仕事や育児をはじめ、何かをする際にどうしても生じてしまうのが「ストレス」です。
適度なストレスであれば身体に必要とされていますが、過度なストレスが続くような場合、身体の調子が悪くなって倒れてしまうことも少なくありません。
【本記事はこのような悩みを持つ方におすすめ】
・長時間の残業がなくならない…
・上司から理不尽なことで怒鳴られる…
今回は、社会生活を送るうえで重要になる「ストレスとの正しい付き合い方」について解説していきますので、お困りの方は参考にしてみてくださいね。
目次
不調のサインを見逃さないことが何よりも大事な理由
僕は昔、日常的に人格否定をする上司のもとで働いていました。
多少熱が出ても休むことができず、薬を飲みながら日々の仕事(主に飛び込み営業)を行っていました。
当たり前の話ですが、身体やメンタルの強さは人によってそれぞれ異なり、やる気や根性だけで解決できることはさほど多くありません。
【やる気や根性だけでは乗り切れないもの】
・数ヶ月にも及ぶ長時間残業
・回避不可の休日出勤
・毎日のように受ける過度な叱責
・あからさまな集団いじめ
・男性上司→女性部下へのボディタッチ(逆もあり)
・時代遅れの余興、一気飲み(飲み会など)の強要
身体と心が病んでしまうと、もう今までのようには働けません。
実際に倦怠感や吐き気といった症状が発生し、どうしようもなくなって医療機関を受診した結果「適応障害」と診断された経験もあります。
「このままじゃまずいかもしれない…」と思っている方は、どうか無理をせず「休む」ことを検討してみてください。
ストレス過多のときに出る代表的なサイン
心のエネルギーが不足してきたとき、以下のような状態になり、仕事や私生活がうまくいかなくなってしまうことが少なくありません。
【ストレス過多のときに出る代表的なサイン】
・アルコールの量が増える
・欠勤や遅刻が増える
・今までできていたことができなくなる
以下の項目で詳しく解説していきますが、もしこれらの症状が2週間以上続く場合、「うつ病」「慢性疲労」などの可能性が高いといわれているので、心当たりがある方は最寄りのメンタルクリニック・心療内科を受診することをおすすめします。
アルコールの量が増える
嗜む程度、またはグラス一杯程度のお酒を飲むのはそれほど悪い行為ではありません。
しかし、毎日過度な飲酒をしている場合、肝臓などに負担がかかるほか、睡眠の質も下がってしまうためおすすめできません。
【1日あたりの純アルコール摂取量の危険ライン】
・成人男性→40g以上
・成人女性→20g以上
ビール中瓶1本(500ml)に含まれる純アルコール量が約20gとされているので、これ以上飲むのは控えるべきといえるでしょう。
欠勤や遅刻が増える
多少欠勤や遅刻が増えるといったことがあれば、上司や先輩などがそれに気づき、医療機関などの受診を促すなど何らかの対処をしてくれるかもしれません。
ただ、ほとんどのケースでは「甘え」の一言で片づけられることが多く、「体調不良」の早期発見につながりづらいのが現状です。
難しいかもしれませんが、自分の体調の感度を高め、「最近どこか調子が悪い…」と感じた時点で病院に行くのが理想といえるでしょう。
今までできていたことができなくなる
今までできていたことができなくなってしまうのも、ストレス過多の代表的なサインのひとつです。
【疲労によるミスの悪循環】
①疲れが溜まっていることに気づかないで仕事をする
②注意不足によりミスが発生する
③ミスを挽回しようと無理をして働く
④残業が増え、睡眠時間が減る
⑤体調を崩すものの、自責の念から会社を休むことができず、そのまま働き同じようなミスを繰り返す
上記のような負のサイクルに陥ってしまう可能性があるので、いつもと違うような感覚に気づいたら、すぐにメンタルの改善を図ったり休暇を取ったりして自分のことを労るようにしてください。
また、メンタル改善には「認知行動療法」が有効で、なかでも「ACT」という方法が現在多くの方の注目を浴びています。
このACTに関しては以下の記事で解説していますので、こちらも併せて読んでみてください。
ストレスはゼロにした方がいい?
