仕事を辞めたいけど、やっぱり不安な気持ちが消えない…
そもそも自分のやりたいことがわからない…
認知行動療法のひとつであるACTは、自身のメンタルケアのほか、さまざまな場面で役立つといわれています。
しかし、ACTを続けている途中で行き詰まり、モチベーションが続かず挫折してしまったという方も少なくありません。
今回は、せっかく取り組んているACTを長く続けたいと考えている方に向けて、自分の人生の価値がわかる「コミッテッドアクション」について解説します。
仕事や人間関係に悩んでいる方や、ACTをずっと続けていきたいと考えている方は参考にしてみてくださいね。
目次
コミッテッドアクションとは?
コミッテッドアクションは、ACTの中でも「自分の人生を価値あるものにするために有効な方法」と呼ばれる項目で、これを続けることで、ネガティブな思考にとらわれることなく目の前にある仕事や趣味に楽しむことができるようになります。
自分の興味のあること、やりたいことに没頭することで人生の幸福度は上がっていくとされており、逆にネガティブな思考にとらわれていると人は不幸になるといわれています。
人生の目的を明確にし、それを叶えるために行動しようと多くの書籍で語られていますが、この目標はライフステージによってそれぞれ異なり、ずっと同じ目標を持ち続けることは難しいといわれています。
・出世して活躍する
・素敵なパートナーと結婚する
・年収1,000万円プレーヤーになる
しかし、たとえ上記のような目標を達成できたとしても、「何だかしっくりこない…」と再び焦燥感に襲われ、再び新たな目標に向かって自分自身を追い込む方も少なくありません。
このような状況では、幸せになるのは難しいですよね…
バリューを見つける
そのため「目標達成」を目標にするのではなく、「自分の人生の価値」に沿って行動することが重要で、この概念は「バリュー」と呼ばれています。
僕が子どものころに抱いたプロ野球選手になるという目標も、高校生になるころには見事に消えてなくなっていました…
そのため、自分自身が納得できる本当の価値を見つける必要があるといえます。
抽象的な言葉ではありますが、価値は「自分の心の中にある最も大きな欲望、人生を通じて自分を動機付けるもの」と言い換えることができます。
お金が欲しい、誰もがうらやむような仕事に就きたいと誰しも思うものですが、それがもし手に入った場合、きっとそこで燃え尽きてしまうおそれがあります。
仕事でミスが続き、自分には価値がないと悩んでしまうときでも、自分の価値に沿っている仕事・行動であったとしたら、少しの困難であれば乗り越えることができるかもしれません。
コミッテッドアクションで必要なワークとは
コミッテッドアクションを実践し、自分の価値を把握するうえで必要なワークというものがあります。
少し難しいものもありますが、無理のない範囲で実践していきましょう。
30年後のことを思い描く
自分の価値を探すために、「30年後の自分」を思い浮かべてみてください。
30年後の姿といわれても、正直あまりリアルに考えることはできませんが、そのとき今の自分ってどんな風に感じてるのかは気になるところです。
人間関係もそれほどいいものではないし、つらい仕事で忙殺されている今の姿を見た30年後の自分は、きっと『もっと好きなようにしていいんだよ!』とアドバイスするのかなと思います…
そのため、30年後の自分ががっかりしないよう「やるべきこと」に注力する必要があります。
人生が終わる瞬間をイメージする
嫌な上司も好きな恋人も、自分の人生がいつ終わるかなんて誰にもわかりません。
「明日があるさ」と楽観的に考えることも大事ですが、自分の価値を見つける場合、あえて自分の寿命を1年ほどに設定して考える必要があります。
お金持ちになりたいと仕事や副業などに力を入れていても、残り1年しか生きられないとしたらどうでしょうか。
もちろん、生きていくために最低限の仕事は続けるかとは思いますが、もう少し違ったところに力を入れるのではないでしょうか?
