未経験の業種・職種に転職し、心機一転「がんばろう!」と目の前にある仕事に取り組んではいるものの、「毎日ミスの連続でうまくいかない…」と悩んでいる方は、決して少なくありません。
僕自身、これまで3回の転職を経験しましたが、慣れない業務に悩むことも多く、「もうダメだ!」と頭を抱えてしまうことがたくさんありました。
【本記事はこのような悩みを持つ方におすすめ】
・入社して1年が経つのに、ケアレスミスが減らない…
・「たしかに君はがんばっていると思う。だけど全然進歩が見られない」って先輩に言われた…
今回は、入社後に困っている発達障害の方に向けて、働くことが怖くなってしまう主な理由と、仕事に恐怖心を抱いたときに実践すべき方法を紹介します。
目次
発達障害だと働くことが怖くなるの?
僕はADHD・ASDの併発型であり、好きなものになら没頭しやすいものの、不注意によるケアレスミスが多く起こります。
周りを見れば、テキパキと仕事をこなしていく人や、気難しいお客さんと和やかに談笑しながらトラブルを解決する人など、自分が憧れてしまうような人がたくさんいます。
そのため、以下のような理由により、「働くことが怖いな…」と思うことが少なくないのです。
【「働くことが怖い」と感じてしまう主な理由】
・人と比べられる
・他人が見ている場所で説教される
人と比べられる
僕は会社の上司や先輩から、「みんなと同じようにもっと要領よくやれ」「他のメンバーと比べてミスが多い」とよく言われています。
入社当時は特にひどく、長期にわたる説教によって、肉体的・精神的に追い詰められている状況でした。
・人の倍以上の時間をかけてもミスが減らない
・説教中も上の空になり、「人の話聞いている!?」とさらに怒りのボルテージを上げさせてしまう
・物に対する意識も散漫で、社用携帯を落として画面を破損させてしまう
会社や学校など、組織に属している以上、周りの人と比べてしまうのは避けられません。
しかし、それが一定以上のレベルを超えてしまうと、「ベッドから起き上がれない」「ふいに涙が出てくる」といった無視できない症状が現れてくるため注意が必要です。
他人が見ている場所で説教される
先ほど軽く触れましたが、僕は上司からパワハラめいた注意や指摘を受けることが多いです。
しかし、それは必ずしも一対一のシーンとは限りません。
・他の人が働いている中、オフィス内に響き渡るほどの声で説教される
・大人数が参加する飲み会の場で説教される
・複数のメンバーが参加するチャットグループで説教めいた文章を送りつけられる
公開説教ほど、自身のメンタルを削られるイベントはないといえるでしょう。
恥の感情を利用する人に注意
「恥の感情」は、他者をコントロールするときに使うと有効に働きます。
【恥の感情による主な弊害】
・こんな恥ずかしい思いしたくないから、もう上司には逆らわないようにしよう…
・恥ずかしい自分じゃダメだ…もっと上司に好かれないようにしないと!
