残業が続くと心身ともに疲弊してしまうため、「長時間の残業はなるべくしたくない…」と思う方が大半でしょう。
特に、コスパ・タイパ重視の傾向が強い20代前半~後半(Z世代)の方は、「定時帰り・休日出勤NG」の考えがベースにあることが多く、指示の出し方に苦労する管理職・教育担当も少なくありません。
【本記事はこのような悩みを持つ方におすすめ】
・毎日残業続きでホントにしんどい…何とかしたいけどどうすればいい?
・残業なんて嫌だよ…定時で帰るのってそんなに悪いの?
今回は、多くのサラリーマンが抱く「原則残業NG」の考えを深掘りしつつ、長時間の残業によって発生するデメリット、逆に得られるメリットなどについて解説していきますので、興味をお持ちの方は参考にしてみてください。
目次
つい残業してしまう主な理由
Z世代に限らず、定時上がりに憧れる中堅・ベテランのビジネスパーソンは多いものの、これまでの経験からつい残業を受け入れてしまうことが少なくありません。
その理由として、主に以下の2つが挙げられます。
【つい残業してしまう主な理由】
・上司・先輩が残って仕事をしているから
・キリが悪い状態で帰りたくないから
上司・先輩が残っているから
やりたくないのに残業をしてしまう理由として、「周りの人が残っていて帰りづらい」を挙げる方は多くいることでしょう。
特に直属の上司が残っているときは、「おれより先に帰るのか?」と言われているような気がして帰り支度がまったく進まなくなることが少なくありません。
また、実際に帰ろうとした際、以下のような牽制をされ返答に困ってしまったことも多くあります
【直属の上司より先に帰ったときに言われたこと】
・「本当に仕事終わったの?ミスしてないよね?」
・「私より先に終わったの?これでミスってたら大変だよ?」
発達障害の僕にとってミスは日常茶飯事で、そのため人よりも多くの時間を使って見直しをすることが少なくありません。
そのような姿を間近で見ている上司は、僕のことを「仕事が遅いやつ」と認定しており、実際に幾度となく「もっと早くして」と注意されることが少なくありませんでした。
そのような僕が上司より先に帰ろうとしたのだから、「あいつ、残業しないで帰るなんて大丈夫か?」と思ってしまうのも無理はありません。
本当に心配しているのか、それとも単なる「八つ当たり」なのかはわかりませんが、いずれにせよプレッシャーをかけられることに変わりはなく、その都度「普通に挨拶だけしてほしいな…」と思うことが少なくありませんでした。
キリの悪い状態で帰りたくないから
僕は前日の作業を終える際、ほぼ必ず「どこまで終えたか・どこから再開するか」をメモに残すようにしています。
その際、「なるべくキリの良いところで終えたい」という気持ちから、ついサービス残業して作業することが多くあります。
【ついサービス残業してしまう主なシーン】
・半日かけてやっていた資料作成作業が残り数ページで終わる場合
・1万字にもおよぶ編集作業の際、あと少しで5,000字(ちょうど半分)まで到達できるような場合
残業は良しとしない風潮には大賛成ですが、機械的に「◯時になったら強制終了」というのも好ましくないと思っています。
「今日作った資料、あと少しで完成したのに…」といったように、帰宅後に仕事のことを考えてしまうようになるからです。
残業に対する価値観は人によってさまざまですが、個人的には「打刻後数分~30分くらいならサービス残業してもOK」だと考えています。
残業することで失うもの
残業によって失われるものは、挙げればキリがありませんが、特に以下3つが代表的です。
【残業することで失うもの】
・精神力
・時間
・体力
精神力
基本的に、会社は少なからずプレッシャーのかかる空間です。
自分も含め、周りの人もそれぞれの仕事をしているため、全体的にピリピリとした雰囲気に包まれています。
【オフィスで働く人が日々感じていること】
・上司から頼まれた資料、早く作らないと…
・アポが取れない…早く何とかしないとな
・クレームの電話だ…嫌だけど対応しないとダメだよな
特に残業中は「一秒でも早く帰りたい…!」と思うのが心情で、なかにはすさまじいオーラを出しながら目の前の仕事に取り組む方も少なくありません。
焦る気持ちや納期・目標を気にするあまり、人に対して攻撃的になる方も多いため、ささいなことで言い争ってしまわないよう、注意が必要です。
時間
結婚をすると、多くの場合は家事と育児を旦那さんと奥さんとで分担して行う必要があります。
僕はADHD(注意欠陥多動性障害)なので、マルチタスクの象徴でもある家事ができる方は本当にすごいといつも思っています。
家事・育児と仕事の両立は本当に大変なものであり、たとえば以下のようなことを自分の予定に加えることになります。
【子育て中にやること(一例)】
・保育園にお迎えに行く
・ご飯の支度
・入浴
・寝かしつけ
年齢にもよりますが、泣いたり暴れたりすることはもちろん、風邪など体調不良になることも日常茶飯事で、そうなれば付き添って看病をする必要もあります。
大事な我が子の一大事の際は、残業なんてしている場合ではありません。
特にワーママの方にとって、残業は特に避けたいトラブルのひとつといえるでしょう。
体力
疲れている状態では作業効率が悪くなるため、定時後に行う仕事は生産性という点から見てもおすすめできるものではありません。
また、人が持っている意思力(ウィルパワー)にも限りがあるといわれています。
ウィルパワーとは、人が決断・判断をする際に使う力のことで、何か意思決定するたびに減っていきます。
【多くのウィルパワーを消費することの例】
・転職先選び
・新居探し
・現在付き合っている人に、プロポーズするかどうかの判断
また、ウィルパワーは体調不良・過度なストレス・仕事による疲れなどによっても減少し、やがて判断ミス・決断ミスを起こすようになるので、やはり過度な残業は控えるのがベストといえるでしょう。
残業によって自分のことがおろそかになる?
