【認知行動療法】セルフコンパッションをしてもうまくいかないのはなぜ?

自身のメンタルケアをするために、認知行動療法のひとつである「セルフコンパッション」を実施している方も多いでしょう。

 

しかし、仕事や育児に追われ、「気づいたらやめていた」というケースも少なくありません。

 

【本記事はこのような悩みを持つ方におすすめ】

・セルフコンパッションをやってみたけど、なかなかうまく継続できない…

・「セルフコンパッションのコツ」みたいなものってないのかな…

 

今回は、セルフコンパッションを行うときに心がけることや、継続するうえで押さえたいポイントについて解説していきますので、気になる方は参考にしてみてください。

なぜセルフコンパッションが続かないのか?

セルフコンパッションは、自分自身に対して優しい言葉を投げかけたり、自分の素直な気持ちを紙に書いたりして自分の心を安定させていく認知行動療法のひとつです。

 

実施するためにはある程度の時間を確保しなければならず、毎日やり続けていくのは決して簡単なことではありません。

 

また、セルフコンパッションには「つまずく時期」「うまくいく時期」があり、これらの特徴について理解しておかないと簡単につまづいてしまうおそれがあります。

 

セルフコンパッションの段階

セルコンパッションは、以下に挙げる3つの段階に分かれており、それぞれ特徴が異なります。

 

【セルフコンパッションの段階】

第一段階:励む(Striving)

第二段階:うまくいかずにがっかりする(Disillusionment)

第三段階:徹底的に受容する(Radical acceptance)

 

第一段階:励む(Striving)

最初はセルフコンパッションに励みやすい時期の「Striving」に入ります。

 

当然ですが、「Striving」の段階でつまずく方はほとんどいません。

 

自分にとって新鮮な作業になるため、飽きたり放棄したりする可能性は非常に低いとされています。

 

第二段階:うまくいかずにがっかりする(Disillusionment)

途中からなかなか思うようにいかなくなる「Disillusionment」の時期に入り、人によっては挫折してしまうようになります。

 

セルフコンパッションに限らず、私たちが実施している勉強やスポーツ、仕事などでも「Disillusionment」の時期はあるため、比較的イメージしやすいでしょう。

 

第三段階:徹底的に受容する(Radical acceptance)

多くの人が「Disillusionment」の段階で悩むことになりますが、このとき感じたつらさ・苦しみ・葛藤など自身が感じたネガティブ感情を「Radical acceptance」(徹底的に重要する時期)で解消させることが重要です。

 

セルフコンパッションを行っても、自分自身が抱えるつらさや苦しみなどは完全に消えることはありませんし、この先もどんどん生まれていくことでしょう。

 

そのため、本当につらくなったときなどスポット的にセルフコンパッションを行うのではなく、「なるべく毎日実施する」ことが重要といえます。

 

日々の習慣にセルフコンパッションを組み込むことが大事

僕も当然ながら不完全な人間で、苦しみや悲しみ、憤りなどの負の感情が襲ってくることは多々あります。

 

しかし、それらがすべて許容できなくなるまで放置することはほとんどなく、「このままじゃマズイぞ…」と思ったときにセルフコンパッションを行っています。

 

特に「もう一人の自分をイメージして優しい言葉をかけてもらう」というワークは比較的実施しやすいうえに、その効果も高いと実感しています。

 

このワークは以下の記事で解説していますので、もしよければ一度試してみてください。

 

【仕事・人間関係改善】過度に自分を責めないようになるセルフコンパッションとは?

セルフコンパッションの実践途中に確認すべきこと

セルフコンパッションは、ただやみくもに行っても途中で挫折してしまう可能性が高いです。

 

せっかく始めたセルフコンパッションを長続きさせるためにも、以下で解説するポイントを押さえておくようにしましょう。

 

【セルフコンパッションを長続きさせるコツ】

・現在地を確認する

・セルフコンパッションによる苦しさ、悩みを書き出す

 

現在地を確認する

前述のとおり、セルフコンパッションには3つの段階がありますが、まずは自分が今どの段階にいるのかどうか確認することが重要です。

 

【確認の例】

「Striving」は終わっているはずだから、今は「Disillusionment」に入っているかもしれない

・今はもう「Radical acceptance」に入っているから、このまま無理なく続けていこう

 

それぞれの段階は、よく「曲がりくねった螺旋階段」に例えられます。

 

現在地を見失いやすいうえに、途中で前の段階に戻ってしまうことも多く、なかなか思うように進んでいくことができません。

 

そのため、焦ることなく自分のペースで取り組んでいくことが重要です。

 

セルフコンパッションによる苦しさ、悩みを書き出す

セルフコンパッションを実施する中で苦しいことがあれば、それらも自分の悩みや改善点などに加えて書き出していきます。

 

【セルフコンパッションを実施することで感じる悩みの例】

・セルフコンパッションをしているのに、全然楽になった感じがしない…

・優しい言葉を投げかけているのにどこか白々しく感じる…

 

このように書き出した後は、以下のように対策していきます。

 

【うまくセルフコンパッションができず、自分を責めてしまうケース】

→一度セルフコンパッションのことは忘れ、リフレッシュした後で再び取り掛かる

 

【自分にかける優しい言葉が白々しく感じる場合】

たしかに白々しく感じるかもしれないが、セルフコンパッションそのものを行えていること自体が「すごい」という気持ちを持つ

 

セルフコンパッションの進捗具合や達成感などは、人と比べるものではありません。

 

うまくいかないこともたくさんあるかと思いますが、受容できない自分も全部受け入れて、少しずつ前に進んでいくことが大切なので、ぜひ実践してみてください。

 

セルフコンパッションの進行状況は人それぞれ

ここまでセルフコンパッションの段階について解説しましたが、今自分がどこの段階にいるかはさほど重要なことではありません。

 

「早く次の段階に進みたい」「2つ目のDisillusionmentから抜け出さない」と悩んでいる方も多いですが、先述したようにセルフコンパッションの進捗具合は人それぞれで、決して競い合うものではありません。

 

もし自分のことを責めてしまったときは、まずは「うまくできない自分」を受け入れつつ、大事な親友を励ますようなイメージで優しい言葉を投げかけてみてください。

 

【投げかけてほしい優しい言葉の例】

・これまで悩みながらも続けてこれたじゃない。だから全然大丈夫。

・最初からうまくできる人なんていないよ

 

最初から最後までスムーズに進められる人はほとんどいませんので、自分のことを責めずに無理のないペースで実践していきましょう。

 

セルフコンパッションへの最初の一歩を踏み出そう

今回は、セルフコンパッションを行うときに注意したい3つの段階について解説しました。

 

・セルフコンパッションには「Striving「Disillusionment」「Radical acceptance」の3つの段階がある

・自分が今どの段階にいるかどうかを知ることが重要で、どの段階にいるのかは重要ではない

・不完全な自分を受け入れて少しずつ取り組んでいく

 

セルフコンパッションを行うことで生まれる悩みもあり、それもまた全部受け入れることが大事なポイントになります。

 

元々の悩みだけでなく、それを解消するためのセルフコンパッションで悩んでしまうとより一層つらくなってしまいますからね。

 

僕も日々失敗だらけですが、そんな自分も受け入れて地道に続けていこうと思いますので、一緒に励んでいきましょう。




 

上記の書籍も参考になりますので、もしよければチェックしてみくてださい。

 

今回もご覧いただきありがとうございました。

 

それではまた!

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