発達障害の方は、定型発達の人とは違った特徴を持っているせいか、うまく周囲に馴染めず孤立してしまいがちです。
特にADHDの場合、「注意欠如によるケアレスミス」「多動による失言」など当事者それぞれが持つ特性によるトラブルを起こすことも多いですが、定型発達の人にはない魅力的な能力もたくさん持っています。
【本記事はこのような悩みを持つ方におすすめ】
・どうせ私はADHDだし、このまま諦めるしかないのかな…
・同僚の◯◯さんはいつもがんばっているけど空回りしてばかり…何とかしてあげたいな…
今回は、「ADHDが持っている優れた力」について解説していきますので、興味をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。
目次
ADHDのやる気の源
普段している事務作業中、「気が散って作業の効率が上がらない…」と悩んでいる方も多いでしょう。
僕自身「ADHD(注意欠如・多動症)」の診断を受けており、集中力の維持・ケアレスミスの防止の2点を常に意識しながら日々の作業にあたっています。
そもそもADHDの場合、集中力のきっかけになるものは主に以下の以下の2つとされています。
【集中力が高まる主な要因】
・金銭的報酬
・社会的報酬
金銭的報酬
金銭的報酬とは、給料やボーナス、お小遣いや各種補助の給付などの際に受け取る「お金」のことです。
すべてのADHDに当てはまるわけではありませんが、定型発達の方に比べて「労働による対価」を意識しやすいとされています。
そのため、労働量に見合わない報酬しかもらえない職場の場合、早期退職してしまう可能性が高いといわれています。
社会的報酬
ADHDの方は、定型発達の人に比べて「社会的報酬」の反応性も高い傾向にあります。
【社会的報酬の例】
・会社での出世
・給料アップ
・SNSでの「いいねの数」「フォロワー数」のアップ
・他者から受ける評価の向上
ADHDの方は上記のようなものに敏感に反応してしまう傾向があるため、「自分はどれが当てはまるのか」をあらかじめ押さえておきましょう。
ADHDが持つ魅力的な特徴3選
ADHDは、ケアレスミスや忘れ物が多く、周囲から「使えないやつ」といわれてしまいがちです。
しかし、以下に挙げる3つの良い能力を持っているため、「仕事に行きたくない…」「先輩が怖い…」と悩んでいる方は参考にしてみてください。
【ADHDが持つ魅力的な特徴3選】
・ハイパーフォーカス(過集中)
・クリエイティビティー
・好奇心旺盛
ハイパーフォーカス(過集中)
自分の好きな仕事をしているときや、社会的・金銭的報酬が得られやすい作業をしている場合には、「ハイパーフォーカス(過集中)」の状態に入りやすいとされています。
ハイパーフォーカスの状態になると、常人では考えられないくらいの集中状態を維持できるようになります。
【ハイパーフォーカスの例】
・寝食を忘れてゲームをする
・周りの人に呼びかけられても気づかず作業に没頭する
一方、ADHDの方はやるべき仕事を「先延ばし」にする傾向があり、「ハイパーフォーカスの状態で作業してようやく締切に間に合う」といったヒヤヒヤするような経験を持つ方も多くいらしゃいます。
ハイパーフォーカスの注意点
常人離れした集中力を発揮するハイパーフォーカスの状態になると、通常では考えられないほどの疲労感を覚えます。
【ハイパーフォーカスによる疲労によってやらかした失敗の例】
・営業車で19〜23時の3時間寝てしまって、上司にこっぴどく詰められる
・会社から帰った後、玄関に倒れ込んでそのまま朝を迎える
上記は僕自身が体験したことですが、どれも嫌な思い出として記憶に残っています。
ハイパーフォーカスは「諸刃の剣」であり、状況によっては非常に役立つ武器として活用できますが、それ以外では避けたい事象です。
仕事が立て込んでいる場合、「また集中しすぎてしまった…」ということがないように注意してください。
クリエイティビティー
ADHDの方は、創造性が豊かで独自の発想力を持っていることが多いです。
つまらない授業のときなど、先生の話も上の空で、好きな物語を頭の中で空想していたという方も多いのではないでしょうか?
【クリエイティビティーによる「妄想」の例】
・好きな人と頭の中でデートを楽しむ
・目指していた大会で1位を取りインタビューを受けているシーンを思い浮かべる
・大事な予選で活躍している自分を想像する
また、仕事で行き詰まってしまったとき、「何か新しいアイディアを出して」などと上司からいわれることがあるでしょう。
そのようなときでもパッと何か閃き、厳しい現状を打開できるアイディアを出すことができるのがADHDの魅力のひとつです。
このような「閃く力」は、特にビジネスの場面で重宝されます。
【閃きが必要になる主なシーン】
・競合他社にはないサービスを考える際
・真新しいキャッチコピーを作るとき
ADHDの方は、周りの人があっと驚くような一石を投じられるかもしれないので、そこまで卑屈になる必要はないといえるでしょう。
好奇心旺盛
ADHDの方は、定型発達の方よりも強い「好奇心」を持っていることが多いです。
ただ、これは言い換えれば「飽きっぽい」ということになるので、そちらが目立ってしまって劣等感を覚えてしまっている方も少なくありません。
原始時代からの特徴
人は昔、いろいろな獲物を求めて歩き続ける狩猟者でした。
今は狩りではなく何らかの仕事をして生計を立てていますが、その名残が僕らの脳に残っており、そのひとつが「好奇心の強さ」です。
好奇心の強さはADHDの方に顕著に見られ、以下のような行動を取ってしまいがちです。
【強い好奇心によって生じる主なデメリット】
・同じ場所にいられずウロウロと歩き回ってしまう
・落ち着きがなくじっとしていられない
・椅子に座っているときに足を小刻みに動かす(貧乏ゆすり)
場合によってはデメリットになってしまうものですが、自分の好奇心が発揮されるような仕事であれば、職場で活躍できる確率が一気に高まります。
【強い好奇心によって得られる主なメリット】
・難しい仕事にも臆することなくチャレンジできる
・未経験の業種や職種でも転職しやすい
自分の想像力が掻き立てられるような仕事であれば、先述した「ハイパーフォーカス(過集中)」も発揮されすくなります。
もし仕事選びで悩んでしまったときは、「この仕事は自分の好奇心が満たされるのか?」を考えて選ぶと良いかもしれません。
ADHDには優れた点がたくさんある!
今回は、ADHDが持っている優れた能力について解説しました。
・集中するためには「報酬」が必要なので、定期的なフィードバッグが得られる仕事に就くと結果が出しやすい
・クリエイティビティーが高いので、困ったときに新しいアイディアを閃きやすい
・好奇心がくすぐられる仕事であれば本領を発揮できる
僕の場合、ほとんどの仕事は日々のルーティンの繰り返しで、誰かから褒められることはほとんどありません。
ミスばかり目立ち落ち込んでしまうことも多いですが、その中でも好奇心と創造性が発揮できるよう、日々工夫しながら仕事に取り組んでいます。
「褒められることもないし、単純作業の繰り返しだ…」と諦めるのは簡単ですが、頭をひねりながら少しの工夫を重ねていくことも重要かと思います。
同じように悩んでいる方は、僕と一緒に地道に取り組んでいきましょう!
上記の書籍は非常に参考になるので、こちらも併せてチェックしてみてください。
今回もご覧いただきありがとうございました。
それではまた!