【ノイズ削減】頭の中の独り言「チャッター(Chatter)」を防ぐ方法とは?

「チャッター」とは、僕らの頭の中に浮かんでくる「独り言」を指す言葉です。

 

「今日の晩御飯は何にしよう?」といったあまり負担にならない独り言なら特に問題ありませんが、「また上司に怒られるのでは…?」などの「ネガティブな思考」が思い浮かぶようなら注意が必要です。

 

【本記事はこのような悩みを持っている方におすすめ】

・いつも「自分は何をやってもダメだから…」だと考え込んでしまってなかなか行動に移せない…

・ストレスになる独り言を止めて頭の中をスッキリさせたい!

 

今回は、頭の中の独り言(チャッター)によるデメリットや、僕自身も実践しているチャッターの減らし方などについて解説しますので、お困りの方は参考にしてみてください。

 

チャッターはなぜ生まれる?

頭の中の独り言が生まれる主な理由として、主に以下のようなものが挙げられます。

 

【頭の中の独り言が生まれる主な理由】

・脳のデフォルト機能によるため

・日々の生活に欠かせない「ワーキングメモリ」とつながっているため

 

脳のデフォルト機能によるため

チャッターを構成するのは「循環するネガティブな思考と感情」とされています。

 

【循環するネガティブな思考と感情の例】

・どうしてあのとき彼氏に「全部あなたが悪い!」と言ってしまったんだろう…

・もっと勉強しておけば志望校に合格していたかもしれないのにな…

 

本来、僕ら人間は「苦しい時は自分の内面に向き合い現状を打開しようとする」生き物で、このときに働く内省力によって良い解決策が思いつくといわれています。

 

つまり、頭の中で生じる独り言は、脳のデフォルト機能ともいえます。

 

しかし、頭の中が否定的な感情でいっぱいになってしまった場合、それらはチャッターとして自分自身に牙を向くようになってしまうため注意が必要となるのです。

 

ワーキングメモリとつながっているため

ワーキングメモリとは、主に短期記憶をするときに使われる脳機能のひとつで、「音韻ループ」と呼ばれる神経系によって成り立っているのが特徴です。

 

この音韻ループは以下の2つから構成されており、これらによって僕らは自分自身の外で何か生産性のある活動をしつつ、自分の会話を内面へ向け続けていけるといわれています。

 

【音韻ループを構成しているもの】

・内なる耳(「この仕事やっておいて」など口頭で行われる簡単な指示を覚えておくことができる)

・内なる声(これにより頭の中で言葉を反復することが可能で、会話やプレゼンの練習などを行えるようになる)

 

2つ目の「内なる声」がチャッターの根源なので、ほとんどの人は頭の中の独り言によって悩む可能性があるといえるでしょう。

 

チャッターによって引き起こされる問題

チャッターが暴れ出すことにより、主に以下のような問題が起こる可能性があります。

 

【チャッターによって引き起こされる主な問題】

・集中力が低下する

・脳の実行機能が衰える

・ストレスに加え、感情的・身体的痛みが発生する

 

集中力が低下する

僕はチャッターによって集中力・注意力が低下し、大事な仕事でミスをすることが多くあります。

 

頭の中の「内なる声」が僕の心をかき乱し、目の前にある作業に集中できなくなってしまうためです。

 

【僕の中にある「チャッター」の例】

・また同じミスを繰り返して上司に注意されるのでは…?

・最悪の場合、リストラされてしまうのでは?

・仮にリストラされずに済んでも、職場で腫れ物扱いされてしまうだろう…

 

チャッターは反芻思考のようなものでもあるので、なるべく早い段階で対処することが重要といえるでしょう。

 

脳の実行機能が衰える

チャッターは、人の脳の前頭前野が司っている「実行機能」に大きな悪影響を及ぼします。

 

この実行機能は、仕事や育児などの物事を論理的に考えつつ最善の行動を取るのに必須とされています。

 

【脳の実行機能の働きによって叶えられること】

・自分に無関係な情報を排除すること

・自分に関係のある情報を頭の中に保持すること(ワーキングメモリは実行機能の一部)

・新しいアイディアを練れる

・必要な場所に注意を向けられる

・さまざまな誘惑に抗うことができる

 

多くの人は、人間なら誰でも持っている「やりたいことは何でもやるという思考」「苦しそうな内なる声」によって、仕事や勉強といった生産活動をするうえで必要になる実行機能の容量を満杯にしています。

 

仕事や家事・育児、美容やスキルアップなどやるべきこと・やりたいことはたくさんあるはずなので、せめて「内なる声」だけでも制御し脳のリソースを空けたいところといえるでしょう。

