ネガティブな感情に居場所を作る?ACTの本質エキスパンション

昨日やってしまった仕事のミスが忘れられない…

不安なことがいっぱいで目の前にあることに集中できない…

 

どんなにメンタルが強くなったとしても、ネガティブな感情や思考は、残念ながら止められるものではありません。

 

不安なことで頭がいっぱいになってしまうと、目の前にある出来事に集中できなくなり、自分の思うような成果が出なくなってしまいます。

 

そのため、以前の記事で解説したデフュージョンを行うことが重要なのですが、さらに今回紹介するエキスパンションを行うことでより不安感を少なくすることができます。

 

今回はACTでも大事な部分になるエキスパンションについて解説していきますので、僕と同じようなメンタルの方は参考にしてみてくださいね。

エキスパンションとは?

ディフュージョンは「ネガティブな感情を自分と切り離す」作業や思考のことを指しますが、切り離したままだとやがて自分のもとに戻ってきてしまいます。

 

そのため、切り離した感情を「別の場所に隔離する」という「エキスパンション」が必要になります。

 

ネガティブな感情を別の場所に移す

たとえば仕事でミスをしてしまい、ひどく落ち込んでしまったとき、「失敗してホントダメだな…」と考えてしまいますよね。

 

そのときに、「この不安や嫌な気持ちはどこからやってくるんだろう?」と自分の身体の中に意識を向けます。

 

・胃の辺りがなんかムカムカするな…

・肩がずっしりと重い感じがする…

 

人によって異なりますが、おそらく身体のどこかに不快感を覚えるでしょう。

 

違和感を覚えたところが見つかったあとは、そこに息を吹き込むイメージで深呼吸します。

 

・肩のあたりがやわらぎますように…

・胃のあたりが落ち着きますように…

 

あくまでイメージなので、普通の深呼吸でも大丈夫です。

 

深呼吸と同時に、自分の身体の中に余白部分を作るようにイメージします。

 

最後に、先ほど作った余白スペースに不快感を入れておくというイメージを行います。

 

一通りまとめると以下のような流れになります。

 

①身体の中を観察する

②息を吹き込む

③ネガティブな感情の居場所を作る

④容認して隔離する

 

不快な感情を消すのではなく、自由に遊ばせておくような感じにします。

 

・私はこの嫌な感情をここに置いておくんだ!

・ネガティブ感情さん、どうぞこちらで休んでくださいね。

 

こんな感じで上手に分けておきましょう。

 

また、ネガティブ思考の扱い方に関しては以下の記事でも解説していますので、こちらも併せてチェックしてみてください。

 

気持ちの整理に役立つACTの【ディフュージョン】とは?

 

エキスパンションのポイント

身体の中にネガティブな感情を切り離すといっても、なかなか簡単にはいきませんよね。

 

エキスパンションをスムーズに行えるように、以下のポイントを押さえておく必要があります。

 

①同時に複数の感情に注意を向けない

②注意がそれたら脱フュージョンする

③無理にネガティブな感情を消そうとしない

④ネガティブな感情が戻ってくるものと覚えておく

⑤感情が変化しなくても焦らない

⑥感情を受け入れて適切な行動を取る

⑦喜びには不快な感情が伴うことを把握しておく

⑧思考や感情をコントロールしようとせずに容認する

 

たくさんありますが、大事なことは「無理にネガティブな感情をコントロールしない」ことだと僕は思います。

 

冒頭でも書きましたが、人間である以上、不安や恐怖を完全に退けることはできません。

 

そもそも遺伝子レベルで刻み込まれているものなので、かなり厳しいといえます。

 

ネガティブな感情を否定しようとすればするほど、頭から離れなくなってしまいます。

 

可愛いペットのように飼いならす感覚で上手に付き合っていき、その過程で「ちょっとこの場所で休んでてね」と居場所を与えて放置する。

 

この過程を繰り返しつつ、ネガティブな感情を切り離しましょう。

 

ボディスキャン瞑想と同じようなもの

ネガティブな感情や思考を切り離す際、身体の状態をチェックしながら瞑想をするボディスキャン瞑想に近いものを感じる方も多くいらっしゃいます。

 

ボディスキャン瞑想は、身体の各箇所に意識を向けてそれがどのような感覚になっているかを確認し、妄想や不安に捉われないようにする瞑想です。

 

一般的に、以下のような順番で身体の各箇所をチェックしていきます。

 

1.足の位置

2.自分の膝

3.姿勢

4.呼吸のリズム

5.腕

6.首と肩

7.体温(どの部分が温かく冷たいのか)

一ヶ所につき5〜10秒くらいかけて確認し、どんな感じかをたしかめていきます。

 

・昨日ランニングしたから膝がちょっと痛いな

・デスクワークが続いて肩がこってるな

・腰が痛いな…子どもを抱っこしたせいかも

 

さまざまな感覚を覚えるかもしれませんが、このような感覚は、瞑想を行って自分を一歩引いた状態にならないとなかなかわからないものです。

 

これを続けていくと、自然にネガティブな感情とも距離を置けるようになります。

ネガティブな感情を切り離すためにも、「普段は呼吸瞑想をしている」「まだ瞑想をしたことがない」という方は一度ボディスキャン瞑想を実践してみてはいかがでしょうか。

時間をかけてゆっくりエキスパンションに取り組もう

今回はACTでも大事な部分になるエキスパンションについて解説しました。

 

・エキスパンションと行い、ネガティブな感情を別の場所に移す

・エキスパンションはネガティブな感情をコントロールしようと思わないこと

・ボディスキャン瞑想によってネガティブな感情を切り離す

 

エキスパンションを実践してみると、最初のうちはなかなか難しいことがわかります。

 

居場所を作るといっても、それは自分の身体のどこかにあるものに変わりはなく、どうしても混ざってしまうんですよね…

 

僕自身、このエキスパンションを習得するには多くの時間が必要になると痛感しています。

 

生涯をかけてといったら大げさかもしれませんが、コツコツ続けていこうと思いますので、もしよかったら試してみてくださいね。

 

また、時間があれば以下の本も読んでみてくださいね。


 

今回もご覧いただきありがとうございました。

 

それではまた!

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