行くかもしれませんが、嫌いな人ならおそらく断りますよね…
しかし、その日は自分が今まで読みたかった本を読もうと決めていた場合、判断に悩むことになります。
このとき、自分の考えをはっきりさせていないと、今後の後悔につながってしまいます。
・行ったんだけど、やっぱり本読めば良かった…
・断ったけど、やっぱり行けばよかったかも…
上記のようなことになってしまうので、【行くことで発生するリスク・行かなかったことで発生する】を考えてみるのがおすすめです。
リスクを比較する
たとえば【飲み会に行く】と決めたとき、発生するリスクは以下のようになります。
・もう誘われないかもしれないという孤独感
・それによって一人友達が減ってしまうという罪悪感
・もしかしたらかっこいい人を紹介してくれるんじゃないかという期待感
一方、【飲み会に行かない】と決めた場合、以下のようなリスクが発生するかもしれません。
・ずっと楽しみにしていた本が読めない
・さらに【また本が読めなかった】という罪悪感も発生する
・【本が読めない】ことで新たな知識が得られなくなる
個人差もあるかと思いますが、それぞれのリスクを比べながら決めていくことで、後悔のないような判断ができるようになるはずです。
また、人はなにかを得る満足感よりも、失うことによるリスクの方ほうに目がいってしまうといわれており、これはダニエル・カーネマンという心理学者が説いたプロスペクト理論からきているものとされています。
プロスペクト理論とは、不確実な状況下で意思決定を行う際に、事実と異なる認識の歪みが作用するという意思決定モデルをあらわした理論で、人の習性の1つである損失回避性をあらわした理論ともいわれています。
財布を落としたり、恋人と別れてしまったりすると、これまで得てきたさまざまなものを失ってしまうことになりますが、その恐怖感はとてつもなく大きいですよね…
そのため、実際に本を読むときもこの考えを頭に入れつつ、飲み会<読書となるように没頭しましょう。
これで【読書して正解だった】と思えるようになるので、機会があれば実践してみてくださいね。
まとめ
今回は、なかなか決断できずに困っている方に向けて、仕事や人間関係など多くのシーンで必要になる意思決定の具体的なやり方について解説しました。
・やりたいことはボトムアップの考え方で自動化する
・取った行動で発生するリスクをそれぞれ比べてから決める
・失うことの怖さをあらためて確認しておく
性格や考え方などのこともあり、なにかを決断するのってなかなか大変ですよね…
転職をする、新しいビジネスを始めたりするなど、これからなにか判断しなければいけないようなときには、失うことのリスクについて考えてみるとよい結果になるかと思います。
僕自身も優柔不断で決断できずに困ることも多いのですが、一緒にできることから取り組んでいきましょう!
なお、超決断力―6万人を調査してわかった 迷わない決め方の科学も参考になるので、もしよかったら読んでみてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
それではまた!