「ブラック企業に入りたくない」「ホワイト企業に入社したい…」など、転職活動中の方の多くは「現状よりも良いところに入れれば良い」と考えてがちです。
しかし、自分のやりたいことや価値観などがわからないと、せっかく内定をもらって入社しても「こんなはずじゃなかった…」と後悔してしまう可能性があるため注意が必要です。
【本記事はこのような人におすすめ】
・転職活動中の悩みをひとつでも解消させたいと思っている人
・「今の状況を変えたい」と強く思っている人
今回は、ブラック企業かどうか判断する基準や、転職活動をするうえで押さえておくべきポイントなどについて解説しますので、お悩みの方はぜひチェックしてみてください。
目次
ブラック企業かどうかの判断基準
今勤めている会社が以下3つの条件のいずれか、あるいはすべてを満たしているなら転職を検討した方が良いといえます。
【ブラック企業の特徴の例】
・サービス残業が多い
・パワハラが容認されている
・仕事内容と賃金が見合ってない
残業が多い
どんな職場でも不平不満はあるものですが、過度な残業によって心身がボロボロになっているようなら、もうその時点で「自分には合わない会社」といえます。
どれくらいの残業なら耐えられるのかは、人によってそれぞれ異なるので、他人の意見ではなく自分の体感で判断して構いません。
【僕が感じた残業の怖さ】
・0~20時間…ほとんど支障がない
・21~40時間…勤務中に眠気を感じる程度
・41~60時間…扁桃腺が腫れたりニキビが発生したりするなど、具体的な症状が現れてくるようになる
・61~100時間…勤務中に居眠りをしてしまうくらいの睡眠不足になる
・100~200時間…生きている意味がわからなくなるくらいメンタルがおかしくなる
なお、残業代が支払われないサービス残業や、どれだけ働いても一定の残業代しか支給されない「固定残業制」の場合、すぐにでも転職活動をした方が良いといえるでしょう。
パワハラが容認されている
令和になってから、徐々にパワハラをはじめとする各種ハラスメントの規制が強まってきています。
パワハラ防止法は2020年6月1日に施行され、中小企業でも2022年4月1日から義務化の対象となっています。
このような規制があるのにもかかわらず、パワハラが横行しているようなら転職した方が良いといえるでしょう。
【パワハラにあたる行動】
・身体的な攻撃
・精神的な攻撃
・職場の人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視など)
・過大・過小な要求
・個への侵害
参考:雇用環境・均等局 「パワーハラスメントの定義について」
上記の中でよく見過ごされてしまうのは、「過大・過小な要求」です。
物理的に無理な量の仕事を任せられても、立場の弱い部下はなかなか反論できません。
また、わざと「何もやることがない」といった状態に仕向ける行為も立派なパワハラになるので、心当たりがある方は、上司よりもさらに上の役職の方に相談しましょう。
仕事内容と賃金が見合ってない
本来ならしなくても問題ない雑務や、誰が見ても過剰といえるノルマを与えられている場合、賃金と労働のバランスが合っていない可能性があります。
【賃金と労働のバランスが崩れている職種の例】
・介護業界(介護士、ヘルパーなど)
・飲食業界(調理師、ホールスタッフなど)
・教育業界(教師、保育士など)
また、不当に低い賃金で危険な職務を任されている場合にも注意が必要です。
心身に支障をきたしてしまうおそれがあるので、労基署などに相談してしかるべき処置をしてもらう必要があるといえるでしょう。
転職する前に確認しておくこと
続いて、転職する前に確認しておくべきポイントについて解説していきます。
【転職する前に確認しておくべきポイント】
・自分にとってダメな職場の条件
・自分に合っていると思える職種の特徴
・今の仕事内容
ある程度整理すると転職活動が捗るようになりますので、時間を作って取り組んでみてください。
自分にとってダメな職場の条件
会社を辞める前に、まずは「自分にとって向かない職場はどんなものか」を明確にすることが重要です。
たとえば僕の場合、身体が弱く、さらにADHD(注意欠陥多動性障害)のため、以下のような職場では長く続きません。
【僕が苦手とする環境の特徴】
・炎天下や厳しい寒さの中での作業がある
・身体の調子を保つのが難しい交代制が採用されている
・電話応対が多い
・突発的なトラブルが頻繁に起こる
・小さなミスが命の有無を決める
具体的には、工場でのライン作業や荷物の配送、飲食店のスタッフやコールセンターの受付などが挙げられます。
ほかには、動物園のスタッフや老人ホームでの介護(これらは資格が必要なため無理ですが…)なども候補外としています。