他人の評価を気にせず考える
周囲への評価はさほど気にならなくなりますが、とりあえず1年は生きていくことなるため、自暴自棄になることはできません。
むしろ、「こんな自分になりたい、こんな風に振る舞いたい」といった気持ちのほうが強くなります。
・家族に優しく接したい
・大事な人に感謝の気持ちを伝えたい
・趣味を極めたい
・体を鍛えたい
・自分の考えを発信したい
・好きな本を読み漁りたい
このような「自分が抱いている希望や欲求」を把握することで、自分が大事にしている価値が明確になります。
自分の価値に気づけたら、転職したいけど踏ん切りがつかない、やりたいことができていないなど、そのような悩みにとらわれることなく行動に移すことができるでしょう。
今の仕事に不満があれば辞めて希望の職に就こうと努力するほか、やりたいことができていないなら時間とお金が許す限り片っ端からやっていく方がほとんどです。
自分のお葬式の日が近づいていることを意識したら、「わかってはいるけど…」といった言い訳はできませんからね。
本当に欲しいものを把握する
もし仮にやりたいことや自分の理想の姿がわからなくなってしまったときは、「欲しいものが全部手に入ったあとに欲しいもの」について考えてみてはどうでしょうか。
・最低限のお金もあるし、自由に使える時間もたくさんある
・尊敬できる友人や恋人もいるし、良好な関係も築けている
このような状況で、ここから自分はほかにどんなものを欲するのか、どんな行動を取るのかを考えることで自分の価値に気づく方も少なくありません。
他人からの目線や、自分のネガティブな思い込みなど、そのようなものは一度取り払って考えてみてくださいね。
コミッテッドアクション(有効な行動)を見つける
自分の価値に気づいたあとは、実際にコミッテッドアクション(有効な行動)を取れるよう、優先順位を明確にしておかなければなりません。
少し難しいのですが、以下のものからそれぞれ優先順位をつけていきます。
・家族
・結婚
・恋愛
・友人関係
・仕事
・教育
・自分の成長
・趣味
・スピリチュアルなこと
・地域社会での貢献
・環境保全
・健康管理
上記の中から自分にとって重視しないものと大事なもの3つほどそれぞれ選びます。
なお、僕の場合は以下のとおりです。
・大事なものベスト3
1 健康
2 家族
3 仕事
・重視ではないものベスト3
1 スピリチュアルなこと
2 環境保全
3 地域での貢献
心の中でぼんやりと思っていましたが、やはり僕にとって仕事はそこまで大事なものではないことがわかりました…
地道に行動していくことで、今後自分が没頭できるようなものに出会うことができるかもしれません。
目標を設定する
優先順位をつけたあとは具体的な目標を設定します。
このとき、短期・中期・長期の3つのスパンで設定するのがポイントです
たとえば「なるべく無理をせずに生きていく」という価値を叶える場合、以下のような目標を立てます。
・短期→副業で収入を得る、転職活動を進めるなど、今の会社に依存せずに生きていくための準備を進める
・中期→自分の興味のある仕事に就き、仕事で発生するストレスを減らす
・長期→体に負荷がかからない程度に労働時間を減らし、できるだけ健康を損なわずに生きていく仕組みを整える
数ヶ月~数年単位で目標を設定することで、モチベーションを維持できるようになるので、無理のない範囲で設定しましょう。
なお、目標だけにとらわれてしまわないように、「目標の源泉になっている価値は○○だ」といったこと自分自身に言い聞かせながら取り組んでみてくださいね。
コミッテッドアクションを取り続け、自分の価値に沿って人生を歩もう
今回は、ACTを継続させるために実践する「コミッテッドアクション」について書いてみました。
・目標を達成するために生きるのではなく、自分の価値に沿って生きていくことを決める
・30年後のことを思い描き、後悔しないような選択をする
・コミッテッドアクション(有効な行動)を取り続け、価値に沿って生きていくように意識する
自分の価値を探すとき、そこには多くの迷いが生まれます。
世間体や周りからの評価など、考えなくてもいいことが浮かんでくるため、簡単に見つけることができません。
だけど、将来の自分が「あのときの自分がした決断や判断、行動は間違ってはいなかった」と思えるよう、地道に努力を続けていこうと僕は考えています。
世間から見た自分は立派ではなくても、自分自身が満足できるような生き方をしていけるよう、無理のない範囲で続けていきましょう。
なお、こちらの本を参考にしていますので、一度ご覧になってはいかがでしょうか。
今回もご覧いただきありがとうございました。
それではまた!