常に自己研鑽を積んでいるなど、まじめで努力家な方ほど自分を追い詰めてしまう傾向にあります。
しかし、現実では思うような結果が出ず、「こんなに努力しているのにどうしてダメなんだろう…」と悩んでしまうことも少なくありません。
【本記事はこのような悩みを持つ方におすすめ】
・がんばっているのに全然ミスが減らない…私って社会人としてやっていけないのかな?
・努力するのも疲れた…何が原因なんだろう?
今回は、毎日の仕事の際に空回ってしまうことが多い発達障害の方に向けて、主な悩みの原因とそれらの改善方法について解説します。
目次
発達障害が抱える悩みの発生要因
働きづらさを感じる要因として、主に以下の2つが挙げられます。
【働きづらさを感じる主な要因】
・環境によるもの
・遠慮によるもの
環境によるもの
たとえば、「この書類を読みやすいように修正してください」と指示を受けた場合、僕を含め発達障害の方は具体的にどれくらい作業するかイメージしづらく、自分なりの「読みやすい書類」になるよう修正作業を進めていく傾向が顕著に見られます。
定型発達の方(発達障害ではない人)ならその書類の重要性や読み手の属性から「これくらいでいいだろう」と判断するのが容易で、特に困ることなく一定のクオリティで完成させられます。
一方、発達障害の方は「雑にしすぎて注意を受ける」、あるいは「完璧を求めすぎて延々と修正作業に没頭してしまう」など思うように進まないことが少なくありません。
【発達障害の方に必要な指示の仕方の例】
・アンダーラインとカラーをつければ大丈夫だよ
・誤字と脱字の確認と、ファクトチェックだけお願いします!
上記のように、指示の内容が具体的であればそれに従って作業でき、認識の齟齬が生まれません。
発達障害の方がストレスなく働くためには、周りの理解・配慮が必要といえるでしょう。
遠慮によるもの
上司の指示が曖昧で困ってしまう場合、こちらから詳しい内容を聞くことが求められます。
・いつまでに仕上げればいいですか?
・どれくらいのクオリティーにすればいいですか?
一見簡単そうに思えますが、普段からミスが多く質問しづらい環境の場合、上司に質問するのも一苦労です。
「機嫌が悪そうだから今はやめておこう」と、何らかの理由をつけて先延ばしにしてしまいがちですが、後で苦労しないために勇気を持って聞いてみてください。
このような遠慮がなくなれば、今まで抱えてきた「働きづらさ」が解消されるかもしれません。
発達障害の方が決断すべきこと
自分の障害を会社側に伝えて働くことを「オープン就労(障がい者雇用)」、障害のことを伝えずに入社することを「クローズド就労」と呼びます。
オープン就労の定義はやや広く、単に自身の障害を上司に伝えることを指すケースもあれば、障害者手帳を取得し「障害者雇用」として働くことを指すケースもあります。
オープン就労・クローズド就労にはそれぞれメリット・デメリットがあり、発達障害の方は「自分はどちらが良いのか」「どんなキャリアを歩んでいくのか」を一度考える必要があります。
クローズド就労の特徴
クローズド就労を選んだ場合、当然ながら「普通の人」と同じように扱われることになり、次第に「ポンコツである自分」が周囲へと伝わっていくようになります。
最初は許されていても、やがて「使えない奴」というレッテルを貼られ、最終的には居場所がなくなってしまうケースも少なくありません。
僕はこのような感じでリストラされた経験がありますが、職場を変えても同じようなことを何度も繰り返し、そのたびに落ち込んでいました。
【クローズド就労のデメリット】
・定型発達の方と同じように扱われるため、必要な配慮が受けられない
・仕事でミスをしても「甘え」「怠慢」などを扱われ、自分の居場所がなくなることが多い
一方、クローズド就労には以下のようなメリットがあります。
【クローズド就労のメリット】
・定型発達の方と同じ給与水準で働ける
・自分の好きな仕事に就きやすい
障害者雇用で働く場合、スキルや年齢に見合わない額の給与水準(100〜300万円程度)で働く必要がありますが、クローズド就労ならそのようなことはありません。
また、障害者雇用の募集の多くは「一般事務」「軽作業」などで、仕事のバリエーションが少ない傾向にあるものの、クローズド就労なら定型発達の方と同じような職種に就くことが可能です。
オープン就労の特徴
オープン就労のメリット・デメリットは、クローズド就労の裏返しになります。
しかし、オープン就労で働こうとしても、障害者手帳がなければ選考を受けることができません。
グレーゾーンの方が「オープン就労で働きたい!」と思っても、最初のスタートラインにすら立てないのです。
【グレーゾーンの方が抱きがちな悩み】
・必要な配慮を受けたいのにダメなのか…
・これからも定型発達の人と比べられながら働かなきゃならないのか…
僕自身の経験からもいえますが、定型発達の方と同じ土俵に立って仕事をするのは決して簡単なことではありません。
自分の特性の強さや範囲、希望する職種・年収によって異なりますが、もし障害者手帳が取得できるなら、障害者雇用で働くことを検討するのもひとつの手だといえるでしょう。
自分がポンコツだと思ったときに実践したいこと
弱い自分を受け入れたい、怒られることなく一日を終えたいと考える方は、「自分の設計図」を作ってみてはいかがでしょうか。
最初の項目でも書きましたが、生きづらさを感じるのは「自分の能力・捉え方」のほか「外部の環境」に原因があります。
そのため、自分のことを客観的に分析しつつ、自分に合った働き方を実践することが重要といえます。
改善できそうな部分と無理なものを知る
すべてを他責にしてしまうのはダメですが、まずは、「この部分は自分で改善できる」「この部分はコントロールできない」といった形で悩みの項目を分けてみてください。
【改善できそうなこと】
・口頭での指示が苦手な場合
→チャットで指示してもらうよう、相談する
・雑談が苦手な場合
→コミュニケーションについての勉強をして実践する
【コントロールできないこと】
・嫌な上司の言動や態度
→自分の受け取り方を変える
・マウントを取る同僚
→少しずつ距離を取る
発達障害の方は、脳の構造上どうしても変えられない部分が多くあり、改善できるものがある一方、無理なものも少なくありません。
場合によってはメンタルを崩してしまう可能性があるので、そのような場合は「苦手な部分が目立たない環境」に移る必要があるといえます。
外部環境を変える
環境を変えるのは決して簡単ではありませんが、我慢できないときは勇気を持って決断することも重要です。
学校などが変われば、自分の欠点が目立たなくなる可能性があるほか、悩みそのものがなくなることもあるでしょう。
発達障害は、ねんざや骨折のように医師の治療で治るようなものではありません。
僕自身、自分なりに折り合いをつけながらうまく付き合っていこうと日々努めていますので、お困りの方は自分にできることから始めてみてはいかがでしょうか。
ポンコツなことは決して恥ずかしいことではない
今回は、「私はポンコツだ…」と悩んでいる方に向けて、悩みの原因と悩みの改善方法について解説しました。
・環境的要因と個人的要因を区別する
・周囲への理解がほとんどないことをきちんと考える
・自分なりの設計図を作って行動に移す
仕事ができないことは、それだけで自己肯定感の低下につながり、やがて生きること自体がつらくなっていきます。
しかし、全部自分のせいではなく、周りの環境にも原因があることがほとんどです。
自分でできること、できないこと冷静に分析して、生きづらさを少しづつ改善させましょう。
なお、以下の書籍も参考になるので、こちらも併せてチェックしてみてください。
以下は関連記事になります。
今回もご覧いただきありがとうございました。
それではまた!