自分にとって合っていると思える職種の特徴
次に、具体的な職種を考えていきます。
先ほども軽く触れましたが、ADHDの場合、以下のような職種は避けるべきといわれています。
【ADHDが苦手とする職種の例】
・飲食店のコックやウエイター
・コールセンターのオペレーター
・工場の作業員
・医師や看護師
・一般事務
僕自身、過去に飲食店や事務の仕事をクビになったことがあります。
そのため、「自分に合っていない仕事だからブラック企業」と言い切るのは少々違うと思っています。
「自分には何ができて、どんな作業だったらある程度耐えられるんだろう」と、消去法で考えていくと理想の職場・職種を見つけやすいので、ぜひ実践してみてください。
今の仕事内容
入社直後は特に問題がなくても、次第に「もしかしたら失敗だったかも?」と悩んでしまうことも考えられます。
理不尽な異動や業績悪化による人員削減など、自分にとって大きなストレスになる出来事が突然起きてしまうことも少なくありません。
勢いで転職するのは大きなリスクなので、今の会社が我慢できないほどのものではない限り、まずは「目の前にある問題を解決するための努力」をしてみてください。
【自分ができる努力の例】
・業務量の調整を提案する
・部署異動ができるかどうか相談する
・体調不良の場合、医師から診断書をもらって休職する
もし今の状況が改善されるのであれば、そのまま働き続けることも有効な手段といえます。
しかし、特に変わらないようであれば潔く次の会社を探すのが賢明です。
外部の状況を変えるのは非常に難しいので、いつでも行動に移せるよう、転職に必要な準備を進めておくようにしましょう。
転職活動をするときに押さえておくべき考え方
最後に、実際に転職活動をするときに押さえておくべき考え方について解説します。
【転職活動をするときに押さえておくべき考え方】
・転職活動をストップさせない
・「いずれ退職する」という点を忘れない
どちらも大事なものなので、ぜひ頭の中に入れて転職活動を進めるようにしてくださいね。
転職活動をストップさせない
「転職をする」「転職をしない」といった決断の有無に関係なく、「転職活動」はした方が良いです。
時間や手間はかかるものの、転職活動そのものはリスクがありません。
【転職活動の準備段階で必要なこと】
・書類作成
・自己分析
・企業リサーチ
・カジュアル面談の日程調整
「軽く情報収集をする」「市場の温度感を知りたい」といったライトな感覚でプロのエージェントに相談する方も多いので、まだ始めていない方は、とりあえず職務経歴書の作成から取り掛かってみてはいかがでしょうか。
「いずれ退職する」という点を忘れない
先述した「転職活動をストップさせない」にも通じることですが、いつでも動けるように準備し、いつでも行動に移せるようにしておくと、メンタル面も安定してきます。
【転職活動をしている人が持っている考え方】
・そのうち辞めるから、上司のパワハラもそこまで気にならない
・どうせ転職して今の職場を去るんだから、媚を売ってまで上司に好かれなくてもいいかな
このように、嫌な上司のことも「ちっぽけな存在」として扱えるようになるでしょう。
なお、転職については以下の記事でも解説しているので、こちらも併せてチェックしてみてください。
転職先が見つからないときにすべきこと
転職に限らず、何か新しいことを始めるとき、やりたいことが決まっていないとすぐに行動に移すことができません。
「やりたいことをしよう!」というキャッチコピーを見る機会も多いのですが、「やりたいことって何?」と悩む方も少なくありません。
そのような方は、以下に挙げる方法を実践してみてはいかがでしょうか。
【転職先が見つからないときにすべきこと】
・仕事抜きで考える
・嫉妬の感情に目を向ける
・嫉妬しないものにも目を向ける
・転職の基準は人それぞれと考える
仕事抜きで考える
転職先を探そうとするとき、つい「仕事のこと」だけにフォーカスして考えがちですが、仕事抜きで検討してみると、以下のようにポンポン浮かんでくることが多くあります。
【仕事抜きでやってみたいことの例】
・ヨーロッパ一周旅行に行きたい
・全国各地のご当地グルメを制覇したい
・リフォームして暮らしやすい環境を整えたい
「やりたい仕事が見つからない」と悩んでいる方は、「やりたいことを探す・やりたいことに気づく力」が弱まっているだけかもしれません。
新しい仕事を探す前に、まずは仕事のことを抜きにして、自分の興味があるものを片っ端からチャレンジしていくことで、徐々に自分のやりたい仕事が見えてきます。
【発想の例】
・旅行が好きだから、思い切って旅行関係の仕事に就こうかな?