 

ストレスに加え、感情的な痛みが発生する

ネガティブな感情や言葉は、僕ら人間の大きなストレス要因になるとされています。

 

チャッターを構成しているのは主に「ネガティブ感情・思考」なので、場合によっては慢性的なストレス過多状態になるケースも珍しくありません。

 

【慢性的なストレスによって引き起こされる症状の例】

・抑うつ

・睡眠障害

・不安障害

・適応障害

 

また、2007年にニューヨークで行われた実験によると、感情的な痛みと身体的な痛みを処理する方法は非常に酷似しているということが判明しています。

 

失恋をしたときに感じる「胸の苦しさ」と同じように、ネガティブな体験・言葉は何らかの形で身体的痛疼痛と関わっている可能性があるといえるでしょう。

 

チャッターの減らし方

チャッターは僕らの生活に大きな悪影響を及ぼす可能性があるので、できるだけ早めいうちに対処することが重要といえます。

 

対処法は多岐にわたりますが、僕自身が実践しているやり方は主に以下の3つです。

 

【僕が実践しているチャッターの対処法】

・距離を置いた自己対話をする

・経験を試練として捉え直す

「心のタイムトラベル」を実践する

距離を置いた自己対話をする

チャッターが発生した際は、自分のネガティブ思考と距離を取り、可能な限り気にしないようにすることが重要です。

 

そのためには、頭の中に「もう一人の自分」を作り、自分を指すときに使う言葉を「名前またはあなた(You)」に変えて対話する必要があります。

 

【「僕はまたミスをして上司を怒らせてしまった…」場合の自己対話の例】

・もう一人の自分が語りかけるセリフ

→あなたor◯◯(自分の名前)はミスをして上司を怒らせてしまったんだね…

 

もう一人の自分が語りかけてくる状況をイメージすることで、自分のネガティブな思考と徐々に距離を取れるようになるのでぜひ実践してみてください。

 

なお、もう一人の自分をイメージするときは、なるべく知的で冷静な人(諸葛亮孔明など)を思い描くのがコツです。

 

経験を試練として捉え直す

チャッターが発生するのは主に「自分にとって脅威となる状況、または対処しきれない状況」とされています。

 

そのため、当時の状況を再解釈し、克服できる試練として捉え直すことが必要になります。

 

【「病気によって仕事を辞めざるを得なくなった」場合の再解釈の例】

・たしかに仕事は失ったけど、これでパワハラ上司と決別できるから良いよね?

・病気になったことで、「会社に奉仕しないといけない」といった古い価値観を見直すことができたから良いじゃないか

・これまで何度も転職してきたから、今回もまたどこかの会社で働けるよ

 

「実りのある経験だった」「今回のトラブルも対処できる」と考え方を改めることで、自身のメンタルに大きな影響を与えるチャッターの発生を抑えられるようになるでしょう。

 

「心のタイムトラベル」を実践する

チャッターと距離を取り視野を広げるには、今から1年後、5年後といった未来のことを考えるのも有効です。

 

未来の自分から見れば、「そんなトラブル全然問題ないよ」と思えることが少なくないためです。

 

【「付き合っている彼氏と別れた」際に行う心のタイムトラベルの例】

・1年後、今別れた彼氏よりも素敵な人が見つかるから問題ないよ!

・実は多額な借金があるみたいなんだって!別れて正解だよ!

 

実際に、僕も未来の姿をイメージすることが多々あります。

 

退職勧奨やパートナーとの別れといったつらい出来事も、「もしリストラされても何とかなる」「もっt素敵な彼女を作ろう」と捉え直すことができたので、お困りの方は一度自分の将来について考えてみてはいかがでしょうか。

 

チャッターを放置してはいけない

今回は、頭の中の独り言(チャッター)によるデメリットや、僕自身も実践しているチャッターの減らし方などについて解説しました。

 

・チャッターは「循環するネガティブな思考と感情」で構成されている

・チャッターを放置すると脳の実行機能が低下し、自分のやるべきことに集中できなくなる

・チャッターを減らすには、頭の中に「もう一人の自分」をイメージし、第三者視点で自己対話するのが効果的

 

頭の中の独り言は不意に生じてしまうことが多く、一般的に対処が難しいとされています。

 

また、僕はADHDの診断を受けており、集中力・注意力の低下がチャッターだけによるものだとは思っていないものの、それでも頭の中の独り言が気になり作業が滞ってしまうことが少なくありません。

 

ADHDとチャッターの双方に対処しつつ、これからやるべき物事に注力していきたいと考えています。

 


 

 


 



今回もご覧いただきありがとうございました。

 

それではまた!

 

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