「他の人に比べて作業スピードが遅い」など、仕事中上司から注意を受ける方も多いのではないでしょうか。
叱責や注意の数が増えてしまうと自分の居場所がなくなってしまい、仕事を続けることが困難になるかもしれません。
【こんなお悩みありませんか?】
・真面目にやっているのに成果が出ない…
・今の仕事を長く続けるのは難しい…
今回は、仕事で空回ってしまうことが多いADHDの方々に向けて、悩みの主な原因と、悩み解消につながる時短術について解説します。
目次
ADHDの方々が抱く主な悩みの原因
ADHDの方が抱く悩みは多岐にわたります。
【悩みの具体例】
・注意散漫により、いつも上司から「仕事が遅い」と注意されてしまう
・ケアレスミスが多く、上司から叱責されて自己嫌悪してしまう
・遅刻によって周囲からの信頼を得づらい
・多動により周りから「落ち着きがない人」という印象を持たれがち
僕の場合、ケアレスミスと仕事の遅さにより悩むことが多いです。
また、これらの悩みは以下のようなものが原因で生じるとされています。
・上司の振る舞い方
・クローズド就労
上司の振る舞い方
自分の能力不足は否定できませんが、それ以外にも「環境的な要因」が絡み合って「働きづらさ」を感じることが多いです。
たとえば、「この書類を読みやすいように修正してください」など、大雑把な指示しかしない上司と仕事をしているケースです。
ADHDの方は指示の具体的な内容を把握できず、その人なりの「読みやすさ」になるように修正作業を行っていきます。
【几帳面な方】
→誤字脱字のチェックに加え、カラーや装飾などにもこだわる
【大雑把な方】
→最低限の誤字脱字チェックに留める
定型発達の人であれば、「誰が読むのか?」「期限はいつまでか?」をすぐに確認し、それに見合ったクオリティーで完成させることができます。
一方、発達障害の方は「雑にしすぎて注意を受ける」あるいは「完璧を求めすぎて延々と修正作業に没頭してしまう」など、自分の評価を下げてしまう行動を取ってしまいがちです。
生きづらさを感じてしまうのは、自分の能力だけではなく直属の上司の影響もあるといえます。
クローズド就労
自分の障害について、入社前に公表したうえで働くことを「オープン就労」と呼びます。
一般的に「障害者雇用枠」で募集していることが多く、応募するには原則障害者手帳の取得が必須とされています。
一方、自分の障害を伝えずに働くことを「クローズド就労」と呼び、こちらは通常の募集枠となるため、応募にあたって障害者手帳の取得は必要ありません。
クローズド就労のメリット
クローズド就労は、定型発達の方、発達障害の方、グレーゾーンの方すべてが応募の対象となります。
【クローズド就労のメリット】
・応募できる業種・職種の幅が広い
・年収レンジも広い
・正社員での求人が基本
定型発達の方と同じような待遇を受けられるため、年収やキャリアアップも容易に行えます。
クローズド就労のデメリット
クローズド就労を選んだ場合、当然ながら「定型発達の方々」と同じように扱われることになり、次第に「できない自分」が周囲へ伝わっていくようになります。
最初は許されていてもやがて「使えない奴」というレッテルを貼られ、最終的には居場所を失うようになってしまいます。
・どうしてみんなと同じようにできないんだろう…
・また空気を壊すようなこと言っちゃったよ…
・出世するどころクビになるよ…
ちなみに僕は20代のころリストラされた経験があり、あのときの悲しみ・喪失感は今でも覚えています。
組織で働くうえで、「周りの人と比べられる」ことは避けられません。
毎日のように叱責されるのは本当につらいため、クローズド就労によるストレスで悩んでいる場合、「直属の上司に相談する「障害者手帳があればオープン就労で転職活動する」など何らかのアクションが必要になるでしょう。
【ADHDの方必見】具体的な時短術3選
ADHDは注意散漫や集中力の低下により、他の人と比べて仕事が遅くなりがちです。
そのため、最後にADHDの方向けの時短術を紹介しますので、自分に合ったものがあればぜひ試してみてください。
・自分のトリセツを作る
・文章力を高める
・リフレッシュする時間を設ける
自分のトリセツを作る
「弱い自分を認めてあげるようになりたい」「上司に怒られることなく一日を終えたい」と考えている方は、「自分なりの設計図」を作ってみてはいかがでしょうか。
先述したように、生きづらさを感じるのは「自分の能力・捉え方」のほか、「外部の環境」にその原因があります。
そのため、自分のことを客観的に分析しつつ、「仕事でつまずいてしまうのは外部環境にも原因があるんじゃない?」と発想を転換することも重要です。
・上司から曖昧な指示を受けたらなるべく細かく質問する
・集中力を維持させるために、あえて休憩時間を増やしてみる
上記は僕が実際に取り組んでいることを書いた「自分のトリセツ」の一部です。
また、一度作ったトリセツは今後アップデートしていく必要があり、実際に僕は以下のように追加しています。
・簡単な連絡なら口頭ではなくチャットツールで行う
・現在使っているガジェットを見直し、使い勝手が良さそうなものがあれば買い替えて作業効率を上げる
・食材や日用品の買い物は基本的にネットスーパーで行う
仕事シーンに限らず、日々の生活の中でも工夫できることは多々あるので、定期的に見直し実践していきましょう。
文章力を高める
普段文章を書く機会が少ない方は、文章力に自信がないことが多いです。
仕事を行ううえで、多くの人を魅了するような文章力は不要ですが、最低限自分が伝えたいことをまとめる力は身につけておく必要があります。
【読みにくい文章の特徴】
・一文が長すぎて、主語と述語がねじれている
・一文が短すぎて、箇条書きのようになっている
・文章中に同じような表現が繰り返し出ている
文章力は、「実際に書いていくことでしか向上しない」と僕は思っています。
ライティング力の向上を謳う本もたくさんあり、以下の本は内容もわかりやすいためおすすめです。
日記を書く、ブログを始めるなど、実際に文章を書いて練習していきましょう。
リフレッシュする時間を設ける
「口頭での指示が理解できない」「文章も書けない」などと悩んでいると、次第にメンタルが病んでいきます。
頭の中が仕事のことで埋め尽くされていき、せっかくの休日も仕事のことばかり考えてしまうようになります。
ストレスが増えると理解力が低下してしまうので、定期的にリフレッシュすることが必要になります。
【おすすめのアクティビティ】
・ランニングなどの有酸素運動
・映画鑑賞
・楽器演奏
・マインドフルネス瞑想
「没頭できる時間を作る」ことでリラックス状態になり、疲労やストレスが減って仕事の効率が上がるようになります。
なお、リフレッシュのやり方についてもっと知りたいと考えている方は、以下の記事で詳しく解説していますので、こちらも併せて読んでみてくださいね。
ADHDの方は環境整備と休憩の取り方が大事
今回は仕事で空回ってしまうことが多いADHDの方に向けて、悩みの主な原因と、悩み解消につながる時短術について解説しました。
・環境的要因と個人的要因を区別する
・自分のトリセツを作って行動に移す
・文章力を高めてなるべくテキストベースでやり取りをする機会を増やす
・仕事から離れて感覚でできる作業や趣味に没頭する
仕事ができないことはそれだけで自己肯定感の低下につながり、やがて生きること自体がつらくなっていきます。
しかし、場合によっては環境に原因があることも多いので、いろいろな視点で物事を捉えながら改善させていきましょう。
また、以下の本も参考になりますので、もしよければこちらも一緒に読んでみてください。
今回もご覧いただきありがとうございました。
それではまた!