【ADHDのミスは防げない?】ビジネスシーンで大事な3つの武器とは

ADHDの方は、そもそも注意力が散漫であることがほとんどです。

 

そのため、通常なら考えられないようなミスを何度もやらかし、その度に周囲を凍り付かせてしまうことも珍しくありません。

 

【本記事はこのような悩みを持つ方におすすめ】

・何度も確認したのにどうして見落としてしまったんだろう

・昨日上司に怒られたばかりなのに、またやらかしてしまった…

 

今回は、仕事のミスを減らすために活用できる「思考法」「メモの取り方」「仕事の取り組み方」を紹介しますので、仕事のミスを減らしたいと考えている方は参考にしてみてください。

仕事でミスが起こる主な理由

まずは、仕事でミスが起こる主な理由をご紹介します。

 

【仕事でミスが発生してしまう主な理由】

・想定漏れが起きているから

・自分の長所を活かせていないから

・ミスが発生する傾向を把握しきれていないから

 

想定漏れが起きているから

上司から「もっとよく考えろ!」「それくらい誰だって思いつくだろ!」など、思考の抜け漏れのことで怒られている方も多いのではないでしょうか?

 

実際、頭を抱えて考えてもイマイチピンとこないことも多く、漠然とした状態で仕事に取りかかってしまうことも少なくありません。

 

自分の長所を活かせていないから

ADHDの場合、聴覚優位ではなく「視覚優位」であることが一般的です。

 

視覚優位とは、主に目から入った情報を処理することが得意な人のことを指します。

 

これに対し、耳から聞いた情報の処理に長けている人のことを「聴覚優位」と呼びます。

 

【聴覚優位・視覚優位の主な特徴】

聴覚優位→口頭での指示に強い

視覚優位→メモや資料を読む力が高い

 

ADHDの方の多くは口頭での指示が不得意で、なかには10秒も経たないうちに忘れてしまうことも珍しくありません。

 

飲食店やコールセンターでの仕事が苦手なのは、この視覚優位が関係しているといわれています。

 

ミスが発生する傾向を把握しきれていないから

「締め切りまで時間がない」「お客さんからの注文が細かい」など、普段ではあまり見られないシーンで仕事を行う場合、ミスの確率が高くなります。

 

特に「時間がない」という焦りは人の生産性を下げる大きな要因のひとつで、焦れば焦るほど負のスパイラルに陥りやすくなるので注意が必要です。

 

【焦りによる負のスパイラルの内容】

①「このままじゃ間に合わない!」という思い込みによる焦りが発生する

②焦ることによって余計な力が入り、頭の回転が鈍るうえにケアレスミスが増える

③仕事が進まないので、余計に「時間がない!」と焦ってしまう

 

このように、時間に追われることは想像以上に人の仕事を遅くしてしまうので気をつけましょう。

 

ミスを防ぐのに有効な考え方

基本的に、ミスはどんな人でもやらかすものであり、やる気や気合い、根性などの精神論では防げません。

 

そのため、以下のような考え方を持って対処することが重要といえます。

 

【ミスを防ぐのに有効な対策】

・構造化力を身につける

・指示の内容を文章に落とし込む

 

構造化力を身につける

ビジネスシーンでは、物事を構造化する力が求められることが多くあります。

 

この「構造化力」をつけるためには、以下の2つの作業が有効とされています。

 

【物事を構造化するために必要なこと】

・情報を洗い出す

・階層構造で整理する

 

少し小難しく聞こえてしまうので、ここでは簡単に料理を例にして解説します。

 

情報を洗い出すフェーズ〜レシピ通りに料理を作るイメージ〜

たとえば野菜炒めを作るときは、以下のような手順で進めていくことが多いでしょう。

 

【野菜炒めを作る際にやるべきこと】

・フライパンやまな板、材料となる野菜を購入する

・野菜を洗い、まな板に置く

・野菜を切る

・フライパンで炒める

・お皿に盛る

 

特に問題がないように見えますが、これでは野菜の種類や火にかける時間などがわからなくなり、料理の途中でミスが起こるおそれがあります。

 

階層構造で整理する〜詳しい情報を記載したメモを用意する〜

ミスなく野菜炒めを作るには、以下のようなメモが必要です。

 

【必要な材料】

①豚肉

②ニンジン

③キャベツ

④ニンニク

⑤シメジ

 

【野菜を切る手順】

①豚肉はざく切りの一口大

②ニンジンはいちょう切り

③キャベツ、ニンニク、シメジはざく切りなど

 

【炒める際の主な流れ】

①まず油を引き、ニンニクを炒める

②火が通りづらいニンジンを入れる

③豚肉を入れる

④火が通りやすいキャベツ、シメジは最後の方に入れる

⑤塩コショウで味付けをして完成

 

一つひとつの工程・名称・作業名などをこまかく書き分けたメモは、大まかにいえば「階層構造」になっています。

 