僕自身、仕事でヘトヘトになり、電車の中で眠ってしまって最寄り駅を過ぎてしまったことは、片手で数えきれないほどたくさんあります。
また、体力の限界を超えてしまい、仕事中営業車の中で眠ってしまったという大惨事を起こしたことも少なくありません。
このようなトラブルが続くと、自身の健康が損われるほか、自分を責めてしまう原因にもなります。
【残業による負のループ】
1.残業続きで体力と精神力が削られる
2.仕事に悪影響が出てくる
3.上司から詰められる
4.自分を責めてしまいモチベーションが下がり、定時で仕事が終わらず残業になる
「もう続けらない…」などと思い詰め、会社を辞めてしまうケースも少なくないため注意が必要です。
残業することで得られる数少ないメリット
残業はできるならしたくないものですが、残業することで得られるものも少しばかりあります。
【残業で得られるものの例】
・残業代
・経験
残業代
残業によって得られるもののひとつに残業代が挙げられます。
しかし残業代が出ない会社も多く、また残業代を目当てに仕事をするのもあまりスマートなことではありません…
なかには「固定残業代」として一律の残業代をあらかじめ支払う企業も少なくありません。
【固定残業代の特徴】
・1ヶ月20時間、◯万円など、決められた額の残業代が毎月支給される(残業時間はあくまでも想定されているもの)
・残業がゼロであっても支給される
・100時間残業をしても、200時間残業しても残業代は変わらない
たとえば、想定残業時間が20時間、固定残業代が5万円だったケースを見てみましょう。
無茶なノルマによって100時間残業しても、支払われる残業代は20時間分の5万円のみです。
法律違反ともいわれている制度ですが、実際に僕も固定残業代の制度が採用されている企業で働いたことがあり、労働の対価に見合わない額の残業代を受け取っていました。
経験
「若いうちは苦労を買ってでもしろ」という言葉があります。
少し疑問に思うところも多いですが、いくつか納得する部分もあります。
大変なことや苦労したことは、年を重ねてから貴重な財産として残ることが多いです。
【残業してよかったと思えたことの例】
・夜遅い時間にお客さんのもとに足を運んだ結果、気概を買われて契約できた
・残業して作った資料が評価された
・残業中、普段は話さない役員の方に「頑張ってるね」と声をかけられた
残業はたしかにつらいことも多いですが、上記のような出来事は、今となってはすべて良い思い出です。
残業するかどうかの線引き
真面目な方は根を詰めてしまいがちなので少し注意が必要ですが、状況によっては、自分の目標を達成するために残業せざるをえない状況に陥ることもあるでしょう。
ただし、世の中にはブラック企業や部下のことを考えないで仕事を振る上司も多く、「無茶な目標」か、それとも「達成可能な目標」かどうかの線引きは非常に難しいといえます。
目標を達成することができれば、それが自分の大事な資産のひとつになります。
もし無茶な目標だった場合、残業してまで達成させるのではなく、「直属の上司より高い立場の上司に相談して解決を図る」「転職をして残業の少ない環境に身を移す」などして、自分の身体を守るようにしてくださいね。
不要な残業は避けるべき
今回は長時間の残業で発生するデメリットと、逆に得られるメリットについて解説しました。
【残業によって失うもの】
・仕事をこなす精神力
・余暇を楽しく過ごすための体力
・大事な家族との時間
【残業によって得られるもの】
・仕事を最後までやりとげる精神力
・ハードワークで得られる信頼、経験、人脈
人それぞれ意見はあるかとは思いますが、正直なところ失うものの方が大きいように思えます。
上司やお客さんからの信頼を得て経験を積み、人脈を広げることも重要ですが、「大事な身体や家族を犠牲にしてまで手に入れたいか?」と言われれば、少し悩んでしまうのが心情です。
「もうこれ以上働けないないな…」と思っている方は、以下の記事を参考にし、今の会社から抜け出す準備をしてみてはいかがでしょうか?
また、こちらの本も参考になりますのでよければチェックしてみてください。
今回もご覧いただきありがとうございました。
それではまた!