人と比べて短所が目立ちがちな発達障害の場合、「キャリアアップなんてできっこない…」と悩むことも多いのではないでしょうか。
・転職するのは難しい…
・もし雇ってもらえてもまた同じことの繰り返しだよ…
・そもそも働くのが怖い…
今回は、今後のキャリアに悩んでいる発達障害の方に向けて、仕事の取り組み方や転職先選びのポイントについて解説しますので、参考にしてみてください。
目次
発達障害の働き方のポイント
まずは、発達障害の方がどんなことをすれば会社でうまく働けるのかを解説します。
お局様と距離を置く
出世を目指す人と離れる
お局様とは距離を置く
一般的に、職場には若手からベテランの方まで幅広い年齢の方がいます。
仕事の取り組み方やモチベーションは、人によってそれぞれ異なり、なかには細かい指摘ばかりする「お局様」も少なくありません…
サボってばかりいる人も困りものですが、特に発達障害の方は「ミスに厳しい方」「過去の失敗を取り上げて叱責する方」に注意が必要です。
出世を目指す人から離れる
仕事熱心なのは良いことですが、怖いのはその人の影響を受けて「自分も頑張らなきゃ!」と無理をしてしまうことです。
出世に興味があれば特に問題なく過ごし、絆を深めていけば良いでしょう。
しかし、そもそも出世に興味がある人は、体力や能力に優れていることがほとんどで、発達障害の方とはほぼ正反対です。
要領が良く自分に自信を持っているため、職場への影響力も強いです。
・残業することが当たり前
・ミスばかりする人は使えない
出世に貪欲な方は、このような考え方を持っていることが多く、周りの人にもそれらを求めきます。
・最低限の仕事すら満足にできないのに、出世どころじゃない…
・プレッシャーしか感じない…
自分の軸を合っていない場合、体力・精神力を削られることになるため注意が必要です。
無理をしないようにブレーキをかける
発達障害の方は真面目で努力な方が多いのですが、それは自分に対し過度な負荷をかけている状態ともいえます。
・そもそも今の仕事をミスなくこなすだけで精一杯
・出世してチームを率いるなんて考えられない
若干ネガティブな考え方ではあるものの、自分に向いていない、またはできないようなことを行うと、途端にキャパオーバーになりミスが生じる可能性が高まります。
発達障害のキャリアの重ね方
次に、発達障害の方に押さえてほしい「自分らしいキャリアの重ね方」について解説します。
・退職することを「逃げ」だと思わないで仕事をする
・自己研鑽を積む
・自分の価値観・特性に合った職場を探す
退職することを「逃げ」だと思わないで仕事をする
大前提として、法律を無視するようなブラック企業の場合、明日にでも退職届を出した方が賢明です。
しかし、あからさまなパワハラなどはないものの、発達障害への理解が薄い場合、退職を視野に入れるのもひとつの手です。
・忘れ物やケアレスミスが多すぎる…社会人としての自覚がないでしょ?
・どうして指示したことをすぐに忘れるの?
発達障害からくるトラブルを、「自助努力が足りない」「根性がない」などの一言で片づけられる上司がいる職場は、発達障害にとって大きなストレス源となります。
「退職することを躊躇しないマインド」で仕事に取り組み、どうしようもないときはすぐに行動に移せるよう、準備することが重要です。
自己研鑽を重ねる
ブラック企業ではなく、さらに周囲のサポートもある場合、ある程度自分の弱点を改善させるための努力を行うのは非常に有効です。
短所が目立たない環境に身を置き、長所を伸ばしていくのが発達障害の基本戦略ですが、転職や異動がすぐにできないケースも多いためです。
・ケアレスミスを減らすために必要な自分だけの作業書を作る
・遅刻をしないように規則正しい生活を心がける
・必要最低限のコミュニケーションスキルを身につける
上記のような「自分だけの工夫」は転職活動、または転職後の仕事の際に大きな武器になります。
体調が良いとき、時間にゆとりがあるときだけでもかまいませんので、少しずつ取り組んでみてはいかがでしょうか。
自分の価値観・特性に合った職場を探す
転職活動の際、次の職場に求めるものは人それぞれですが、それらは「価値観」によって決まるといわれています。
一般的に、希望の収入・ライフスタイルなど、自分の人生を考えるうえで大切にしている指標や判断基準や条件などが「価値観」とされています。
北野唯我さんが執筆された「これからの生き方」」によると、以下のような価値観に分けることができます。
・能力の活用→自分の能力を発揮できる仕事
・達成感→達成感を得られる仕事
・美的追及→美しいものを作り出すこと
・愛他性→人の役に立てること
・自立性、自律性→自立できること
・創造性→新しいものを作りだせること
・経済的価値→たくさんのお金を稼ぐこと
・ライフスタイル→自分の望むペースで働くこと
・身体的活動→身体を動かす機会が持てること
・社会的評価→社会に仕事の成果を認められること
・危険性、冒険性→リスクがある仕事に就くこと
・社会的交流性→いろいろな人との接点を持つ仕事をすること
・多様性→多様な活動ができること
・環境→仕事環境が心地良いこと
※参考 北野唯我 「これからの生き方」より抜粋
僕の場合は主に「ライフスタイル」「能力の活用」「自立性・自律性」の3つが挙げられますが、ほかの価値観は不要ということではありません。
大事なことは、自分の価値感を見つけることです。
これらを絞るのは時間がかかりますし、これからも変化していくものなので、定期的に自分の価値観をアップデートしていくことが重要です。
発達障害のキャリア形成はむしろ積極的
今回は、今後のキャリアに悩んでいる発達障害の方に向けて、仕事の取り組み方や転職先選びのポイントについて解説しました。
・出世を目指す人と距離を置き、自分のやるべきことに集中する
・次の転職に備えて、少しずつ弱点を改善させていく
・自分に合った仕事を見つける
収入やスキルアップなど、自分にとって譲れない価値観を整理したうえで仕事を探していけば、きっと良い職場に巡り合えることになるでしょう。
また、自分の特性からくる短所、そしてトラブルを防ぐための工夫をまとめた「取扱説明書」があれば、転職活動の大きな武器になるので、ぜひ作ってみてください。
また、以下の書籍も参考になりますので、併せてチェックしてみましょう。
今回もご覧いただきありがとうございました。
それではまた!