【仕事が怖い】発達障害の方が悩む「反芻思考」の対処法

ベッドに入る前やお風呂に入っているときなど、ふとした瞬間にネガティブなシーンが頭の中に浮かんでくることはないでしょうか。

 

これは「反芻思考」と呼ばれる現象で、特にASD(自閉症スペクトラム障害)の方に多く見られます。

 

【このような悩みを持っている方におすすめ】

・どうしてあんなミスをしちゃったんだろう…頭から離れない…

・会社に行くのが嫌だ…上司の顔を見るだけで足がすくむ…

 

今回は、適応障害やうつ病の原因のひとつでもある「反芻思考」の対処法をご紹介しますので、ネガティブな思考が頭から離れず悩んでいる方は参考にしてみてください。

どうして反芻思考が起こるのか?

反芻思考はネガティブな出来事(喪失体験やトラウマなど)が何度もリピートされる現象を指し、自身のメンタル面に大きな影響を与えます。

 

うつ病や適応障害の原因になるため「悪い現象」「改善すべきもの」といわれていますが、情報を記憶するには頭の中で繰り返し思い出す作業が必要であり、反芻思考をゼロにするのは好ましくありません。

 

また、反芻思考が起きる理由として、主に以下のものが挙げられます。

 

・ワーキングメモリの支援

・目標達成

・危険回避

 

ワーキングメモリの支援

脳の中にある長期記憶を扱う「大脳皮質」に送るよう、何度も同じ内容を繰り返す反芻思考が起きるとされています。

 

人間は、仕事や勉強によって得た情報を記憶する際、いったん短期記憶を扱う「ワーキングメモリ」に保存されますが、ワーキングメモリの量はあらかじめ決まっており、多くの情報を保存できないからです。

 

【記憶の定着のメカニズム】

①自分にとって大事な情報(お客様との商談の日程やテストに出る公式など)を得る

②短期記憶を扱うワーキングメモリに保存される

③特に大事な情報は反芻され、長期記憶を扱う「大脳皮質」に送られる

 

目標達成

自分の目標を達成するには、目標の内容を定期的に見直し頭の中に定着させる必要があります。

 

【主な目標】

・転職してキャリアアップを目指す

・子どもを保育園に入れて復職する

・留学するために基本的な英会話スキルを身につける

 

紙に書いた目標を見るだけでなく、頭の中で繰り返しイメージするのも有効で、そのために反芻思考が起こることも多くあります。

 

危険回避

危険な状況を回避するために必要な情報がフラッシュバックされることも珍しくありません。

 

たとえば、詐欺まがいの話を持ちかけられた際、「昔同じような話に乗って損をしたよな…」という人は、その記憶を思い出すことで危険な状況から回避できます。

 

もし思い出せなかった場合、同じ轍を踏んでしまうかもしれません。

 

このように、反芻思考にはメリットがある一方、喪失体験やトラウマなどの記憶が浮かんできてしまうのは大きなデメリットなので、「反芻思考はダメなもの」と扱われているのが一般的です。

 

反芻思考の対処法

ここからは、僕たちのメンタル面に大きな影響を与える反芻思考の対処法を紹介していきます。

 

比較的簡単にできるものも多いので、ぜひ実践してみてください。

 

【反芻思考対策①】ネガティブ感情と距離を置く

まずは、ネガティブ感情と距離をおきましょう。

 

このとき「どうやればいいの?」と悩む方も多いですが、主語を「彼」「◯◯」などの三人称に変えると比較的簡単に距離を置けます。

 

【上司から言われたパワハラ発言が浮かんできたとき】

→私ではなく「職場にいる◯◯(誰かの名前)」が苦しんでいる

 

【ママ友から言われた嫌味が浮かんできたとき】

→私ではなく「ちょっと苦手な▲▲」が悩んでいる

 

また、「ネガティブ感情に名前をつける」のも有効です。

 

【パワハラを受けた場合】

→途方に暮れるほどの深い悲しみを感じた

 

【仕事でミスをしてしまった場合】

→行き場のない焦燥感・孤立感を覚えた

 

どのようなものでも構わないので、ぜひ一度考えてみてください。

 

 

【反芻思考対策②】スキンシップ

友達や恋人、家族とスキンシップを図るのも反芻思考対策になります。

 

ハグや握手のほか、身体に少し触れるだけでも落ち着いてくるので、スキンシップができる相手がいる方は積極的にやってみてください。

 

なお、猫や犬などのペットでも心は落ち着いてくるので、ストレス対策として飼ってみるのも良いでしょう。

 

【反芻思考対策③】過去に遡って考える

「たしかに今はつらい状況かもしれないけど、未来の自分から見ればどういう風に映るんだろう?」と考えるのもひとつの手です。

 

僕は20代のころ、当時の上司からひどいパワハラを受けて「人生のどん底かもしれない…」と悩んでいました。

 

たとえば、真冬の吹雪の日や、真夏の炎天下の中で飛び込み営業を続け、翌日ひどい高熱を出してダウンしたということも一度や二度ではありません。

 

今でもパワハラで悩んでいますが、上記のような命に危機に関わるような苦しい状況ではなく、このようなことから「現在の状況が永遠に続くことはない」と結論付けられます。

 

①10年前はたしかにつらかったけど、そこから学べたこともたくさんあるかも

②10年後の自分から見たら、今の状況もそこまで大したことではないだろう

 

①②は「時間的距離の拡大」とも呼ばれており、人生に希望を持たせる効果があるとされています。

 

反芻思考にも効果的なので、ぜひ過去と未来の自分をイメージしてみてください。

 

【反芻思考対策④】グリーンエクササイズ

ストレスケアには「自然」が重要で、緑の中で軽く散歩するだけでも心が落ち着いてきます。

 

これは「グリーンエクササイズ」と呼ばれており、近所の公園でぼーっとするだけでもメンタルの改善効果があるとされています。

 

森林浴には「憂鬱な気分を晴らす」「前頭前野の機能を回復させる」といった効果にも期待できるので、天気の良い日に緑地や公園などに出かけてみてください。

 

【反芻思考対策⑤】部屋を片づける

部屋の中が散らかっていると、何だか落ち着きませんし、頭の中もぐちゃぐちゃになってしまいます。

 

人は物に溢れた環境にいると「コントロール感」(自分の努力によって改善できるだろうという意欲)が失われるといわれています。

 

「きっと自分の人生もこの部屋のようにぐちゃぐちゃになるんだな…」と、ひどく落ち込んでしまうおそれがあるため注意が必要です。

 

元々ミニマリストの方なら問題ないかもしれませんが、部屋の中が散らかって不用品がそのままになっているという方は、メンタルヘルスのためにも一度整理してみてはいかがでしょうか。

 

反芻思考を放置するのはNG

今回は、うつ病や適応障害につながってしまうおそれがある反芻思考の対処法をご紹介しました。

 

・ネガティブ感情と距離を置く

・過去と未来のことを考える

・スキンシップを図る

・グリーンエクササイズを行う

・部屋を片づける

 

「仕事や育児で忙しいし、自分の心と向き合う時間なんてないよ!」と思うかもしれませんが、ネガティブな反芻思考を放置するのは厳禁で、早めに対処する必要があります。

 

「パワハラ上司やマウントを取るママ友などの影響で反芻思考が止まらない」と悩んでいる方は、今回ご紹介した5つの方法を実践し、自分のメンタルを守るようにしてください。

 

また、以下の本も参考なりますので、こちらも併せてチェックしてみてくださいね。


 

 


今回もご覧いただきありがとうございました。

 

それではまた!

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