先述したように、過度なストレスは身体に大きな悪影響を与えるためなるべく減らす努力をする必要があります。
しかし、すべてのストレスをゼロにしようとするのも好ましくなく、むしろこれはほぼ不可能なため目指すべきではありません。
ストレスがまったくない状態では生活にハリが生まれないうえに、大事な場面で自分の力を出し切れなくなってしまつためです。
【日常生活の中でたびたび訪れる大事な場面の例】
・年に一度しかないテスト(大学受験、国家資格試験など)
・大きな契約を取れるかどうかの商談
・第一志望の企業の面接
・大事なお客様の前で行うプレゼン
・義母、義父への結婚の挨拶
また、上司が部下の業務量ばかりを注視して、その人のモチベーションや能力を考えずに仕事を振ってしまうのもストレスの観点から見れば好ましくありません。
業務量が減って負担が少なくなったとしても、苦手な仕事であればモチベーションも上がらず、結局ストレスが増えてしまうことになるので注意が必要です。
【ストレス対策】人間関係の維持に必要な「ラポール」の重要性
余計なストレスを抱え込づらい方は、職場やママ友などの人間関係が良好であるケースが多いです。
最後に、人間関係の構築の際に重要な「ラポール」について解説しますので、苦手な上司や先輩の発言・態度などに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
ラポールとは
ラポールとは、主に営業の仕事をする際に出てくるビジネス用語のひとつです。
お互いの関係性を良好なものにし、最終的なゴールである契約を結ぶには、「ラポール(お互いの心に橋が架かっている状態にすること)」を築くことが欠かせないとされています。
部下とラポールを形成するためのポイント
たとえば、上司・先輩が「直属の部下とラポールを形成したい」と思ったとしましょう。
この場合、部下の本音を把握するために1on1などを行い親睦を深めようとするのが一般的です。
しかし、常に罵詈雑言を浴びせてくるような上司・先輩だった場合、多くの方は警戒して当たり障りのない話しかしないでしょう。
そのため部下とラポールを結ぼうとした場合、一般的に以下のようなことを意識しながら会話をする必要があるといえます。
【ラポールを形成する際のポイント】
・部下の話を傾聴する
・表情など非言語のメッセージ性を理解する
・普段から威圧感を与えないように接する
・部下の悩みに共感し、理解する
部下の気持ちを考えながら接することができれば、比較的スムーズにラポールを築くことができるでしょう。
職場以外の人ともラポールを築くことが重要
ラポールは上司・部下との間だけではなく、同僚や恋人、友達などの間でも意識して築いた方が良いといわれています。
仕事がつらいときや、何かトラブルが生じてしまったとき、こちらの身を案じ相談に乗ってくれるかもしれません。
そのためには、感謝の気持ちを伝える、自分勝手な発言・行動は控えるなど、自身の日々の「振る舞い方」が重要です。
【ラポールを形成するうえで大事な心がけ】
・恥ずかしがらずに感謝の気持ちを伝える
・こちらに落ち度があったときは素直に謝る
僕も忘れがちなのですが、「やってもらって当たり前」という考え方ではなく、「何気ないことに感謝する」気持ちで接することが大事なのかもしれません。
身体に不調が出るほどのストレスがあれば無理なく休もう
今回は、ストレスとの正しい付き合い方について解説しました。
・ストレスで生まれる致命傷を避ける
・不調のサインを見逃さずにストレスケアをする
・身近にいる人からのストレスが問題ならラポールについて勉強・実践する
能力やストレス耐性は人によって異なるため、もしメンタルの調子が崩れてしまっても、過度に自分を責める必要はありません。
僕自身、負のループに陥ってしまうことがたびたびあるので、今回の内容をあらたねて意識して生きていこうと考えています。
また、以下の書籍も参考になるので、これらも併せてチェックしてみてください。
今回もご覧いただきありがとうございました。
それではまた!