仕事でミスをしてしまったから周りの人に嫌われてしまったんじゃないかな…
上司に使えないやつだと思われているんじゃないかな…
仕事でミスをしてしまうことが多いADHD・ASDさんは、このような悩みを抱えているのではないでしょうか。
僕もなにかやらかしてしまったときはネガティブな感情や思考に囚われてしまい、眠れなくなってしまうことも少なくありません。
今回は仕事や人間関係に悩んでいる方に向けて、ネガティブな感情を整理するときに使うACTのディフュージョンについて解説していきます。
目次
ディフュージョンの前に思考と出来事を区別する
自分の考えていることと、実際に起きた出来事をいっしょにしてしてしまうと余計なネガティブ感情に襲われてしまうので、まずは以下の項目を自分の中で区別しておきましょう。
・出来事=実際に起きたこと
・思考=単なる頭の中の言葉
・イメージ=頭の中に浮かんだ映像
・感覚=身体に起こる痛みやかゆみ、冷たさ、熱さなど
たとえば「仕事でミスをしてしまった」場合、「ミスをしたこと」は事実ですが、「自分は使えない奴だからみんなに嫌われたかもしれない」といった思い込みは思考にあたります。
思考は単なる頭の中の言葉であり、実際に起きたものではありません。
実際に起きた出来事ではないことで落ち込んでしまっては、余計なエネルギーを使ってしまうだけで、特に良いことはありませんからね…
自分の気持ちを落ち着かせるために、まずは「事実」と「思考」の2つをはっきり分けておきましょう。
フュージョン状態からディフュージョン状態に変える
思考と出来事の区別がついていない思考状態のこと、あるいはそのような人のことを「フュージョン」と呼びます。(ドラゴン〇ールに出てくる儀式のことではありません…)
このフュージョン状態に入ってしまうと、自分の頭の中に思い浮かぶ嫌な言葉や思考を事実として受け止めてしまいます。
たとえば「自分はダメなやつ」という思考が浮かんできた場合、仮にほかの人からの評価が高くても、自分の思考を優先させて落ち込むことが少なくありません。
ひどい場合は一種の命令や脅迫のようになり、動機やめまいなど身体に何らかの症状が出るケースも多いです。
また、以下のような場合にはその人はフュージョン状態に入っているといえます。
・ただの思考がまるで真実であると思い込む
・真剣に捉えて注意を向けすぎる
・自動的に従っている
・良いアイディアだと考えてその通り行動する
ただの思考にここまで振り回されてしまうのがフュージョン状態の恐ろしさなのかもしれません。
ディフュージョン状態で無駄な思考をブロックする
フュージョンの反対が「ディフュージョン」であり、このディフュージョン状態になると、単なる思考であることがわかっているため「現実に起きてないよね」と冷静に捉えることができます。
あくまで自分の想像上の言葉なので、実際に自分が傷つくことはありません。
夢の中でけがをしても、それが現実に反映されることはありませんからね。
また、以下のような人はディフュージョン状態に入っているといえます。
・浮かんできた思考が重要ではないと判断でき、そのまま放置できる
・役に立つときような思考のみ注目している
・無理に従う必要はないと判断できる
・悩むだけ無駄だと知っている
・自分の脅威にはならないと思っている
ディフュージョン状態を保ち、嫌な体験は自分の糧にし、貴重な経験として今後に活かしましょう。
また、以下の記事ではACTの基本について解説していますので、こちらも併せてチェックしてみてください。
フュージョンを解除してディフュージョンの状態で考えよう
今回は、ネガティブな感情を整理するときに使うACTのディフュージョンについて解説しました。
・思考と出来事を区別する
・思考を単なる言葉だと認識し、ディフュージョン状態にする
・嫌な思考に囚われないよう「というワーク」を実践する
ACTは有効性至上主義(役に立つものだけを大事にするという考え)であり、思考が事実かどうかはそれほど気にしません。
事実と向き合うのは大事ですが、現実を変えるアクションを取れないので、仕事や実生活のときは事実と向き合う必要があります。
有効性至上主義である以上、役に立つ思考以外は考えないので、仮に真実であっても人生の役に立たない思考であれば捨てることになります。
自分は役に立たない、使えないといった感情は役に立ちませんし、むしろやっかいな存在にあたります。
過度な不安感や抑うつ症状など、心身に悪影響を与えるものになってしまうので、仕事や人間関係で悩んでいる方はACTを試してみてはいかがでしょうか。
また、興味があれば以下の本もご覧になってみてくださいね。
今回もご覧いただきありがとうございました。
それではまた!