【ADHDの悩み】仕事の指示をすぐに理解できない「あぶり出し脳」とは?

先輩から仕事の指示を受けて行動しようとしたとき、その「理解」が遅れてやってくることはないでしょうか。

 

仕事中はさっぱりわからず、なかなか作業が捗らなかったものの、会社が終わって帰路に就いている途中に突然クリアになる感じです。

 

この現象は、「あぶり出し脳」の影響によるものとされています。

 

【本記事はこのような経験を持つ方におすすめ】

・あのとき先輩が言った指示って実はこういうことだったのかも?

・どうしてあのとき気づけなかったんだ…過去の自分を恨むよ…

 

今回は、口頭での指示が苦手なADHDの方に向けて、「あぶり出し脳」の概要のほか、理解力を上げる行動・思考法などについて解説します。

ADHDの方が持つ「あぶり出し脳」とは?

指示を受けた直後ではわからなかったことが、その場から離れて時間がたったときに理解できてしまうのは、「あぶり出し脳」によるものとされています。

 

特にADHDの方に多く見られるもので、「理解が遅れてやってくる」というのが主な特徴です。

 

【あぶり出し脳を持つ方がよく悩んでいること】

・理解が遅くなってしまう

・仕事で失敗したり人間関係のトラブルを起こしたりするなど「生きづらさ」を感じやすい

 

炎の上にかざした紙の表面に、ゆっくりと絵や文字が浮かび上がるように理解がやってくるため「あぶり出し脳」といわれています。

 

理解が遅くなってしまう理由

あぶり出し脳を持つ方は、ゆっくりかつじわじわと理解が進むため、仕事が終わってからようやく「あのとき先輩の言っていたことがようやくわかったよ…」などと、腹落ちするのに時間がかかる傾向にあります。

 

そのため、仕事中ずっと頭を抱えてしまうことも珍しくありません。

 

しかし、どうしてこんな現象が起きてしまうのでしょうか。

 

マルチタスクが苦手だから

僕は趣味でギターを弾きますが、初めて弾いた中学生のころは、一つひとつの動作をチェックしながら弾いていました。

 

【ギター初心者が持つ悩みの例】

・Cのコードってどうやって押さえるんだっけ?

・右手と左手が全然合わない…

 

初心者なので無理もありませんが、ゆっくりと確認しながら各種コードの押さえ方を身体に染み込ませていくことになります。

 

練習するうちに勝手に手や身体が動くようになりますが、思考がロックされているといつまでたってもこの「感覚」で動くことができません。

 

これが仕事中にも起きてしまっている可能性があります。

 

【感覚で動けない人によく見られる悩み】

・さっき上司から「◯◯をやっておけ!」と言われたけど、本当にこれで合ってるのかな?

・とりあえずやってみたけど何かが違うような気がする…

 

感覚で理解できていない方は、上記のようにどんな作業をするにも時間がかかってしまうようになります。

 

いくら真面目にやっていてもいつまでたっても仕事が終わらないため、職場で「使えないやつ認定」を受けてしまうことも少なくないのです。

 

理解の遅さを解決するには?

理解の遅さを解決するには、「思考モード」から「感覚モード」へ切り替えられるように努める必要があります。

 

そのためには、以下2つの方法が有効とされています。

 

【これまでずっと「思考モード」の状態で生きてきた人の場合】

→感覚モードでの経験を積み重ねていく

 

【一時的に思考モードに入っている方の場合】

→休憩を入れて脳を休ませる

 

感覚モードでの経験を積み重ねていく

これまでずっと「思考モード」の状態で生きてきた人は、元々「物事を感覚的にやっている経験・感覚」の数が極端に少なく、そのため新たに感覚モードでの経験を積み重ねていく必要がありるためです。

 

定型発達の方のように、「感覚モード」「思考モード」をうまく切り替えながら行動していけるよう、無理のない範囲で「感覚モード」での体験を増やしてみてはいかがでしょうか。

 

【感覚モードの体験を得られやすいアクティビティの例】

・楽器演奏

・スポーツ

・料理

 

もちろん、最初は「思考モード」から入るため、少しずつ練習を重ねていき、「感覚モード」の感じをつかむようにしてください。

 

休憩を入れて脳を休ませる

細かいところを何度も注意してくる上司のもとで働いている場合、次第に「自分が今やっていることは本当に合っているのか?」という疑問が生じます。

 

これでは、たとえ簡単な作業であっても捗りません。

 

この場合、脳がオーバーヒートしてしまっている状態なので、「横になって目をつむる」「瞑想して心を落ち着かせる」などして外部からの情報をシャットアウトさせましょう。

 

一時的な思考モードであればこれである程度改善されるので、ぜひ試してしてみてください。

 

ADHDの悩みの種のひとつである「理解の遅さ」は感覚モードで対処しよう

今回は、口頭での指示が苦手なADHDの方に向けて、「あぶり出し脳」の概要のほか、理解力を上げる行動・思考法などについて解説しました。

 

・理解が遅れてやってくる理由のひとつとして、「あぶり出し脳」が挙げられる

・あぶり出し脳の方は、感覚ではなく思考によって行動することがほとんど

・なるべく「感覚モード」での経験を積み、「思考モード」でいる時間を少なくする

 

僕自身「あぶり出し脳」による「理解の遅さ」に悩んでおり、「仕事がうまくいかない」「理解が遅くてつらい」と落ちこんでしまうことが少なくありません。

 

もし僕と同じような悩みを持っているのであれば、僕と一緒に無理のない範囲で改善させていきましょう。

 

「あぶり出し脳」について興味をお持ちの方は、こちらの書籍をぜひ読んでみてください。


 

今回もご覧いただきありがとうございました。

 

それではまた!

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