これにより、作業の抜け漏れが少なくなり、致命的なミスを回避することにつながります。

 

「あいまいな指示を理解するのが苦手」という方は、なるべく細部までわかるような形にしてやるべきことを整理してみてくださいね。

 

指示の内容を文章に落とし込む

先述した「視覚優位」の方は、仕事の指示を文章に落とし込むことで、スムーズに理解できるようになります。

 

僕も実際に口頭での指示が非常に苦手なので、テキストベースの指示を送ってもらうよう、上司や先輩たちにお願いしています。

 

そのようなときは、伝えられた指示をその場でノートに書き、書きながら復唱して頭にインプットすることが重要です。

 

メモの取り方に注意

メモは端的に書くことを意識しましょう。

 

【メモに記載する主な内容】

・指示の趣旨

・納期の日付

・責任者の名前

・自分がやるべきこと

・チームメンバーへの伝達事項

 

状況によってはほかにも書かなければなりませんが、混乱してしまうことも多いので、僕は上記に挙げた点だけは確実に押さえるよう心がけています。

 

しかし、状況によってはメモを取ることが難しく、せっかく書いた内容がぐちゃぐちゃになってしまうことも少なくありません。

 

清書することを忘れない

メモに残した後は、清書をするためにあらためてEvernoteなどのメモアプリに記録します。

 

手書きのメモ帳は紛失してしまうので、スマホの中にあるアプリを使うのがおすすめです。

 

文章に残す作業は、量によっては膨大な手間と時間を要します。

 

しかし、ミスを防ぐためには必要な作業なので、口頭での指示に困っている方は参考にしてみてくださいね。

 

ミスを軽減するために有効な取り組み方

「仕事のミスを減らしたい!」と考えている方は、以下2つの点を心がけながら日々の作業に取り組んでみてください。

 

【ミスを軽減するために有効な取り組み方】

・時間にゆとりを持って仕事を進める

・体調不良のときでもこなせるような仕事量を把握しておく

 

時間にゆとりを持って仕事を進める

突発的なトラブルが発生したときは仕方がないものの、特にそのようなことがなければ締め切りに余裕を持って仕事に取り組むのがベストです。

 

しかし、物事の優先順位をつけることが苦手なADHDの場合、途中で計画が破綻してしまうことも珍しくありません。

 

そのために、以下2点を押さえつつ目の前にある仕事に取り組むことが重要です。

 

【時間にゆとりを持って働くために重要な心がけ】

・スケジュール的に無理な仕事はすぐにOKしない

・自分の作業ペースを把握しておく

 

たとえば、もしスケジュールがきつい場合、すぐに「やります!」と答えるのではなく「その仕事をやるとほかのBという仕事が進まなくなるのですが、それでもよろしいでしょうか?」と一言断りを入れています。

 

場合によっては勇気を持って断ることも必要ですが、それができないケースも多いので、上記のように「AはできるけどBは厳しい」と具体的に自分の状況を伝えることが重要といえます。

 

体調不良のときでもこなせるような仕事量を把握しておく

人手不足などの理由により、体調が悪い中仕事を行うことも多いでしょう。

 

そのため、「心身が不調なときの作業ペースをベースに計画を立てる」ことも重要な作業と言えます。

 

【具体的な考え方】

・普段なら1時間くらいで終わるけど、体調が悪いときは多分1.5時間くらいかかるな

・この仕事は、体調不良だとおそらく2日はかかるだろう

 

このとき、あまりにも遅い時間を想定して計画を立てると、上司から「そんなに手間がかかるの?」と疑われる可能性もあるので、所用時間を伝えるときは「体調が良いときにかかる時間+1〜2割」を目安にすると良いでしょう。

 

ゆとりを持った作業時間を伝えることは、先ほどご紹介した「焦り対策」にもつながるので、作業時間短縮のためにも一度試してみてはいかがでしょうか。

 

無理のない工夫でやらかしがちなミスを防ごう

今回は、仕事のミスを減らすために活用できる「思考法」「メモ術」「仕事の取り組み方」の3つについて解説しました。

 

・物事の細部まで考えて、手順を一つひとつ整理していく

・視覚優位の方は、その特徴を活かし、口頭での指示がある場合には文章に落とし込む

・無理な要求は即決しない

・仕事にかかる時間に余裕を持たせて報告する

 

ADHDの方にとって、「文章に残す」のは非常に大事な作業のひとつとされています。

 

職種や業種によって難しいことも多いですが、もし口頭での指示に悩んでいるのであれば「すいません。できればメールかチャットで連絡してもらえないでしょうか…?」など、なるべくやんわりとした表現で上司の方に相談することをおすすめします。

 

また、こちらの書籍も参考になりますので、興味をお持ちの方はぜひチェックしてみてください。



 

今回もご覧いただきありがとうございました。

 

それではまた!

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