【発達障害の生きる道】ADHDの方は環境設定に努めよう

会社で働いている際、「ADHD(注意欠如・多動症)の悪い特徴が出て周囲から浮いてしまった」という経験を持つ方も多いのではないでしょうか。

 

ADHDの特徴が悪い方向に発揮された場合、自分にとって大切な人からの信頼を失ってしまうことも少なくありません。

 

【本記事は以下のような悩みを持つ方におすすめ】

・また余計なことを言って先輩を怒らせてしまった…

・昨日も今日も忘れ物をしてしまった…怒られて当然だよ…

 

今回は、「ADHDの特徴を活かせる働き方」について解説していきますので、お悩みの方はぜひチェックしてみてください。

 

ADHDに向いている仕事はある?

僕自身ADHDの診断を受けており、「会社員としての生きづらさ」を毎日のように実感しています。

 

そのため、「定型発達の方と同じように働くのは難しいな…」と思うことがしばしばあります。

 

なお、「ADHDに向いている」と呼ばれている仕事もありますが、それにもやはりリスクは隠れています。

 

【ADHDに向いているといわれている仕事の例】

・営業職

・クリエイティブな仕事

 

営業職

ADHDは「事務処理が苦手なもののフットワークが軽い」といった特徴があります。

 

そのため、「エリア全域を飛び回る営業職ならやっていける」と思う方が少なくありません。

 

しかし、営業職にも契約書の作成や名刺の整理といった事務作業があり、苦手なことをやらなきゃいけない機会は数多くあるため油断は禁物といえます。

 

クリエイティブな仕事

ADHDの特徴のひとつとして「豊かな発想力」が挙げられます。

 

あまり人には思いつかないようなアイディアを出せる方なら、デザイナーやライターといったクリエイティブな仕事で活用することができるでしょう。

 

【クリエイティブな仕事の例】

・デザイナー

・プログラマー

・シンガーソングライター

・コピーライター

・セールスライター

 

ただし、なかには「時間管理ができず納期を破ってしまう」などの失敗が重なり、やむを得ず別の仕事に就く方も珍しくありません。

 

そのため、「ADHDに向いている仕事」に就くことのほか、「自分の欠点が目立たなくなるような工夫をする」ことも重要といえるでしょう。

 

ADHDが行っている主な工夫

ADHDの診断を受けている方の多くは、「自分の得意・不得意、気をつけるべきこと」を理解しています。

 

【不得意なことを補うために行う工夫の例】

①ケアレスミスが多い場合

→2〜3回ほどチェックするための時間を確保する

②失言が多い場合

→会話の際は基本的に「聞き役」に徹する

 

自分のことがわかっているからこそ「何に注力すべきか」が明確になります。

 

また、苦手な環境を避ける努力も必要です。

 

【苦手な環境を避ける努力の例】

①電話でのやり取りが苦手な場合

→電話での業務がメインになるコールセンターや、スピード感が求められる業種(総合商社・広告など)では働かない

②遅刻が多い場合

→フレックスタイムを導入している会社で働く

 

ADHDは「できること・できないこと」の線引きがはっきりしており、どんなことでもそつなくこなせる「オールラウンダー」になれることはほぼありません。

 

「これでいいのかな…」と迷うようなこともあるかもしれませんが、自分にできることに集中して周りからの信頼を得るようにしてください。

 

ADHDは「個人の仕事」が向いている?

さまざまな弱点を抱えているADHDですが、それらは組織で働くからこその弱点ともいわれています。

 

そのため、「フリーランスや個人事業主として働く方が良い」といわれることも少なくありません。

 

ここからは、ADHDはなぜ個人での仕事に向いているのかについて解説していきます。

 

【ADHDが個人での仕事に向いているといわれている主な理由】

・飽きっぽいから

・リスクを恐れずチャレンジできるから

・ハイパーフォーカスで仕事ができる

 

自分に合った仕事なら長く働けるから

ADHDの方は「飽きやすい」という特徴を持っていることが多くあります。

 

そのため、もし自分に合わない仕事に就いた場合、数ヶ月〜数年ほどで辞めてしまう可能性が高いです。

 

このような背景があることから、「サラリーマンには向いていない」「自分で事業を起こした方が良い」などと考え「個人での仕事」にシフトチェンジする方が少なくないのです。

 

リスクを恐れずチャレンジできるから

ADHDの長所のひとつに、「先行きが見えない不安的なことにもリスクを取れる」というものが挙げられます。

 

「計画性がない」とバッサリ切り捨てられることも多いのですが、ビッグチャンスを逃さない嗅覚を持っているともいえます。

 

これは、起業家の考え方と非常に合致しており、深く考えずリスクを取れるのはある意味で必要な能力のひとつといえるでしょう。

 

ハイパーフォーカスで仕事ができる

ADHDの方の多くは「ハイパーフォーカス(人間が極限まで集中している状態)」に入りやすいという長所を持っています。

 

別名「過集中」とも呼ばれており、この状態に入れば非常に高いパフォーマンスを発揮することが可能になります。

 

【ハイパーフォーカスに入ることで得られる主なメリット】

・厳しい納期でも対応できる

・他の人には真似できないクオリティーのものを作成できる

 

ただし、ハイパーフォーカスには以下のようなデメリットがあります。

 

【ハイパーフォーカスの主なデメリット】

・ひどく体力を消耗するため、場合によっては体調を崩すおそれがある

・寝坊や忘れ物、提出物の遅延など、ハイパーフォーカスによる疲労によってさまざまなトラブルを起こす可能性が高まる

サラリーマンとして働く場合、遅刻や欠勤は自身の評価を下げる大きな要因となります。

 

一方、個人事業主やフリーランスの場合、「納期を守る」ことが最優先事項です。

 

スケジュール管理と金銭管理ができていれば、数日〜数週間ほど仕事をしなくても、周りの人に大きな迷惑をかけることはほぼありません。

 

ただし、体調不良になると今後の仕事に影響が出てしまうので、ハイパーフォーカスの状態をベースに仕事を進めるのは禁物といえるでしょう。

 

 

ADHDの短所が目立たない環境を見つけ、自分の特徴を活かせる仕事に就こう

今回は、ADHDの特徴を活かせる働き方と、環境設定の重要性について解説しました。

 

・ADHDの活かし方を学び、自分に合っているかどうか確かめる

・無理に会社に合わせなくてもOK

・組織ではなく個人で働くことも視野に入れて「自分に合う環境は何か?」を探し続ける

 

サラリーマンとして働く場合、ADHDの特徴は、事務作業やスケジュールの調整シーンなど数多くのケースで不利に働きます。

 

しかし、ADHDの方の多くは自分の長所・短所を明確にし、職場で受けるストレスを最小限に抑える工夫を行っています。

 

また、組織人ではなく個人として働くこともひとつの手なので、「生活防衛資金が貯まっている」「どうしてもやりたいことがある」といった方は一度挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

なお、以下の本も参考になりますので、こちらも併せてチェックしてみてくださいね。


 


 

今回もご覧いただきありがとうございました。

 

それではまた!

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