他人からの悪口や上司からのパワハラだけでなく、自分がしてしまった行動によって傷ついてしまうことは多くありますよね。
僕自身、一緒に働いていた方々に余計な一言を言ってしまい、その後しばらくの間冷たい態度を取られてしまったことが多々あります。
【本記事はこのような悩みを持っている方におすすめ】
・余計なことを言ってしまうことが多い方
・自責の念が強い方
今回は、人の心を思いやれる優しい方に向けて、認知行動療法のひとつである「セルフコンパッション」について解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
セルフコンパッションが必要になったシーン
セルフコンパッションの主な目的は、「自分自身に許しを与え、これまで抱いていたつらい気持ちやネガティブな感情と折り合いをつけること」とされています。
何かつらいことがあったり、大切な人を傷つけてしまったりした際に実施するもので、僕自身これまで何度も行ってきた経緯があります。
具体的には、以下のような出来事があった際に取り組むことが多かったです。
【セルフコンパッションをして救われたと感じた主な出来事】
・チャット上で人格否定されたとき
・「勝ち組」と呼ばれている人々と比べてしまったとき
チャット上で人格否定されたとき
チャット上での人格否定は、これまでの主流であった「対面でのパワハラ」とはまた違ったつらさがあります。
僕は昔以下のようなメッセージをバシバシと連投されたことがあり、「我ながらよく耐えられていたな」と思い返すことが少なくありません。
【メッセージ内に書かれていた言葉】
・どうしてこのようなことをしたんですか?
・何で確認を取らなかったんですか?
・そのような行動を取るに至った経緯を教えてください
対面で言われるのとは違う「冷酷さ」を感じるのは、おそらく僕だけではないでしょう。
対面なら表情や言い方に工夫をすれば、相手を過度に責めることなく必要な情報を得ることが可能です。
しかし、文章のみで行うコミュニケーションの場合、表情や言い方でバランスを取ることができず、相手の心に深く傷をつけてしまう可能性が少なくないため注意が必要です。
「勝ち組」と呼ばれている人々と比べてしまったとき
SNSが普及した現在社会において、いたるところで目につくようになった言葉のひとつに「勝ち組」が挙げられます。
【勝ち組と呼ばれている人たちの特徴】
・一般的に憧れる人が多いとされている職業(士業・クリエイターなど)に就いている
・マンションや戸建てなど大きな買い物をしている
・結婚してパートナーや子どもと一緒に暮らしている
上記のような条件を満たしていない人を「負け組」と揶揄する方も多く、僕もたびたびへこんでしまうことが少なくありません。
しかし、たとえ「勝ち組」になれなかったといって、それを不幸と感じるかどうかは本人次第です。
「強がり言うなよ?」「負け惜しみでしょ?」とバカにするような人は、自分の物差しでしか人を判断できない器の小さい人なので、本気で相手にする必要はまったくないといえます。
セルフコンパッションの基礎知識
セルフコンパッションにはさまざまな方法があるので、自分のケースに合わせて効果的な方法を探し、それを実践していくことが重要です。
【セルフコンパッションの具体例】
・自分自身に励ましの手紙を出す
・自分にとって勇気の出るメッセージを書いた紙を持ち歩き、へこんだときにそれを見る
・頭の中で尊敬できる人(友人や教師、漫画の登場人物など)を思い浮かべ、その人に優しい言葉をかけてもらうイメージをする
詳しくはこちらの記事で解説していますので、併せてチェックしてみてください。
人を傷つけてしまったときに行うセルフコンパッションのやり方
では、人との付き合いで傷ついてしまったときに行うセルフコンパッションのやり方について解説していきます。
【セルフコンパッションの流れ】
・自分の状況を紙に書き出す
・つらさや痛みにオープンになる
・自分に優しい言葉をかけて励ます
・行動の原因を見直す
・もう一度許しを与える言葉を投げかける
