社会人の悩みの種のひとつに、「苦手な上司との付き合い方」が挙げられます。
怒り方は人それぞれですが、場合によっては大きなトラウマになるくらい叱責されるケースも多いので、「上司の顔色を伺いながら働いている」という方も珍しくありません。
【本記事はこのような悩みを持つ方におすすめ】
・仕事は好きだけど、上司とはウマが合わないからもう会社辞めようかな…
・2時間の説教とかもう無理!耐えられない!
今回は、上司からの理不尽な注意や過度な叱責などに悩んでいる方に向けて、会社で働くときに押さえておきたいメンタルの保ち方や、怒られたときの対処方などについて解説します。
目次
なぜ上司は怒るのか
僕はADHD(注意欠陥多動性障害)の診断を受けており、毎日ミスをしないか、変なことをしないかどうかを気にしながら働いています。
できれば平穏無事に日々を過ごしたいと思っているのですが、なかなかそうはいきません…
また、たとえ発達障害でなくてもミスをする可能性は大いにあり、これまで「上司や先輩に怒られたことがない」という方はほぼいないでしょう。
しかし、そもそもなぜ上司は怒るのでしょうか?
【上司が部下に怒る主な理由】
・指導のため
・権威性を示すため
指導のため
基本的に、上司は部下を指導する役割を持っています。
具体的な仕事のやり方を教えつつ、悪いところがあれば適時フィードバックして修正を促します。
このとき、フィードバックの仕方、あるいは勢いによって怒鳴ったり言葉の暴力を浴びせたりするケースも多く、「もしかしたらかなりひどいミスをしたのでは?」「あの人にはもうついていけない…」など自信を失ってしまう方も少なくありません。
権威性を示すため
先述した「指導のため」ではなく、「部下を服従させるため」に怒る方も少なくありません。
【権威性を示すために怒る上司の口癖】
・黙っておれの言うことを聞け!
・私のやり方にケチをつけるの?
このように上司から言われたら、ほとんどの部下は萎縮して押し黙ってしまうでしょう。
自身の権威性を示すために怒る上司は、本来なら大事に育てるはずの部下を「使い捨てのポケットティッシュ」かのようにぞんざいに扱う可能性が高いため注意が必要です。
上司が部下を怒ることによって生じるデメリット
続いて、上司が怒ることによって弊害について解説します。
【上司が部下を怒ることによって生じるデメリット】
・部下の生産性が下がる
・「謝ること」しか考えられなくなる部下に育つ可能性が高まる
仕事における「怒る」という行動は、まさに「百害あって一利なし」としかいえません。
部下の生産性が下がる
人は誰かから怒られると委縮してしまい、生産性が約6割下がるといわれており、さらにその周りにいる人の生産性も3割ほど下がることがわかっています。
また、怒る人本人の生産性も低くなることが判明しています。
怒られた人だけではなく、本人や周りにいる人の生産性まで下げてしまうのは、会社の売上面から見れば、ほとんど意味がないものといえるのではないでしょうか。
「謝ること」しか考えられなくなる部下に育つ可能性が高まる
ミスをしてしまったことに対し、謝罪をすることは非常に重要です。
しかし、怒られ続けていると「とにかく謝らなきゃ!」という思考で頭がいっぱいになり、大事な「今後どうやって改善していくのか?」という点を考えられなくなります。
他責と自責のバランスを取り、自分だけが一方的に悪いと思い込まないようにして再発防止に努めていきましょう。
上司から無駄に怒られないよう、事前に押さえておくべきこと
誰だって「上司から怒られたくない!」と思うものですが、どんな仕事にもミスはつきもので、注意・叱責を避けれらないシーンは多々あります。
余計なストレスを抱え込まないよう、以下のポイントを事前に押さえておき、やっかいな上司からの叱責を予防しましょう。
【上司の叱責を回避する方法】
・怒られないための仕組みを作る
・自分の力を過信しない
・上司と適度な距離を保つようにする
怒られないための仕組みを作る
初めて作る書類でミスをした場合、「仕方がないよ」と許してくれるかもしれません。
しかし、2~3回とミスの数が多くなるにつれ、徐々に周りからの信頼が失われていくようになるので、以下のように具体的な対策を立て実践することが必要になります。
【書類のミスを防ぐ方法の例】
・ダブルチェックをする
・余裕がありそうなら同僚や先輩にチェックしてもらう
・心配になったときは必ず上司に確認する
人間である以上、ヒューマンエラーは避けられません。
「ミスが生じない仕組みづくり」を行い、可能な限り抜け漏れや作業遅延などを防ぐようにしてください。
自分の力を過信しない
どんなに気をつけていても、人間である以上、抜けや漏れなどのケアレスミスは防ぎ切れません。
