【ケアレスミス対策】ADHD当事者が困るポイントと具体的な対策

ケアレスミスが多いし、忘れ物も多い…もしかして私はADHDかも?

 

最近では、ADHDの特徴が世の中に少しずつ浸透し、徐々にその存在が認知されるようになってきました。

 

しかし、現実には特に配慮されることはなく、今までと同じような扱い方をされているケースも少なくありません。

 

今回は、ADHD当事者の僕が個人的につらかった「ケアレスミス」のことと、それを改善するためにやってきたことについて解説します。

ADHDとケアレスミスの関係性

僕はADHDとASDの併用型で、「注意欠陥多動性障害」の診断を受けています。

 

「WAIS」と呼ばれるテストを受け、言語理解の能力は平均以上であるものの、空間を把握する力が極端に弱いです。

 

・地図が理解できず、目的地まで時間内に到着できない

・車の運転が苦手

 

上記のように、日常生活にもさまざまな影響をおよぼすのが「空間認知能力が低い」ことのデメリットです。

 

誰でも気づくことがわからない

ADHDは基本ぼんやりとしていて常に注意不足な状態です。

 

そのため、定型発達の方なら簡単に気づくこともそのまま見逃し、その結果さまざまなトラブルを引き起こしてしまうのが通常です。

 

そのほかにも、日常生活のあらゆる面でトラブルが生じてしまいます。

 

・人が話している途中でも頭の中で音楽などが流れ、「話聞いているの?」と怒られる

・短文のメールでも誤字が見つかりやり直すことになる

・時間管理が苦手で約束の時間に遅れてしまう

 

人によって程度の差はありますが、これらのトラブルによって人間関係が悪化することも珍しくありません。

 

自己肯定感はいつも低い

上司からの指示を覚えることができず、ミスをすることは日常茶飯事で、自己肯定感も常に低いです。

 

メモを取ってもグチャグチャで、見返してもよくわからないため八方塞がりです…

 

こっちは説明してやってるのに、ちゃんとメモしろよ…

 

実際に直接言われたことも多いほか、口に出さなくても明らかにイライラしている様子が伝わってくるので、ますますへこんでしまうのです。

 

時間が経った後に見返してもさっぱりわからないので、もう一度聞きに行くはめになり、そこでまた怒られてしまうのです…

 

リモートワークのありがたみ

コロナ禍になり、リモートワークが認められるようになった今では、テキストベースの指示が増えました。

 

おかげで苦労する回数も少なくなりましたが、それでも口頭で指示を受けるときもあり、そのときはかなり緊張します。

 

口頭での指示が苦手であれば、やはりテキストベースの指示にしてもらうように相談することが有効ですが、下記のような仕事ではなかなか難しいです。

 

・飲食店のスタッフ

・コールセンター

・小売業の店舗スタッフ

 

業界や職種によっては口頭での指示が一般的な場合もあるので、そのような方は「メモを取る時間を作る」「時間が経った後に見返してもわかるくらいの丁寧さで書く」といった対策を実践してみてください。

 

ADHDのケアレスミスの多さは異常

自分ではきちんとやったつもりなのに、なぜか「抜け・漏れ」が発生することがあります。

 

ケアレスミスではありますが、回数が多いともはや些細なミスとは呼べず、言い訳することもできません…

 

・お客さんに渡す資料が1枚足りない

・説明しなければいけない事項を飛ばしてしまう

・書類の日付が間違っている

 

このようなことは日常茶飯事で、周りの人に言われて初めて気づくケースも少なくありません。

 

明日の仕事が怖くなる

どのようなミスも、基本的に数日後など時間が経った後に発見されるため、次の日の始業時に上司の叱責を浴びてしまうことも珍しくありません。

 

ケアレスミスと聞くと、「小さなミス」みたいに感じる方も多いのですが、ビジネスの現場ではミスに大小はありません。

 

商品が届かない、決算が行われない、お金が入金されないなど、業種・職種問わずひとつのミスが命取りになることも多く、「明日仕事行きたくない…」状態になってしまうのです。

 

ADHDがケアレスミスを防ぐためにやること

ADHDはケアレスミスが多いものの、それを放置してしまうと信用に関わります。

 

具体的にどんな対策を講じれば良いのか、以下の内容をチェックしてみてください。

 

作業・手順・工程を一定にする

言い訳ができないケアレスミスを防ぐためにもあらかじめ自分の中で「型」を決め、それに沿って仕事を進めましょう。

 

具体的には以下のような具合です。

 

・仕事の手順をリスト化し、イレギュラーがない限りそれに沿って進める

・お客さんに渡すものや説明することを事前にまとめておき、さらに直前で再度確認する

 

仕事の手順がいつもバラバラだと、「あの作業ってやったかな?」と不安になることが増えてしまいます。

 

特にADHDの場合は短期記憶が苦手な場合が多いため、きれいさっぱり頭から抜け落ちてしまうことがほとんどなので、作業手順を確認するのは非常に有効といえます。

 

また、仕事の進め方については以下の記事でも解説していますので、併せてチェックしてみてください。

 

【発達障害仕事術】失敗しやすいADHDがやるべきこと3選

 

契約書の場合

たとえば契約書を書く場合、以下のような型を作って対策してみてはいかがでしょうか。

 

①日付を見る

②お客さんの名前を確認する

③サービス内容を見る

④印鑑が押してあるかどうかチェックする

 

書いてみるとどれも基本的な内容で、問題なくできる人も多いのですが、ADHDの場合は文字どおり「1個ずつ見る」という作業をしないと見落とす可能性が高いです。

 

自分の中で創意工夫をし続けることが、仕事のミスを防ぐ大事な要素となるので、自分なりにアレンジして今の仕事に役立ててみてくださいね。

 

ADHDとケアレスミスは切っても切り離せない関係

今回は、ADHD当事者として僕自信が困っていること、そしてミスを防ぐために有効な改善方法について解説しました。

 

・口頭での指示がほとんど理解できない場合はテキストベースで指示を出してもらうように相談する

・ケアレスミスが後を絶たない場合、自分の作業の中に「型」を作る

・シンプルに働き方を変える

 

最後の「シンプルに働き方を変える」というのは、特に有効な手段ですが、その分ハードルも高いものになります。

 

転職が当たり前の世の中にはなりましたが、それでも簡単にはいかないでしょう。

 

書類作成や面接対策など、やらなければならないならないことはたくさんあるので、無理のない範囲で進めてみてください。

 

また、以下の本も参考になるのでぜひ読んでみてくださいね。


 


今回もご覧いただきありがとうございました。

 

それではまた!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA