仕事が激務で肉体的・精神的にもつらく、「帰宅したらそのままベッドに倒れ込んでしまうんだ…」と悩む方も多いのではないでしょうか。
このような場合、些細なことでもイライラして余計なストレスを抱え込むようになってしまうので、できるだけ早めに対処する必要があるといえます。
【本記事はこのような悩みを持つ方におすすめ】
・よくわからないけど、最近イライラすることが増えたかも…
・仕事も育児も大変でストレスが溜まる…こんなふうに悩むのって私だけ?
今回は、仕事が嫌で職場に行きたくないと悩んでいる方に向けて、つらい仕事との向き合い方や、うつ病対策にも使える「リフレーミング」について解説します。
目次
「リフレーミング」とは?
「リフレーミング」とは、物事の枠組み(フレーム)を変え、物事に別の視点を持たせることで、ネガティブな側面をやわらげるという認知行動療法のひとつです。
たとえば、「出社直後に上司から嫌味を言われた」「旦那に育児のことで小言を言われた」などといった「事実」は変えることができません。
しかし、「嫌だなあ…」「どうして自分だけこんな目に遭うの…」という受け取り方・感じ方は変えられます。
【上司に嫌味を言われてしまった場合に行うリフレーミングの例】
→嫌味を言わずにはいられない事情があるのかも。多分娘さんに「臭い」とか言われて機嫌が悪いんだろう。かわいそうに…
「そんなのできないよ!」と感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、何回か続けているうちにできるようになります。
無理にポジティブに考える必要はなく、「少しだけ思考の方向性を変える」のがリフレーミングのコツです。
リフレーミングをすることで得られる主なメリット
リフレーミングによって得られる主なメリットは以下のとおりです。
【リフレーミングを行うことで得られる主なメリット】
・ストレス耐性がアップする
・ソフトスキルが身につく
ストレス耐性がアップする
リフレーミングが習慣になっている方は、ちょっとやそっとのことではイライラせず普段通り行動することが可能です。
駅のホームで足を踏まれてそのまま立ち去られても、「きっと遅刻しそうで急いでいるんだろうな…もっと早く起きればいいのに…」など、自分に嫌なことをした人を憂うほどの余裕を持てるケースも珍しくありません。
社会人にとって重要なストレス耐性が身につくため、リフレーミングはビジネススキルの向上にも有効といえるでしょう。
ソフトスキルが身につく
上司に嫌味を言われた際、「この上司を反面教師にすれば後輩への指導に役立つかも」「嫌な上司への対策方法を学ぶチャンスだ!」とリフレーミングすることで、自分の評判が上がるほか、どんな仕事でも役立つソフトスキルが身につきます。
ソフトスキルは、どのような会社・仕事でも使うことができる、多くのビジネスパーソンにとって習得が必須のスキルとされています。
【ソフトスキルの例】
・ピンチのときでも冷静に振る舞える「対応力」
・人間関係を円滑にさせる「コミュニケーション力」
・困難な状況に陥ったときでもやり続けられる「グリッド」
つらい状況を変えることは難しいかもしれませんが、それをどう捉えるかは自分で変えられます。
リフレーミングはお金も手間もかからない手軽な方法なので、できる範囲で実践していきましょう。
リフレーミング以外に試してほしい「ストレス軽減法」
「ストレスが溜まってどうしようもない!」と思っている方は、リフレーミングを習慣することに加え、以下の内容を意識して日々の生活を送っていくと良いでしょう。
【日々の習慣にしてほしいこと】
・ネガティブな感情を否定しない
・ポジティブな一面を見つける
・自分を肯定する
ネガティブな感情を否定しない
「もう限界」「この場から逃げたい」といったネガティブな感情・気持ちは、それらを口にしないだけで多くの人が持っています。
実際に口にするのは多少勇気が必要ですが、「みんな同じように悩みながら働いているのだから我慢しなきゃ!」と自分に言い聞かせることはありません。
【ネガティブな感情・気持ちを受け止める際に有効な考え方】
・自分は今仕事を辞めたいと考えているんだ
・上司のことが嫌いでどうしようもないんだ
仮に否定してしまうと、「どうしてもネガティブなことばかり考えてしまう…これだから私はダメなんだ…」と自分のことを責めてしまうようになるため注意が必要です。
否定するのは「不適切な行動」
「ネガティブな感情を否定する」のではなく、ネガティブな感情によって生まれる「不適切な行動をしない」ことが重要です。
【自分を責めてしまうことでやってしまうNG行為】
・自傷行為
・反芻思考
・破壊行為
・迷惑行為
・各種ハラスメント
いくら自分がつらいからといって、自分の身体や他人を傷つけて良いということにはなりません。
また、反芻思考がクセになってしまうと、「不安障害」「うつ病」などのメンタル疾患になる可能性が高めるため、どんな自分でも受け入れる考え方を身につけることが大事です。
ポジティブな一面を見つける
仕事でミスばかりしていると、自分自身に嫌気が差し、そのまま会社を去ってしまうことにもなりかねませんが、「本当に全部がボロボロ」というケースはあまり多くありません。
たとえば、「ミスは多いけど、職場ではいつも親切な行動を取るように心がけている」という人の場合、知らないうちに組織の人間関係の調整役を担っていることがあります。
「自分が知らない間に組織に良い影響を与えていた」というケースは比較的多くあるので、もしそのようなポジティブな面を見つけることができたのなら、自分のことを全力で褒めるようにしてください。
自身のストレス緩和につながるほか、自己肯定感の向上といった効果もあるのでぜひ実践することをおすすめします。
自分を肯定する
周りの人が結果を残したときや、逆に自分だけが思うような成果を出せていないときなどは、大きな不安や焦りを感じてしまうのが普通です。
特にメンタルが不調のときはそのような空気に敏感で、無意識に自分のことを追い詰めてしまうケースも珍しくありません。
しかし、冷静に考えれば、全員がエース級の能力を持っているチーム・会社というのはほぼありえません。
【会社に所属している人に見られる「長所・短所」の例】
・コミュニケーション能力に長けているものの、ケアレスミスが多い
・会話が苦手だけど、「締め切りは必ず守る」といった責任感がある
・軽口を叩いて周りからの反感を買いやすいけど、物怖じせずチームを引っ張っていけるリーダーシップがある
ほかにも、なかなか結果を出せずに悩んでいる人もいれば、ケガや病気で離脱している人もいるでしょう。
だからこそ、そのときの自分にできる仕事を精一杯することが重要です。
たとえ単なるコピー取りでも、簡単な書類作成でも、会社にとっては利益につながる大事な業務のひとつです。
もし周りの人に迷惑をかけてしまうことがあったとしても、きちんと反省して次に活かせば良いだけの話なので、自分を責めることなく次のアクションプランを考え行動に移すようにしましょう。
リフレーミングを習慣にしてうつ病などのメンタル疾患を防ごう
今回は、つらい仕事との向き合い方や、うつ病対策にも使える「リフレーミング」について解説しました。
・自身の受け止め方を変えて、できる範囲でリフレーミングをする
・ネガティブな感情を否定せず、そのまま受け入れる
・自分を肯定するために、できている部分を見つける
今の自分ができていることを見つけることは、新人の方はもちろん、ベテランの方でも有効な取り組みです。
特にメンタルの調子が不安定な方は自分ができないことに目を向けがちなので、今回ご紹介した「リフレーミング」を習慣にするなどして、日々の考え方・捉え方を変えて現在の大変な状況を変えていくようにしてみてください。
また、こちらの本も参考になりますので、本記事と合わせてチェックすることをおすすめします。
今回もご覧いただきありがとうございました。
それではまた!