すべての上司に当てはまるわけではありませんが、部下に恥の感情を植え付け、自分の思うようにコントロールしようとするケースも少なくありません。
そのため、まずは自分のことを受け入れて、自分自身を許すよう、さまざまな行動を取っていくことが重要といえます。
働くことが怖いと感じたときに取り組むこと
発達障害の方は、仕事上でさまざまなミスをしてしまいがちです。
もし「働くことが怖いな…」と悩んだときは、以下の方法を実践してみてください。
【「働くことが怖いな…」と感じたときにやること】
・セルフコンパッションを実施する
・メッセージカードを作る
・「しょうがないよ」とつぶやく
・自分以外の第三者の意識を持つ
セルフコンパッションを実施する
「あの人はホントに使えないよね」と言われてしまうポンコツな僕も、昔に比べ、今ではひどく落ち込むことは少なくなりました。
「能力が上がった」「スキルがついた」という理由もありますが、それ以上に、「ダメな自分を受け入れられるようになった」ことが大きな要因だと考えています。
自分を認めるためには、セルフコンパッションと呼ばれる認知行動療法が有効で、基本の概念は以下の3つとされています。
・自分への優しさ
・共通の人間性
・マインドフルネス
上記3つの概念や、先ほどご紹介した恥の感情については以下の記事で詳しく解説していますので、併せてチェックしてみてください。
メッセージカードを作る
先ほど挙げたセルフコンパッションの定義は、「自分の愛する人を思いやるように、自分自身を思いやること」とされています。
これは、今に集中する「マインドフルネス」の考え方にも近いと言われており、自分を励ます言葉に意識を向けることで効果を得られるケースも珍しくありません。
【自分に許しを与えるメッセージの例】
・ちょっとくらいミスしても大丈夫だよ
・誰だって失敗することはあるよ
上記のような言葉を書いたメモやカードを持ち歩き、ミスをしたときに見返すようにしてください。
徐々に気持ちが落ち着いてきますし、気分を切り替えて次の仕事に取り組めるようになります。
「しょうがないよ」とつぶやく
ミスをしたとき、心の中で【しょうがないよ】とつぶやくという方法もおすすめです。
たとえば、自分が納得できないような仕打ちを受けたときは、以下のように「しょうがないよ」と付け加えましょう。
・やってしまったことは変わらないし、「しょうがないよ」
・自分では精一杯やったし、もうこれは「しょうがない」
・先輩も確認していなかったのだから、トラブルが起こるのも「しょうがなくない?」
実際に口にするのも良いのですが、人が見ているときに行うと言い訳のように捉えられてしまうので、なるべく心の中で唱えるようにしてください。
自分以外の第三者の意識を持つ
先述したとおり、セルフコンパッションの大事なポイントは「自分への優しさ」であり、自分をなぐさめるような言葉をかけることが基本です。
このとき、自分以外の第三者という意識を持つことが重要とされています。
たとえば、以下のような人を頭の中でイメージすると良いでしょう。
・大切な恋人
・両親や兄弟
・信頼できる友達や先生
・好きな漫画のキャラクター
上記の中からぴったりの人を思い浮かべ、その人が親身になって語りかけてくるシーンを想像します。
また、以下のような励ましの言葉を使っても良いでしょう。
・誰だってミスをしてしまうときはあるよ
・一生懸命やった結果なんだから次に活かせば良いじゃない
・何度も同じミスを繰り返しているのは、君のせいじゃなくて環境のせいかもしれないよ
「自分に甘くなってしまうのでは?」と疑問に思う方も多いのですが、自分のメンタルが限界の場合、まずは自分のメンタルを回復させる必要がありますし、それをしないと先に進めません。
いつでも自分の味方になってくれる頼もしい人が寄り添ってくれるイメージを持ち、自分のことを思いやってあげてくださいね。
なお、セルフコンパッションについては以下の記事で詳しく解説していますので、こちらも併せてチェックしてみてください。
働くことが怖いと感じているあなたは決して無価値なんかじゃない
今回は若手社員の方、特に発達障害の方に向けて、働くことが怖くなってしまう主な理由と、仕事に恐怖心を抱いたときに実践すべき方法のをご紹介しました。
・周りと比べてしまう自分のことも認めてあげる
・ミスをしてしまうのが自分だと良い意味で割り切る
・心のなかで大事な人や好きな人、尊敬できる人を思い浮かべ、「しょうがないよ」と話しかけてもらうイメージを膨らませる
嫌いな人や、たいして仲良くない人から励ましの声をかけれてもあまり響きませんし、正直モヤモヤしてしまいます…
気にかけてくれている点には感謝したいところですが、やはり自分にとって大切な人に励まされたいものです。
失敗してしまったときや、自分に自信が持てなくなってしまったときは、今回ご紹介した方法を実践し、次の仕事に取り組むようにしてみてはいかがでしょうか。
また、こちらの書籍も参考になりますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
今回もご覧いただきありがとうございました。
それではまた!