特にADHDの場合、定型発達の方以上に注意力がないため、何かしらのミスでその都度頭を抱えてしまうことになります。
そのため、ツールに頼るなど自分以外の「何か」に頼ることをおすすめします。
【ダブルブッキングを防ぐためにやること・使うべきツール】
・Googleカレンダー→すべての予定を書き込む
【確認漏れを防ぐためにやること・使うべきツール】
・エバーノートなどのメモアプリ→上司から指示を受けた際、アプリの中に詳細を書き込む
【資料の差し戻しを回避するためにやること・使うべきツール】
「ジャストライトプロ」「文献」などの文章校正ツール→書類作りの際に生じる誤字脱字を防止する
※WordやGoogleドキュメントの校正機能の利用も効果的
なお、ツールを使う際、「ツールを使うこと」そのものを忘れてしまうことも少なくないので注意しましょう。
上司と適度な距離を保つようにする
パワハラ上司が身近にいるのであれば、適度に距離を置くことをおすすめします。
もし反論してしまうと「上司に逆らった」と認識され、今後の仕事に支障をきたすおそれがあるので、ある程度受け流して怒りが収まることを待ちましょう。
その結果「冷静な態度で対応できる人」という目で見られるようになり、上司以外のメンバーからの評価が上がることも少なくありませんので、決して自分自分自身を責めず、自分に優しくしてあげるようにしてくださいね。
なお、自分を優しくしてあげるには、少しの知識と練習が必要なので、気になる方は以下の記事を参考にしてみてください。
上司に怒られて凹んでしまったときの対処法・考え方
上司に怒られてしまうと、身体はもちろん心も疲れ果ててしまうため、その都度心身をケアする必要があります。
以下に、効果的な対処法の内容と、受けるストレスを軽くする考え方をご紹介しますので、気になるものがあればぜひ実践するようにしてください。
【上司に怒られて凹んでしまったときの対処法】
・前頭前野を休ませる
・すべて自分の責任だと捉えない
前頭前野を休ませる
睡眠不足をはじめ、人はストレスがかかると脳の中にある前頭前野が疲れてしまい、強い衝動や欲求などが制御できなくなってしまうようになります。
普段ならしない突発的な行動や言動も無意識にやってしまうようになり、「急にどうしたの?」と周りから心配されてしまうかもしれません。
特に以下のような、身体にとって好ましくない行動を取ってしまう回数が増えていくようになります。
【身体にとって好ましくない行動の例】
・暴飲暴食
・夜更かし
・過度な飲酒
・長時間のスマホ使用
頭ではダメとわかっていても、目の前にある欲求・衝動に負けてしまい、上記のような行動を取ってしまうようになります。
胃腸や肝臓など、身体のいたるところにダメージが与えられてしまうので、前頭前野を休ませるためにも、怒られた日は好きなものを食べてリフレッシュし、あったかいベッドで眠るようにしてくださいね。
すべて自分の責任だと捉えない
上司に怒られている最中は、すべて自分のせいだと思い込まず、「そんなに怒る必要ある?」と心の中でつぶやきながらやり過ごしてみてください。
ミスは、その人だけの責任でないことがほとんどで、組織の仕組みや上司からの指示、そもそもの仕事量などすべてが合わさって発生するものだからです。
【ミスをしたときに考えてほしいこと】
・たしかに自分がミスしたのは悪いけど、最終チェックをしなかった上司にも責任はあるよね…
・そもそも全部私に投げっぱなしにしたせいでしょ…
もちろん、すべて他責にするのは好ましくありません。
自分に落ち度があるならきちんと謝罪し、今後の対策について上司と話し合う必要があります。
しかし、上司というのは「何かあったときに責任を取るためにいるもの」で、そのために部下よりも高い給料をもらっています。
一方的に怒鳴りつけてくる上司はもはや上司の器とはいえないので、適度に距離を取りつつ「上司の上司」に相談して問題の解決を図るようにしましょう。
過度に怒る上司とは距離を取ろう
今回は上司からの注意・叱責などに悩んでいる方に向けて、メンタルを保つ方法や上司との付き合い方などについて解説しました。
・自分だけが悪いと思い込まない
・仕組みやツールでミスを防ぐ
・良質な睡眠を取り、心身ともに休ませる
「上司から怒られること」そのものに恐怖を感じてしまうと、上司の機嫌ばかり気にしながら仕事をすることになってしまいます。
仕事の生産性が下がるほか、自身のメンタルも病んでしまうようになるので、ミスをしてしまうダメな自分自身を許しつつ、自分がやるべきこと・できることを粛々とこなして挽回するようにしてください。
また、こちらの本も参考になりますので、よけれがチェックしてみてくださいね。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
それではまた!