・同じことをしないと約束する
比較的簡単にできるので、お悩みの方はぜひ実践してみてください。
自分の状況を紙に書き出す
まずは、自分が傷つけてしまった友達や部下、恋人のことを思い出し、これと同時に「どんな行動を取ってしまったか」を紙に書き出しましょう。
【実際にしてしまった行動(一例)】
・一緒に行くはずだった買い物の約束を破ってしまった
・部下に余計なことを言って怒らせてしまった
・「その日は予定があって行けない…」と嘘をついて友達の誘いを断ってしまった
当時のことを思い出すと心が痛むかもしれませんが、無理のない範囲で書いていきましょう。
つらさや痛みにオープンになる
過去の出来事を書き出した後は、実際に味わったつらさや痛み、苦しさと向き合っていきます。
【紙に書き出していく内容(一例)】
・相手に与えてしまった傷は、もしかしたら私が考えているよりもはるかに大きいものだったかもしれない…
・もう私のことなんて嫌いになっているかも…やり直せるならやり直したい
自責の念や自己否定などのネガティブ感情も出てくるかもしれませんが、それらも全部受け止めるようにして向き合っていきましょう。
自分に優しい言葉をかけて励ます
自責の念と罪悪感などを書き出した後は、それらを全部受け入れて、自分に優しい言葉を投げかけていきます。
【僕が実際に書いた「優しい言葉」】
・間違った行動を取ることは誰でもあるよ
・いつまでも後悔しないで前を向こうよ
・これからはもっと自分に優しくしてあげれらますように
・自分をありのままで受け入れられますように
繰り返しにはなりますが、もし「きついな…」と感じたときは、無理をしないでいったんやめるようにしてください。
行動の原因を見直す
そして、十分に許されたと感じることができたら、自分が取った行動の原因を見直していきます。
実際に取ってしまった行動には、そうせざるを得なかった原因があったのかもしれません。
【考えられる主な原因・状態・理由】
・休日もろくに取れなくて、ゆとりがなかったのかもしれない
・寝不足で体力も思考力も落ちていたかもしれない
・精神的にも限界で、ああいう風にしなかったら自分の方がダメになっていたかもしれない
具体的に書き出していくことで、徐々に自責の念がやわらいでいくことになるでしょう。
もう一度許しを与える言葉を投げかける
ここまで終わったら、再び以下のような言葉を投げかけ、自分に許しを与えていきます。
「意図的であったとしても、そうでなかったとしても、私の行動によってその人の苦しみになったことを、少しずつ許すことができるようになりますように」
今すぐには無理でも、時間をかけてセルフコンパッションを続けていけば次第に許せるようになるはずです。
同じことをしないと約束する
最後に、自分のことを許せるようになったら、同じようなことをしないと自分自身と約束します。
【僕が実際に書いた約束の言葉】
・もう二度と同じ過ちは繰り返しません
・これからは他人を大切にします
・自分を責めるのはやめにします
過去は変えられませんが、これからの未来は変えられます。
人はいつでもやり直すことができるので、ここでしっかりと自分の心に刻み込みましょう。
セルフコンパッションでこれからの未来を切り開こう
今回は、大切な人を傷つけてしまったときに行うセルフコンパッションのやり方をご紹介しました。
難しいかもしれませんが、ポイントは以下の3つになります。
・自分が傷つけてしまった人を思い出して、当時の辛さにオープンになる
・傷つけてしまった原因をあらためて見直す
・完璧な人はいないということを理解して、自分に許しを与える言葉を投げかける
・自分を許した後は、これからは同じようなことをしないと自分と約束する
僕も自分のことをひどく責めてしまうときがありますが、その都度セルフコンパッションをして前向きな気持ちを取り戻すようにしています。
後悔の念が強い方や自責グセに悩んでいる方は、自分自身に優しい言葉を投げかける習慣をつけ、それを日々実践してみることをおすすめします。
今回もご覧いただきありがとうございました。
それではまた!