・日記をつけるのが好きだから、フリーのライターにチャレンジしてみようかな?
「まじめに考えてるのに不謹慎な!」と思うかもしれませんが、「遊び」も人生を送るうえで大事な要素になりますので、少しずつ実践してみてくださいね。
嫉妬の感情に目を向ける
「自分よりもお金持ちで悔しい」「素敵な彼氏がいて羨ましい」など、周りの人やSNS上の人に対し、嫉妬してしまうときはありませんか?
人間誰しも嫉妬の感情はあるのもので、僕も「あんな人になりたいな」と思いながら日々の仕事に取り組んでいます。
過度に妬んでしまうのは好ましくありませんが、この嫉妬の感情に目を向けると、自分のやりたいことや、自分の理想の姿が徐々に見えてくるようになります。
【嫉妬から見える自分の本当の気持ち】
・好きな人に振り向いてもらえるようにもっと魅力的な人になりたい!
・ファッションやコミニュケーションの方法について勉強してみようかな?
「嫉妬はすべて悪いもの」と捉えるのではなく、自分の中で芽生えた嫉妬の感情をうまく活用してみてください。
嫉妬しないものにも目を向ける
嫉妬の対象となるものではなく、嫉妬しないものに目を向けることも重要です。
たとえば僕の場合、「派手なスポーツカーに乗っている人」を見ても、特に嫉妬するようなことはありません。
毎日暮らしていける収入は必要ですが、「大金持ちになりたい」という気持ちはなく、特に手に入らなくても良いものだとあらためて認識できます。
また、以下のようなものにもさほど興味が湧きません。
【僕にとって興味がないもの】
・お酒
・タワーマンション
・高級ブランドの洋服や小物
・会社での地位
世の中的にはステータスといわれているようなものでも、自分にとってさほど大事ではないものは意外と多いです。
嫉妬しない対象に目を向けることで、「自分が本当に欲しいもの」がわかるので、自分の中で一度整理してみるのもおすすめです。
転職の基準は人それぞれと考える
昔、母や祖母から「よそはよそ、ウチはウチ」と言われることがたくさんありました。
「好きなゲームを買ってもらえなかったとき」など、僕自身がわがままを言っていたときによく叱られていました。
当時は納得できないことも多かったのですが、今ならこの言葉の本質がわかるような気がします。
【僕が転職する際に思うこと】
・転職に勝ち負けはない
・年収が高いかどうかの勝負でもない
・名の知れない企業だからといってひがむ必要はない
いくら年収が高い会社でも、世間的に有名な会社でも、自分に合わないなら「理想の職場」とはいえません。
特にADHDやASDの方は、簡単に人に言えないほどの「生きづらさ」を抱えているため、なおさら「自分に合った職場か」を重視して転職活動をしているとされています。
僕と同じような価値観を持っている方は、ぜひ「自分にとって働きやすい会社」を探してみることをおすすめします。
転職は決して「逃げ」ではない
今回は、ブラック企業かどうか判断する基準や、転職活動をするうえで押さえておくべきポイントなどについて解説しました。
・転職しても解決できないこともある
・自分にとって働きやすい環境は何かを考える
・嫉妬の感情に目を向けて、やりたいことや欲しいものに目を向ける
今の会社が精神的・肉体的に我慢できないものであれば、すぐに逃げる必要があります。
しかし、そのような場合ではない限り、勢いで転職するのは少しリスクが高いといえます。
転職することで手に入るものがある一方、失うものも少なくありませんので、世間体などは考えず、自分の気持ちと向き合って決めてみてくださいね。
上記の書籍も参考になりますので、よければチェックしてみてください。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました!
それではまた!